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Coromandel, North Island

coromandel

Cacedral Cave, Coromandel, North Island

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朝日に向かって祈る人


             Gandis, India

毎週のように週末は私の実家に子供たちを連れて遊びに行きます。私の父は庭仕事が大好きで、いつも庭でせっせこ草花の手入れをしたり、自分で育てた果物や野菜を収穫したりしています。息子は、虫や草花が大好きで、暗くなるまでいつもじーじと一緒に庭で過ごします。

ある日のこと、大人がつかう大きなスコップで庭の隅っこを必死に掘っている息子をみかけました。2時間、3時間とたっても、作業は続いています。夕方になり、そろそろ家に入りなさい、というと、自分が隠れるほど深く掘った穴にシートをかぶせています。じーじ、ばーば、遊びに来ていた親戚たちが、『あれまあ!ずいぶん大きな穴ほったねぇ!これでなにするの?』 ときくと、息子は満足げに答えるのでした。『これ、じーじの落とし穴!』 何時間もかけて掘った穴が、大好きなじーじの落とし穴だったとは、誰も予想できませんでした・・・。

ちゃんと事前に知らせてはくれたものの、忘れてほんとに落ちたらたまらんと、大きな穴にせっせこ土を戻すじーじでした。

外では大笑いしていたみんなも、部屋に入ると、じーじの落とし穴とは傑作だけど、こんなに優しいじーじの落とし穴をこんな時間をかけて作るなんて、この悪ガキ!とその日もみんなに叱られたのでした。

今日は日曜日。雨の降る寒い日曜日でしたが、子供と一緒にでかけ、すっかり濡れて冷えてしまったので、近所の温泉に行きました。

ジェットバスで体の疲れをとろう!とブクブクしていると、隣にやってきた人がしきりにお湯の匂いをかいで言いました。『うーん、今日のお湯は薬の匂いがする!昨日はしなかったのに!』と。そして私にすごい勢いで話しかけてきたのでした。圧倒されながらも話をしていると、いきなり、バシャン!と私の顔にお湯が・・・。一瞬目を開けられなくなり、ムカ~ッ!『おいっ!こら~っ!』と怒鳴ると、2発目が・・・。

すると、『え~っ?!え~っ?!し、信じられないー!!』 と、さっきのお姉さまが目を丸めて叫んでいるではありませんか。私は、んっ?んっ?何が???と思っていると、『す、す、、すごいね・・・。男の子ってこうゆうことするんだ・・・お母さんに向かって・・・・。』 と。『男の子ってこんななの?これって普通??顔見るからに元気そうだもんね・・・。』とお姉さんは目を丸くしたままフォローとも何ともつかないことを口走っていました。『このくらいは朝飯前ですよ・・・。毎日朝から晩までこんな感じです・・・。』というと、『私より若いのになんかカンロクあるもんね・・・。』 と。

私にとっては何でもないことが、ほかの人から見ると信じられないようなことなんだ・・・と驚いた夜でした。

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夕暮れ時は、沈む太陽とあちこちに灯る火の光で水や空気全てが淡く色付く。

  

                Gandis, India

Char のファンです。70年代に日本に新しいロックの風を吹き込んだギタリスト。セブンスのコードをたくさん使っています。歌もうたうしピアノも弾きます。年を重ねますますかっこよいです。

私が学生のころは、自分のバンドでChar のコピーやったりしてました。

ピンポーン!インターフォンが鳴った。日曜の朝8時、一体誰が来たのか?と思い、はーい、と返事をする。

『ぼくちゃんいる?』 玄関を細く開けてみると、50歳位の見知らぬおじさんが立っていた。

『はぃ???』 と寝ぼけ眼で返事をすると、寝ていたはずの息子が飛んできた。

『おっ!今日はおじさんかっこいい服着てるね!』 なんだかやけに親しげ・・・。

『今日、公園にカブトムシ捕りに行く約束したんです。』 とそのおじさん。

それを聞きつけたおっとが今度は玄関へ。

『カブトムシならぼくが一緒に捕りに連れて行くからだいじょぶです、すみません。』

そしておじさんは、帰っていった。ちょっと申し訳ない気もしたが、さすがに見知らぬ人に預けることは出来ない。

『知らない人と遊ぶお約束はしないこと。知らない人にうちを教えないこと。』 を、よ~く言い聞かせ、再び布団をかぶるのでした・・・。