その後空母になったからなぁ | moveのブログ

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水母艦として生まれて、その後空母になったからなぁ。いつもドックにいてあまり会った事がないんだ」
「そうですか」
 残念そうにうつむく二人に、長門は続ける。
「ただあの子はすごく真面目だったわよ。陸奥みたいに真面目だけどどこか抜けてるっていうんじゃなくて、しっかり者だった。外見はモデルのようなスラッとした長身に、スタイル抜群の少女だったわね」
 私には負けるけどというセリフを二人は無視する。
「あとメガネを付けてたわね。何て言うのかしら、学園もので言う委員長キャラだったわね」
 この時代にそんな物があるかッ! と二人は心の中でツッコミを入れる。ただ、祥鳳という艦魂は大体想像できた。
「それより???」
 瑞鶴は横にいる親友の姿をじっと見詰める。
「な、何?」
 突如見詰められ、大和は少し恥ずかしそうに顔を逸らす。すると、
「大和。全然旗艦らしくなってないよね」
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 予想外の言葉に、大和の心は見事言葉という名の槍に貫かれた。
「あらあら、まぁまぁ。瑞鶴。それは言っちゃダメ。この子も気にしてるんだから」
 長門が苦笑いしながらフォローに入る。だが、大和はそんな長門に笑みを浮かべる。
「そ、そんな事ないですよぉ」
「なんか笑顔が崩れかけてる」
 大和は一度大きくため息を吐き、顔を伏せて悲しそうに言う。
「わかってますよ、そんな事。旗艦なんてまだ私には早いのに、新鋭艦だからって勝手になっちゃったんですもの。私はもっと色々知ってからなりたかったのに。それでもなっちゃったんなら一生懸命やろうって努力してるのに。右も左もわからない。がんばってもいつもから周り。だから、全然旗艦ぽくなんないんだもん」
 大和の弱気な言葉に、瑞鶴は気まずそうに視線を逸らして黙ってしまう。
 部屋の中には気まずい雰囲気が流れる。
「大和ぉ。そんなに努力しなくてもいいんだよぉ」
 長門が屈託のない笑顔で言う。大和はそっと顔を上げると、不安げな瞳で長門を見詰める。
「私も最初はそうだったんだもの」
「長門さんも?」
 大和は驚く。
 長門なら何でもその場のノリで乗り切ってしまうように思ってたのに。長門も普通の艦魂だという事実に大和は少し安堵する。
「そう。毎日努力して、がんばって、一生懸命にやったわ」
 長門は遠い昔のように思い出す。
「でもね、ある日ふと、旗艦になる為のすごい事思いついたんだよ」
「そ、それは一体!?」
 答えを待つ大和を見詰め、長門は真剣に???
「開き直りよッ!」
「「はぁッ!?」」
 長門の自信満々な答えに、二人(特に大和)が呆れる。
「だーかーらー。もう真剣にやるなんてバカな事考えないで、その場の流れに身を任すのよぉ」
 満面の笑顔で高らかに言う長門の前で、がくーっと大和は崩れた。
 これが、長年大日本帝国海軍連合艦隊旗艦を務めていた艦魂だと思うと、真剣にやってた自分がバカに思えてきた。
(あ、これが長門さんの言う開き直り?)
「あ、陸奥との約束の時間だ。ごめーん。私帰るねぇ」
 一人の少女を変な方向にひとつ成長させて、日本海軍艦魂一のん気な女は帰って行った。
 残された二人は互いに見合い、苦笑いし合った。
「長門さんらしいと言えば、長門さんらしいね」
「うん???だけど、私ね」
「うん?」
「旗艦、テキトーにやっちゃおうかな?」
「金剛さんに殺されるわよ?」
「あの人は、苦手」
「得意な人なんてそういないわよ」
「長門さんなら???」
「あの人なら何でもありだよね」
 大和と瑞鶴はそう言って小さく微笑むと、部屋を出て行った。 

 一方、翔輝は霧島と一緒に甲板にいた。
 蒼い空と蒼い海がどこまでも続く景色を見詰める翔輝と霧島は、どちら