準備のための準備 | 板面舎[いたづらしゃ]のHandmade ski

板面舎[いたづらしゃ]のHandmade ski

ハンドメイドテレマークスキー工房、ワイオミングとコロラドの友人の工房で学んだノウハウを生かし木製芯材を使ったWoodenなテレマークスキーを作っています。注文主様と一緒に滑ってから作るのがオイラ流

先日のお話の続きです。

 まずプレスモールドの作り方を説明したわけですが、全く同じ形に切り出した板を貼り合わせる時にトップとテール側に長さ30センチくらいの板でトップの形状とテールの形状の板を切り出して全体の長さの板と交互に張り合わせ、前回説明したように下側の板を電動カンナできれいに揃えてから0.5ミリくらいの鉄板または厚めのトタンを貼ります。



板の張り合わせは長いボルト棒を使って締め上げます。実際にプレスするときは角材を上下に当ててこれも長いボルトでギッチリと締め上げると上手にプレスできます。本来はエアーコンプレッサーを間に入れて5~6トンくらいの圧力をかけるのですがそんな道具は銀行から資金を調達しないと手に入らない。ボルトで締め上げても相当の圧力がかかりますからエポキシの接着には問題ありません。



写真のようなプレスモールドを毎年一個づつ合計3つ作りました。170/180/190 のモールドで長さは其々±2センチくらいの調節はできます。

それから芯材の切り出しベッドですが、説明文だけでは理解しがたいと思い写真を添付しました。ご覧のように幅の広いレール状に作った真ん中に切り出す芯材(あらかじめ角材を集成して必要な幅の板を作ります)を寝かせて、トリーマーで切り出しますトップとテール方向に徐々に薄くなるようにサイドの立板をスキーのベンドのように切り出しておきます。これを左右全く同じに作るのが意外と大変でどちらかに高低差があると一枚の芯材の右左のサイド厚さが変わってしまいます。



このレールの上に移動可能な芯材の幅にあった穴の空いた板を乗せトリマーのガイドにします。これで削り出すのですが、これがスキーの柔らかさなどに最も影響を与えますので細心の注意が必要です。後日詳しく説明しますが、スキーの前後の中心(これをコードセンターCCといいます)CCのトップ側が15センチでテール側が20センチ合計35センチは平でその先からテーパーがかかります。そしてトップに対して45cm~55cmくらい徐々に薄くなり2ミリ厚になってから25cm~35cmの長さでトップ側が完成です、テール側もトップよりやく10センチほど短いですがほぼ同じ考えで切り出します。これは技術や体力・筋力で変わってきますので経験がものをいうところですね。初めて作るときはこの中間で作るとパウダー用の柔らかさよりちょっと硬めになります。

 トリマーの刃先・ビットですが、私は用途に応じて刃を取り替えるのが嫌でヤフオクにて安い中古のトリマーを3台揃えました



左から、滑走面のPtex切り出し用、真ん中が芯材切り出し用で一番右が完成したスキーのサイドウォールを台形に仕上げるためのビットです。

 さて次回はコードセンターとグラスファイバーのお話です。いつアップになるかわかりませんが週に一回以上はアップしたいと思っています。