活発な活動を続ける鹿児島・桜島。昨年は爆発的噴火(爆発)が過去最多の548回を記録し、今年はすでに220回を超えた。被害は北西の季節風の風下にあたる大隅半島の垂水市に集中する。連日のように「ドカ灰」が降り注ぎ、市街地は真っ白。特産のキヌサヤなど農作物に灰がこびりつくなど、深刻な影響が出始めている。【新開良一】

 「連日の灰できりがない」。桜島に近い海潟地区のキヌサヤ畑で、米田(めた)昭穂(てるほ)さん(82)がつぶやいた。かつては爆発の度、送風機で灰を吹き飛ばしたが、昨年からそれでは追いつかなくなった。米田さんは灰まみれのキヌサヤの根元を指さし「触ってごらん。これは土じゃないよ」。黒く変色した灰は一帯を覆い、厚さ5センチ以上はある。素手でつかむとザラザラした感触が残った。

 キヌサヤの実のさやが曲がったり、「焼け」と呼ばれる黒っぽい変色が起きる。傷物は「見向きもされない」ため、廃棄するしかないのが実情という。

 業者の買い取りも以前の半値近くまで下がった。「風評」も影響しているという。今季の出荷は5月ごろまでで、市は「このまま降灰が続くと、収穫量全体の半分を出荷できればいい方」と危機感を抱く。

 唯一の対策はハウス栽培への転換だ。市は農家へ奨励するが、国や県の補助要件が厳しいこともあり、進んでいない。

 米田さんも転換の予定はないという。「ハウスでも灰は積もる。除去作業はできないよ」とこぼす。高齢化が進む地区の農家ではハウスの維持は大きな負担でもある。

 深刻な降灰被害は、桜島南岳山頂火口が活発だった80年代以来。だが後継者不足や少子高齢化が進み、余計に被害は深刻のようだ。

 一方、市は昨年末、灰収集のためのゴミ袋「降灰袋」を10年ぶりに市内全戸に配布した。被害が深刻な海潟地区には2月にも各戸30枚ずつ追加。だが収集は月1回。それまで道路脇には、灰でいっぱいになった黄色い袋が山積みとなっている。道路清掃にも追われ、清掃車(ロードスイーパー)が連日出動、巻き上がる灰煙の中で作業を続ける。対岸の鹿児島市からも応援を受けた。桜島が平穏だった昨秋に比べると、出動回数は4倍近くにもなるという。

 海潟地区を視察した市議は「今、農道を走る車のほとんどは紅葉マークの軽トラ。降灰が続くと作ることをやめる人が出てくるのでは」。関係者は焦りを募らせている。【新開良一】

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 堺市出身の女流歌人、与謝野晶子(明治11年~昭和17年)が「源氏物語」を現代語訳した「新新訳源氏物語」の自筆原稿522枚が今月から、国文学研究資料館(東京都)のホームページで公開。大半が初公開で、一部の原稿が来月14日まで、堺市堺区の市立文化館で展示されている。

 インターネット上で公開がはじまった自筆原稿は同文化館が所蔵。インクが薄れるなど劣化がみられることから、同文化館が、日本文学の歴史資料のデータ化に取り組む国文学研究資料館に相談し、デジタル画像化と公開が実現した。

 「新新訳源氏物語」は、晶子が昭和8年から10年にわたって書き続けた。資料には、原稿に二重線をひいて削除したり、原稿用紙の余白に書き加えたりするなど推敲(すいこう)を重ねている様子が伺える。

 晶子の源氏物語現代語訳に詳しい、神野藤(かんのとう)昭夫・跡見学園女子大学教授(日本文学)は、今回公開される資料について「これほどの多くの未公開資料があったとは驚きだ。現代語訳というより、晶子自身が一語一語を推敲し、『晶子文学』となっていることを雄弁に物語っており、非常に貴重だ」と評価する。

 522枚のうち約480枚は初公開。多くの研究者が推敲過程を分析することで「晶子源氏」の研究が進むことが期待される。

 堺市立文化館では、新新訳源氏物語のなかの「桐壺の巻」と「花散里の巻」の実物資料、さらに、晶子が「源氏物語」を朗読した肉声を録音したレコードを展示している。

 文化館は月曜休館。問い合わせは同館((電)072・222・5533)。

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 鳩山由紀夫首相は25日午前、自殺で親を亡くした遺児5人と官邸で会い、「(自殺する前に)送っているメッセージを受け止められる仕組みをつくりたい。またメッセージを出さないで済む世の中にしないといけない。政府として正面から取りかかっていく」と述べた。

 5人は「生きたくても生きられない人のためによろしくお願いします」と訴えた。自殺対策に取り組むNPO法人代表の清水康之内閣府参与が同席した。

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