【昔から事故だらけの原発 1976年~の事故】
地域丸ごと消滅の予想も 原発標的のテロ


【ウィーン28日共同】国際原子力機関(IAEA)が原発の上空飛行禁止を事実上義務化するなど防護強化を進めようとしているのは、米中枢同時テロと同様のテロが原発に仕掛けられた場合、一地域が丸ごと消滅するほどの甚大な被害が出るとの専門家の予想があるためだ。


国際環境保護団体グリーンピースが11月に発表したリポートによると、ドイツの原発に燃料を満載したジャンボ機が突入、炉心部のある建物を直撃した場合、炉心溶融(メルトダウン)が起きる可能性は極めて高く、被害はチェルノブイリ原発事故を上回り「最悪の場合、欧州が消滅する可能性もある」としている。


IAEA内でも同時テロ級を想定して研究した結果、(1)ジャンボ機が炉心部に正確にぶつかる可能性はかなり低いが、否定できない(2)仮に衝突すれば、メルトダウンも含め、周辺地域に甚大な被害を及ぼす?との結論を得て、これまでの防護策の全面的な見直しに着手したという。


原子力工学の専門家によると、原発の設計は偶発的な航空機事故、それも最大で軍用機の衝突しか想定されていない。同時テロのように訓練されたテロリストが燃料を満載したジャンボ機で正確に突入してくれば「世界中で安全な原発など1つもない」(IAEA高官)という。

(共同通信 2001/11/29)