『ヒトラーの秘密』 | 空白の瞬間

『ヒトラーの秘密』

さて、小休憩を挟んでナチス復帰ですよ(笑)。

これだけナチスどっぷりなわたしにとっては
そろそろ目新しい情報もなくなってきているんだけど
分かったつもりになってることを追求すると得られるものって必ずあるから
まだまだ追求していきます( ・`,_ゝ・´)キリッ!!

そんな追求の1つに選んだのが、ヒトラーの恋愛模様。
ヒトラーは実の姉の娘のことを溺愛していて
その子はヒトラーのがんじがらめの愛に息が詰まって自殺してるんだよね。
ヒトラーは死ぬ間際に妻を娶って結婚してるんだけど
その姪のことは誰よりも特別で
結婚相手は女性側からの根気強いアプローチを受け入れたような形。
ヒトラーの注意をひく為に、姪と同じようにピストルで自分を撃ってみたり
結婚してすぐにヒトラーと心中することになったり
なんかもうここはここで壮絶なんだよ。
V系が題材にしたがるようなエピソードがいっぱい(笑)。

改めてヒトラーの人物像が興味深いと感じるんだけど
こう言っちゃなんだが、Gacktがほんとそっくりなんだわ。
自分がなすべきことが最優先で、個人的なものは後回し。
女に求めるものは絶対服従。
権力は持たせないし、力を発揮する職業にも就かせない。
ヒトラーも笑顔が苦手な人で。
姪と仲良くしてた頃は一緒にはしゃいでたけど
姪が恋人を作ったり自分から離れそうになりだしてからは笑わなくなった。
婚約の話をしている時ですら「心から幸せだ」と言いながらも微笑まない。

映画の中のセリフだから事実関係は分からないけど
「女が求めてるのは命令だ」ってヒトラーは断言してたんだよね。
奥さんになった女性はヒトラーのすべてにメロメロだったから
それをどう思うかと問われた時に「あなたについていきます」って答えてて。
服従する快感が分からないわけじゃないから
その感覚も一理あるなとは思うんだけどね。
自分含め、現代の女性が調子に乗ってるような印象は少なからずあるし
かと言って男尊女卑に対する不満もあるし
何が正解なのかっていうのは結論が出せないけれど。

この映画の描写方法として面白いなと思ったのは
ヒトラーが自殺する前のシーンから始まって
映写機で姪の無邪気に笑う姿を見てるの。
その回想って形でその自殺に辿り着く時間の流れが埋められて
最後また映写機の前にいるヒトラーに繋がり
部屋を移して奥さんと死ぬんだ。

マリスの『エーゲ~過ぎ去りし風と共に~』の歌詞
「部屋に響く映写機の回る音
 古いフィルムの中だけで微笑ってる君…」とか
Gacktの『再会~story~』のPVの演出(エーゲの歌詞内容そのまま)とか
『Jesus』のPVの演出(銃口を自分に向けて躊躇いながらも自殺する)とか
思い浮かぶものが色々あるなあと。

映写機に関しては何もヒトラーに限定しなくても
普通の恋人同士で先に逝ってしまった相手を想って…って解釈でもいい気がするけど
ヒトラーの場合、その後すぐ自分も死ぬってことを踏まえると
やっぱりそれは大きな意味を成すのかなって。
だって死の間際に振り返っていることって
きっとその人生の中で1番愛しく大切な思い出ってことでしょ?
今居る周囲の人と語らうのではなく、思い出にふけっていた。
その設定でヒトラーとGacktを重ね合わせたら…。

『Jesus』は自殺する人の服がナチスの制服だもん、絶対リンクあるでしょ。
薄暗く狭い部屋に書類が散っている光景と言い
部下に裏切られて絶望していたヒトラーが最後まで留まった本拠地の再現に思える。

PV貼っておくので、Gacktの活動見てないミゼラーさんは是非再生してみて★





あと『再会』と言えば、この曲の歌入りが初めて披露された
MARSツアーのファイナル、横浜アリーナのアンコールの後に流れた映像
…だったと記憶してるんだけど(自信ない)
石で出来た壁に囲まれた細い道の迷路みたいなところをグネグネ進んで
曲の最後に上から見ると「Gackt」の文字になってる…ってのあったよね。
今DVD確認したらDVDは黒背景に白文字のエンドスクロールでスクリーン映ってない…
あたしその公演は中に入ってないからWOWOW放送で見たのかなぁ。

で、その演出に似ているのがユダヤ人迫害映画の中であったんだよ。
その石は虐殺されたユダヤ人たちのお墓なの。
だからGacktも弔いの意味を込めたものがそこにあったんだと思うのね。
それも大勢の。
そんなたくさんの犠牲の上で成り立っている自分って意味で
最後が「Gackt」の名になったんじゃないかと思うんだ。

『再会~story~』の歌詞を
その「犠牲」のことを歌ったものとして聴くととても切ない。