【昔から事故だらけの原発 1976年~の事故】

核のゴミ 地下処分の研究本格化
深さ1000メートルに施設 腐食防止策など難題山積

原発などから出る高レベル放射性廃棄物を地下に埋める地層処分の研究が本格化してきた。海外からの返還が始まったが、2040年代には最終処分を始めるという国の計画は、「とても実現しそうにない」と言う専門家もいる。高速増殖原型炉「もんじゅ」の事故や再処理工場の設備縮小など、国の原子力政策の軸になる核燃料リサイクル計画の「輪」がほころぶ一方、「核のごみ」の後始末にも多くの難題が待ち構えている。
岐阜県の瑞浪市と土岐市にまたがる地区に、動力炉・核燃料開発事業団(動燃)が「超深地層研究所」を建設する。地下約1000メートルと、世界で最も深いところにある研究施設という。
地元との協定で、放射性物質を使わず、高レベル廃棄物を地下に埋めたときに、周りの岩盤や地下水などとどう影響し合うかなどを調べる。
高レベル廃棄物は原発の使用済み核燃料を再処理すると出る。放射能が弱まるまでに数万年かかる物質も含まれ、それを漏らさず、長期間管理する技術開発が目的だ。同じような施設を北海道幌延町に造る計画は地元の反対で行き詰まっており、動燃は「これで欧米の研究と肩を並べられる」と期待する。
だが、地下深くで放射能が漏れないようにする技術の開発は難しい
高レベル廃棄物をガラスと溶かして固めたガラス固化体にし、緩衝材(粘土)、オーバーパック(炭素鋼)などで覆う「多重バリアシステム」という処分方法が検討されている。
が、何万年もの間、緩衝材などが腐食や地下水の侵食に耐えられるか、よくわかっていない。
放射能がどう漏れ出すか、動燃がコンピューターでシミュレーションをしたら、「1000年後には腐食でオーバーパックに穴が開き、ガラス固化体が地下水と接触することがわかった。放射性物質が漏れだし、そのピークはセシウム135なら400年後、アメリシウム243では7万年後という。
これとは別に、オーバーパックなど金属の腐食の様子を古代の銅鐸(どうたく〕を使って調ベているが、せいぜい2000年ほどたった様子しかわからない。
また茨城県東海村に、地下深くの地下水の動きなどをシミュレーションできる試験施設を造ったが、「地層の複雑な変化をつかむには、おもちゃのような施設。いまの研究ペースでは、100年かかってもわからない」と専門家は指摘する。
科学技術庁や動燃では「超深地層研究所の地下の地質は花こう岩。性質の違うたい積岩の地質でも、同じような施設を造って試験をする」と話している。幌延町の地質はたい積岩だ。

(朝日新聞 1996/01/24)



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いまだに高レベル放射性廃棄物の埋立地は決まらない。

仮に、地下に埋めたとして、

国は、その高レベル放射性廃棄物を100年管理、

その後は放置しようとしている

http://blog.goo.ne.jp/jpnx02/e/4b88d9fc4ce00087ee8d659228b31f36