デヴィッド・ボウイ分析(94) 精神的変化と物理的移動 | デヴィッド・ボウイ(DAVID BOWIE)を100倍楽しむ方法

デヴィッド・ボウイ分析(94) 精神的変化と物理的移動

デヴィッド・ボウイ分析(94) 精神的変化と物理的移動
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DIAMOND DOGS発売の1974年春頃ボウイはニューヨークへ移住。アメリカを拠点にYOUNG AMERICANSをフィラデルフィアで制作、その後75年3月ロスアンゼルスへ引越しSTATION TO STATIONを制作。アルバムが発売される76年2月にはタイトルと同じようにベルリンへ移住。これらの移動は曲のタイトルや歌詞にも繁栄されていますがベルリン時代になると世界中を旅するボウイがハッキリ出てきます。

LOWのB面では1970年代当時、東西に分けられていたベルリン近辺での生活、HEROESのB面ではV-2 Schneider(ベルリン)を出発点に日本庭園の印象のMoss Garden、ベルリンに住むトルコ人を描いたNeukoln、アラブを旅するThe Secret Life Of Arabiaなど。1978年のワールドツアーのSTAGEを挟んでLODGERのA面でも旅は続き、ケニヤでの体験であるAfrican Night Flight、キプロス島が出てくるMove On、トルコ人を歌ったYassassin、ボウイが語るところのジャーマン・ニューウェイヴのRed Sail(ドイツ)を最後に旅は終わり、B面ではD.J.が登場し、HUNKY DORYのKooks以来の息子へ捧げた曲Boys Keep Swingingが登場したり初期に帰っていきます。(逆ハンキー・ドリー)

こうして見るとブライアン・イーノ三部作と便宜的に区切られることが多いですがHEROESのB面はLODGERのA面に、LODGERのB面はSCARY MONSTERSに、という具合に片足を次のアルバムに突っ込んだ状態で連なっているのが解ります。1970年代のボウイはDIAMOND DOGSまでが精神的変化、DAVID LIVEからLODGERまでは物理的移動という二つの異なる変化を一つのコンセプトで括っています。ボウイのワールド・ミュージックの取り組みはその後LET'S DANCE収録のRicochetやTONIGHT収録のTumble and Twirlくらいで本格的な進出は無かったですがTALKING HEADSやPETER GABRIELなどと共に比較的早い時期にワールド・ミュージックに取り組んでいたのは見逃せないですね。

ヒーローズ(紙ジャケット仕様)
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映像はこちらをどうぞ

David Bowie The Secret Life of Arabia


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