謙遜と傲慢不遜 | 出版プロデューサーですもの

出版プロデューサーですもの

本にかかわることを中心にコンテンツビジネス全般で活動中。
そんな私の日常を記録します。

気負いすぎ。


今の自分をひとことで表現するとこうなると思います。

冷たい雨と止まらない花粉症の症状も手伝って

かなりブルーです。


原稿が書けなすぎて、

そんな自分に喝をいれようと

名文を読んでみたのですが・・・

これがまた失敗でした。


ますます落ち込んでます。


まずセレクトを誤ったのです。


小林秀雄『無常といふ事』

谷崎潤一郎『陰影礼賛』


もちろん参考にしようなんざ思ってません。

でもあんまりな自分の停滞さ加減に気合を入れようと思っただけなんだけど

むしろ逆効果でした。


こういうのを読んじゃうと

わたしなんかが物を書くことを仕事にしてゴメンナサイという気分になる。

高校時代、美しい文章だなと思って読んでいたのと同じ気分では読めない。

どれだけこれらの文章がスゴイか

少しはわかるようになったことはちょっとは進歩なのかもしれないけど。


ああ、また愚痴を書いてしまいました。


そういえば塩野七生さんの『ルネッサンスとは何であったのか』のなかで

天才レオナルド・ダヴィンチについてのくだりにこんなことが書いてありました。


「謙虚は、創作者(クリエーター)にとって必要不可欠でしょうか」

「必要不可欠ですね。誰にも負けないという傲慢不遜も不可欠な要素ですが」

「謙虚と傲慢不遜では、矛盾するのではないですか」

「普通の人ならばハレーションを起こして、精神の不安定化になりやすい。しかし創作者は、このどちらか一方によるのではなく双方ともを駆使することで、作品を創りあげていくのです。レオナルドも、若いミケランジェロが敵愾心を燃やしたほどに傲慢不遜でしたよ」(第一部 P.134~135)


対話式で書かれた文章は、ヨーロッパの文化歴史を評するのにぴったりですが

採用の理由が「恥ずかしかったから」というかわいらしい理由でほほえましく思ってしまった。

塩野さんでもそういうふうに感じるんですね。


完全にハレーションを起こしているわたし。不安定甚だしいです。

天才じゃない場合はどうしらいいのでしょうか。

だれか助けて。