鹿児島県阿久根市の竹原信一市長(51)が、懲戒免職処分とされた元係長(45)への未払い賃金などの支払いを命じた鹿児島地裁判決に従っていない問題で、地裁川内支部が市の預金口座がある金融機関に対し、差し押さえ手続きを始めたことが15日、分かった。市長側が執行停止を申し立てない限り、早ければ1週間後に執行。判決に従わず自治体の預金が差し押さえられるという前代未聞の事態になる。

 元係長は昨年7月に懲戒免職処分となり、同8月に処分取り消しを求めて提訴。地裁は同10月に処分の効力停止を決定したが、市長は元係長の就労を拒み、給料なども支払われなかった。

 元係長の弁護士らによると、3日の地裁判決には、判決が確定しなくても支払いを求められるよう「仮執行宣言」が付いており、竹原市長が判決に従わず、支払わないため、元係長は10日、地裁川内支部に差し押さえを申し立てていた。金融機関には15日、関係書類が届き、市の預金のうち、執行分の資金を凍結した。【村尾哲】

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