親愛なるウォルター・ベッカーへ | WONDERFUL ROCK

親愛なるウォルター・ベッカーへ

text by Kaorak

このところ、相棒kazgaddが「スティーリー・ダンづいて」いるけれど、以前からひとつ気に入らないことがある :-(

それは、彼がウォルター・ベッカーに「冷たい」ことだ :-)

スティーリー・ダンのファンの中にもそういう人は多いようで、先日もこんなブログを見つけて、ちょっと(というか、かなり)ショックを受けた。

"Dear Walter Becker: Please Don't Play a Guitar Solo"

書いたのはニューヨーク州シェラキース在住のDavid Chu氏。ご本人もさすがに言いすぎたと思ったのか、すでに記事は削除されているが、ざっと以下のような内容だった。いや、ヤラセじゃありませんよ。少し脚色してますけど :-)


親愛なるウォルター・ベッカーへ。

私は、Steely Danが再びツアーに出ているのを知っています。
Steely Danは、ずっと私のフェイバリット・グループでした。卓抜したソングライティング、歌と演奏に魅せらていたのです。

私の思い違いでなければ〈ブラック・フライデー〉や〈バッド・スニーカー〉で聴ける素晴らしいギター・ソロは、貴方が弾いていたはずです。そして、貴方は他にもたくさん、印象的で創作のきらめきにあふれたソロを聴かせてくれました。

しかし、近年(訳注 : 記事は2009年4月3日付)何かがうまくいっていないように思えます。貴方は成功してリッチになったとき、モチベーションが抜け落ちてしまったのではないでしょうか。貴方がどこかの浜辺でのんびりしているとき、どうして練習に時間を費やす気になるでしょう。

ボスである貴方には、誰も何も言えないのかもしれません。バンドのメンバーやスタッフにしたって、高給で注目を浴びる仕事を失いたくはないでしょうから。

しかし、私は言っておこうと思います。貴方は「裸の王様」だと。かつての輝きと確信に満ちたソロはどこかへ消え失せ、形式的で不器用なソロがそれに取って代わりました。

あなたは山小屋にでも籠もって、ギターの練習をするべきです。もはやハングリーでないとしても、そのように振る舞うことはできるでしょう。

高価な機材は、それだけでは何も生み出しません。何かを生み出す力は貴方の中にあるのです。かつて貴方は、それを見せてくれたじゃありませんか。

あるいは、最高のミュージシャンを雇い、彼らを栄光へ導くという手もあるでしょう。それでも、まだ貴方はリズムを刻むこともできるし、大好きな辛口の洒落を表現することもできる。そうすれば、耳の肥えたファンだって、もういちどギター・ソロを楽しめるようになるはずです。


そこまで言うか!?(笑)

この記事、本文の辛口ぶりもさることながら、読者のコメントがまたキツい。「よくぞ言ってくれた」みたいな意見が、ずらりと並んでて :-)

再結成後のスティーリー・ダンの魅力はウォルター・ベッカーのギターがたっぷり聴けることだ、と思っている僕のようなファンはどうやら少数派らしい。

いや、ここで怯んではいかん! というわけで、次回から、当ブログは「ウォルター・ベッカー強化月間」に突入することにした。短期集中連載で、ベッカー氏のギター・ソロに焦点を当てようという企画。さて、どうなりますことやら :-)

本日は予告編として、David Chu氏の辛口記事でも酷評されているこの曲を聞いていただこうと思う。うーん、確かにこれは、かなり微妙ではあるナ(笑)

Snowbound / Donald Fagen

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