おしんこちゃんの学級日誌~聖山学園のある日 ドッジ編③ | 想像の箱庭‐SHU_ZENの書き溜め小説

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全部まとめてフィクション、同じ世界観のファンタジー小説です!
毎週、週末にドカン!と更新しています。

※だんだんとオグマの話がかけてきたけれど今回もおしんこちゃん
まだ最後まではかけていないのだ…ともかくどんな話だったっけ?前回はこちら!
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ともかく私とユータローくん(※鈴木の苗字が多い学校なので名前で呼び分けるルールらしい)2人が一気に内野から離脱して戦況ははやくも大ピンチ。


「ヤバいよ田中くん!私たちのチームの危機だ!内野で立ちながら眠ってる場合じゃないよ!
「 orrrrrr 」


……ひゅーん!
ひゅーんー!


「うわーん!寝言で唸りながらゾンビみたいなフラフラ感でボールを神回避してる場合じゃないよー!!
「……田中、お前、いつもながらすごいな。お前のその、そこまでして眠る根性」
「 grrrrrr 」
「鶴岡先生、感心してないで居眠り注意したらどうですか!?」
起きないし無理( ̄▽ ̄)
「この育児放棄が!」


爽やかな笑顔で担任は諦めの言葉を口にした。
……どうして諦めるんだそこで。


「zzzzz…」
「田中くん、ごめん!実は!」


カッ、と私は目を見開いた。
……初日より殆ど起きた試しのなかった彼を見て、兼ねてから計画していたある作戦だ。


私……あなたがそこまでして眠る理由を知っている!
なんだって!
「z…zz….zzzz」


先生が合いの手をいれてくれた。
……そう、暫く観察していてわかった彼の弱点は「周囲がひどく騒がしい」こと。
つまりノリの良い相手がいれば……


「田中くん!あなたは……実は冬眠中のヤマネなのよね!
人外!?
「z」
アンガールズ!?


……ほら、ノリの良い人たちが茶々を入れ始めた。


ヤマネが千年眠り続けた末に姿を変化させ人の社会に溶け込んだ姿、それがあなただという可能性!!そうよね!?そうだと言ってよプリチー族!
「こいつどう見てもブキミーだろ!?」


ついには植苗くんまでホットなツッコミを入れてくれる始末だ!
あたたかい!あたたかいよこのクラス!


「えっ、マジ、田中って妖怪!?」
「田中が眠いのは、妖怪のせいなのねそうなのね!?」


と、そこでムク、と田中くんが顔をあげた。
……やった!はじめて起きた!


「……おォ前らァ……




誰が、化けヤマネじゃああああああァァ!!



「橘が……田中を……起こした、だと!?」
「ざわざわ!」
「勇者現る!」
ガォォォォォォォ!!!!!
「なっ、なんだと!?田中にボールが強奪された……うぁああああああああああああ」
「衛生兵―!衛生兵―!」


……その直後、寝起きの悪い田中くんは怒りの余り、敵チームを一瞬で殲滅しました。
私たちの大勝利です。

ふふっ♪こんな愉快なクラスに、これから私は知恵と勇気と誇りを持って溶け込んで行こうと思いま……


「皆……今度から橘さんを狂戦士マスターって呼ぼうね」
「そうしようね」

「なんで女子連中から真顔で変な称号賜ってるの!!?」


褒められてるんだよね?そうだよね!?


「フッ、暴れたら、すっ…き……り……zZ」


そうだと言ってよ田中くん!!?



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※橘(おしんこちゃん)以外のキャラクターの大雑把な設定はこちら→聖山学園

さらに詳しく世界観を知りたい方は連載終了した××本編をチェックだ!

ちなみに連載一時停止中の「■日常系コマ割生活□」の目次はこちら
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