発狂 【起】 | 世界一周!World hoppin' blog

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ガールズバックパッカー・マナの、世界一周記録ブログ。


※本日の記事は、非常に重い(怖い)内容となっています。

心霊現象、その他科学では証明されないような事、人の心の闇の部分に嫌悪を抱く方は、

閲覧しないことをおススメします


なお、この出来事への解釈は、読者の方それぞれにお任せします。




<2月4日 サンフランシスコ村@ペルー>




シャーマンのセレモニーに参加すると、体内のあらゆる闇が浄化されるという。


それは精神面にも言えることだし、

アレルギーが治る等の、病状回復もあるらしい。




さてこのセレモニー。



ただシャーマンに会うだけではない。



“アヤワスカ”と呼ばれる儀式用の薬を飲むのだ。





↓↓以下、wiki引用↓↓----------------------------------------------------------------



※アヤワスカ・・・

南アメリカのアマゾン川流域に自生するつる植物バニステリオプシス・カーピ(以下カーピ)のこと。

または、カーピに、DMT を含む植物を加え、煮出して作られた向精神性の飲料。

服飲すると、嘔吐を伴う強力な幻覚作用をもたらす。

主にアマゾン西部の先住民族がシャーマニズムの儀式や民間療法、宗教儀式などに用いる。



※名称・・・

アヤワスカはペルー、ボリビアなどの先住民族の言語であるケチュア語で、

「魂のつる」、「死者のロープ」という意味をもつ。

「アヤ」は、魂、精霊、先祖、死者などを指し、「ワスカ」は、つる植物全般やロープを意味する。



※先住民による使用・・・

アマゾン川上流域でアヤワスカを使用する先住民族のシャーマンの能力は、

善良なことにも邪悪なことにも使われる。

アヤワスカの精霊から歌を授けられ、その歌を使いわけることにより、

アヤワスカ茶は病気を治す薬となったり、敵を攻撃する毒となったりする。

敵や呪術師による攻撃を受けたために病気にかかると信じられており、

治療師は息を吹きかけたり、口で吸い上げたりして病気を治す。

シャーマンが歌う歌や口笛は、病気の治療と呪いをかけることのいずれにも使われる。

シャーマンはアヤワスカを飲むことにより体内に粘液を生成し、

これを呪術的な攻撃からの防御や武器として使うと言われている。


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ひとつの小屋に集められた私達3人。


他には、欧米人と韓国人のカップルがいた。




暗い小屋の中には、10人分ほどのマットレスが敷かれてある。




私達3人は、シャーマンの目の前のマットレスを、それぞれ割り当てられた。



持ってくるように指示されていた、

枕、毛布、水、トイレットペーパーを、腰を下ろした横に並べる。




シャーマンの弟子だろうか・・・一人の男が、私達の目の前に置かれているバケツに、水を入れる。


一人にひとつのバケツ。


嘔吐用のバケツだ。




緊張が走る。





少しの明かりに照らし出され、うっすらと見えるシャーマン。


目の前には、たくさんの瓶やペットボトルが並べてある。

・・・あれが、アヤワスカだろうか・・・。





しばらく、何も起こらない時間が過ぎた。




その間に、自分のビジョンを、明確にする。


アヤワスカを飲む前に、見たいもののイメージトレーニングをしておけ、と言われたからだ。





集中する。








「生と死の意味を知りたい。」







自分の中の闇を見つめ直した時、浮かんだビジョンがこれだった。



昔から、この問題によくぶち当たってきたのだ。





死ぬってなんだ?

生きるってどういうことだ?


なぜ私は死にたかったのか?

なぜ私は死ねなかったのか?


なぜ友達は死んだんだ?

なぜ祖父は死んだんだ?



なのに、なんで私は、生きているんだ?



それって一体、どういうこと?








気が付けば、シャーマンが歌を歌っていた。



そして、まずは、リュータさんがアヤワスカを飲んだ。



次は、私の番だった。





シャーマンに手渡される、小さなコップ。



その中に、なみなみと、茶色く濁った液体が入っている。








“こわい”





正直に、そう思った。





これを飲んだら、私はどうなってしまうの?


これまで、どんなにたくさんのお酒を飲んでも、記憶が飛ぶということはなかった私。

“理性”というものが、いつでも先行してしまう私。

逆に言えば、そうすることで、ずっと自分を誤魔化し、守ってきた私。


そんな私が、このたった一杯の薬で、発狂してしまうなんて・・・


そんなことが、本当に起こり得るのだろうか?





それでも。




心の闇を取り去ってくれるというのなら・・・・






ごくごく、と、一気にその液体を飲み干した。




飲んだ瞬間に吐き気が込み上げてくるような、酷い味だった。




続いて、しぶけんもその液体を飲んだ。






シャーマンが、すべての明かりを消した。




一瞬にして、暗闇に包まれる。



聞こえてくるのは、風や動物の音と、シャーマンの歌だけ。








・・・・・・・。









・・・30分経っても、3人に異変はなかった。





しかし、ここから事態は急転する。







「・・・・げぇぇぇぇぇえええええ!!!!!」



この世のものとは思えない声で、欧米人の男が盛大に嘔吐を始めた。




驚いていたのも束の間。



自分の視界に、異変が生じ始める。







緑色の発光体が、空を飛んでいた。



そして次第に、白と黒の幾何学模様が、目の前でぐるぐると回転し始める。




「ついに来たか。」




しかし、理性はしっかりある。


私はまだ、気が狂ってはいない。







そう、思っていた。



私はまだ、全然大丈夫だ、と。











しかし、ふと、気が付いた。







私が・・・・・私の口が・・・・・私の知らない歌を歌っている!!!








驚いた。

何が起こっているんだ。

理性は、意識は、こんなにもはっきりしているのに!



なんだ、その歌は、何を歌っているんだ!






「うああああああああああ!!!!!」




次の瞬間には、私は蹲り、泣き叫んでいた。



なんだ、なぜ泣いているんだ、私は!?




涙が止まらない。

声が、絶叫が、止まらない!




理性や意識は、もはや、第三者だった。



はるか上の方から、自分の体が蹲って、頭を抱えながら泣き叫んでいるのを、


ぼうっと、眺めていた。





「うあああ!うああああああああああ!!!!」


泣き叫び続ける。



目の前には、幾何学模様や緑色の閃光が、眩しいくらいに鮮明に見えている。




暗闇の中、シャーマンが私の前に来たようだった。


彼は私の頭を抱え、歌い、お香の匂いのする息を、私の頭に吹きかけた。





私は泣き止んだ。

なぜか心が落ち着いたのだ。



しかし・・・



反射的にバケツを抱え込む。




「うげええぇぇえ・・・!」



急激な吐き気だった。


しかし、何も出ない。

ただ、自分の声とは思えないような嗚咽を繰り返しているだけだ。

腹の底から搾り出しているような音。



同じようなタイミングで、左隣にいたリュータさんが、盛大に嘔吐した。


右隣にいるしぶけんは、まだ沈黙したままだ。





私は、蹲って頭を抱えたままの状態で、また訳の分からない歌を歌っていた。


なんて気味の悪い歌なんだ。




目からは、私の意思とは関係なく、ぼろぼろと涙が溢れ続けている。




一体、どうなっているんだ?


私はこのあと、どうなるんだ?




まだしっかりとある意識は、完全に恐怖に支配されていた。








突然、しぶけんが起き上がり、盛大に嘔吐をする。



その直後から彼は、大きな声で何かを喋り続けた。







・・・みんな、狂っているのか。



どうなっているんだ、この状況は!?





私はまた泣き叫んだ。


もう訳が分からず泣いた。





しぶけんが心配してくれたのか、背中をさすってくれた。




私は、とにかく自分が恐くて、

訳がわからなくて、

その手に必死にすがりついた。




助けて

助けて

恐い

痛い

しんどい

苦しい

助けて




私はしぶけんの膝に頭を預け、泣きながら歌を歌っていた。





そして、ふと、理性が完全に戻ったような気がした。






・・・・・。






ほっとした。


良かった。


涙も止まった。


戻って、これたんだ。


完全に発狂しなくて済んだんだ。






ああ、良かった。












そう思って、少しだけ顔を上げた。










・・・・・。











目の前の光景に、息を飲んだ。










暗闇しか広がっていないはずの、そこに、






たくさんの、白い人間たちが立っていた。










みんな、私の顔を見下ろしている。











その中には、よく見知った顔も何人かいた。




小学生の頃住んでいたマンションから飛び降り自殺をした人

高校生の頃に死んでしまったおじいちゃん

私の店で飲んだ後に轢き逃げされた、馴染みのお客さん

3年前に自殺した幼馴染




みんな、私の周りで死んでいった人たちだった。






ああ、ああ、神様。 と思った。







「生と死の意味を知りたいだって?


よくそんなことを、生きている人間が口にしたもんだ。」



遠くの方で眺めていた理性の私に、そっと耳打ちされた気がした。








私は、


形振り構わず、声にならない声を上げた。






絶叫が、小屋の中に響く――









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