大阪府内の警備会社から計約3億8000万円を着服したなどとして、業務上横領罪などに問われ、大阪高裁で実刑判決(上告中)を受けた元暴力団組長(62)が、会社に「オーナー」であると認めるよう求めた訴訟の判決が19日、大阪地裁であった。西川知一郎裁判官は「実質的に会社を支配している」と判断し、元組長が全株式を所有するオーナーと認めた。高裁判決は「オーナーではない」と認定しており、刑事と民事で判断が分かれた。

 元組長は役員に登記されず、株主名簿にも記載されていなかった。民事訴訟で元組長側は「組長だったので名前を表に出せなかったが、資本金をすべて負担し、会社を実質的に支配してきた」と主張。会社側は「別の人が出資し、元組長は経営に関与していない」と反論していた。

 判決は「元組長は営業や人事にまで指示を出し、会社を支配して多額の金を得た」と述べ、元組長を「オーナー」と認定した。

 刑事事件では、元組長の弁護側が「元組長はオーナーで(会社も金の支払いを認めているので)、業務上横領罪は成立しない」と無罪主張していた。しかし、大阪高裁は昨年11月、「オーナーや実質的経営者と言えず、業務上横領罪は成立する」と指摘し、懲役5年とした1審・大阪地裁判決を支持し、弁護側控訴を棄却した。【日野行介】

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