この日のもう一つの目的地はこちら。横浜税関の建物です。
緑のイスラム風ドームがついた塔は、横浜三塔の1つで、クィーンの塔として
親しまれています。ちなみに三塔の中で一番高いのだそうです。
※横浜三塔 キング:神奈川県庁、ジャック:横浜市開港記念会館
元をたどると、安政6(1859)年、神奈川運上所として開所したもので、
明治6年に、今の県庁舎の位置に、R.P.プリジェンス氏(米)の設計で
初代庁舎が建てられ、明治18年に、ギリシャ様式の2代目庁舎へ移転。
ですが、その2代目は関東大震災で倒壊。
昭和9年に、大蔵省営繕管財局工務部の設計で、3代目の現庁舎が
建てられ、平成15年に、全面改装したそうです。
この写真には写っていませんが、この裏側は、外壁の補修工事中で
足場がかかっていました。
歴史的建造物ではあるものの、現役の税関として、今も使われていて、
見学できるのは、資料館の部分。
大蔵省の人たちは何の建物を参考にデザインされたのか・・・
ちょっと珍しい柱頭飾りになってました。
終戦直後、GHQによる接収時に資料が処分されたおいう噂も残ってるとか。
建物内には、この税関の歴史や、麻薬サンプルや、どういう場所に隠されて
密輸されていたか、ブランドものの模造品など、素人目には、全然、
見分けがつかない品々が展示されていました。
(写真を撮れたのですが、あまり熱心に撮るのも怪しいので止めました・(笑))
こちらは、明治中期に「象の鼻地区」の一角に建てられた税関倉庫の
屋根についていた「棟飾り」だったもので、平成20年、象の鼻地区を
整備した際、地中から見つかったものだそうです。
真ん中の柄は、パルメット文様で、建築当時の流行が取り入れられて
いるのだとか。
こちらは、現在の建物のココ↓についています。
昭和9年建造当時から現存している「軒飾り」で、平成13年の改修時に
取り外されたものだそうです。
こちらの真ん中の柄も、パルメット文様。
先ほどの最初のものよりも、より複雑なデザインになっていますが、
表面は左官職人の金鏝によって粗目に仕上げられていて、経年に
よる風合いの変化を狙った手法で作られているそうです。
ちなみに、現在の軒飾りは、特殊珪藻土を使い、オリジナルに近い
風合いを出しているんだとか。
こちらは、上の写真の先端についている「カップ型装飾」。
昭和9年当時のもので現存する2つの内の1つだそうです。
塔屋には、ブロンズ製のカップ型装飾が4隅に8個ついている
そうで、当初は照明として活用されていたと推察されるものの、
光源が電気なのかガスなのか、資料が残っていないのだそうです。
続きます。