先日、上野の国立科学博物館のディスカバリートーク 日本館建物ガイドに
参加してきました。あのSLと大きなクジラの模型が置かれている、
子どもたちが目をキラキラさせて入って行く博物館です。
実際、私も子どもを連れて、何度か来たことがありますが、私のイメージは
恐竜や自然科学の博物館だったんです。
でも、今回のツアーに参加してみて、こちらの科学博物館は、研究員さん達が、
科学全般について研究している機関で、博物館はその研究の成果を公開してる
場所という位置づけなのだと知りました~。
こちらの建物は、1930年に建てられたもの。
元々、湯島聖堂の中にあった博物館が起源だそうなのですが、関東大震災で
その当時の建物と資料を焼失してしまったのだそうです。
その後、ネオ・ルネサンス様式で、文部省大臣官房建築課によって、
建てられた、鉄筋コンクリートの建物だそうです。
2008年に、重要文化財に指定され、H19年に当時の姿になるべく近づけることと、
耐震性を考えた改修が行われて今に至っています。
建物は完全なシンメトリー。上から見ると、飛行機の形になってるんだそうです。
表面にわざと傷をつけたスクラッチタイル張りの建物。このスクラッチタイルは、
昭和ヒトケタ代の建物で大流行したそうで、今、街中にある、スクラッチタイルの
建物は、ほとんど、昭和ヒトケタ台に建てられたと思って間違いないそうです。
みかげ石とスクラッチタイルで、3層(3階)構造になっていますが、これが
西洋建築の伝統的手法なんだとか。
これまで、上野の美術館や博物館の建物ツアーに参加してきた中で、
初めて聞く、研究者の専門的な解説に、すっかり魅了されておりました。
西洋の建物は、オーダーで建物を建てる時の基準がそれぞれ決まっているとか。
好まれた主なオーダーは、5つあるそうですが、今回説明して頂いたのは、
更にその中でも主な3つ。
見分け方は、柱の上の飾りを見るそうです。
ちょっと写真では見づらいかもしれませんが、シンプルなお皿のようなものが
のっているのは、ドリス式。
そして、2階は、草の葉(アカンサス)が載っているので、コリント式。
科博にはありませんが、もう1つは、柱の上にグルグル渦巻きが乗ってるのが
イオニア式という風に見分けるんだそうです~。 φ(.. )
もちろん、おおもとのギリシャなどにある建物は、これらのどれか1つの
オーダーを基準に建てられてる訳ですが、西洋風の建物では、
この科博のように、違うオーダーが階毎に使い分けられてることも多いそうです。
1階の入り口です。
開館当時は、ここが出入り口だったそうですが、今は地下1階が
出入り口に変っています。
その内側の扉。
デザインの雰囲気がガラリと違うのも面白いです。
ここを入ると・・・
1階から3階まで吹き抜けのドームがあります。
飛行機でいうと、コックピットがある辺りになります。
ただ・・・こうして入ってみないと、一番上の写真で見る通り、丸いドームが
ある建物だなんて分からないんですよね~。
そして、展示物を見に来た人も、こういう凝ったデザインの建物だったと
ほとんど気付かないまま、帰路につかれてしまう。(私もその一人でしたが)
研究者の方には、歯がゆくて仕方ないのだそうです。 (;^_^A スミマセン・・・
数日、科博のご紹介が続きます。。。