【昔から事故だらけの原発 1976年~の事故】

過疎地に原発…事故への備え!?
「集団被ばくを減らすため」 原子力委委員長代理

「(原発の)大事故時に、人口集団の放射線被ばく量を少なくするため」──国の原子力委員会が24日、都内で開いた原子力政策円卓会議で伊原義徳・委員長代理は、原発が過疎地に立地されている理由を聞かれ、こう説明した。原発反対グループの変化球質問に、「つい本音が出てしまった」との見方も。
会議は、高速増殖原型炉「もんじゅ」事故で高まった国民の不信感を払しょくするのが狙い。4月から開かれており、5回目のこの日は「原子力は安全か?安心か?」と題し、大学教授ら10人が意見を述べた。
そのひとり、福井県の「高速増殖炉など建設に反対す敦賀市民の会」の吉村清代表委員(71)が、原子炉立地審査指針の条件に「低人口地帯」とあるのを取り上げ、「安全なら東京につくっては」。
伊原さんはいったん「(低人口地帯は土地代が安いから」などと話したものの、吉村さんは収まらず、「人をくったような発言はやめていただきたい」と重ねて答えを求めた。
「(原発は)大きな事故を起こす可能性がゼロではない。その時に受ける人口集団の放射線量をできるだけ低くする。それが一番重要なことで、そのために過疎地に立地する」と伊原さん。東京につくらないのは「地盤が悪いからだ」と述べた。

(朝日新聞 1996/06/25)