追い詰められたネズミは、猫が来る前に朝6時に起きて掃除する…。
10時にはすることがなくなって、幸せに昼寝してみたりする。
そして午後1時のピンポン。
この前、家の中のインターフォンの受話器がはずれていて
私の歌声がマンションの廊下に鳴り響いていたらしいけど。
「いらっしゃいませ~。」
「……暑い。」
そう、この前からうちは、2つの部屋の照明の紐が切れて
1つは電気付きっぱなし、
1つは電気消えっぱなしになっていて、
その問題を解決するために Johnnie さん が遥か遠く横浜から
尋ねて来てくれる日なのだ。(2013年6月9日の出来事です。)
Johnnie さんのために、私は今年初めてエアコンを ON にしておいた。
「エアコン付けておいたんだよ。 涼しいでショ? 涼しいでショ?」
「……なんですか、このろうそく……。」
「魔女の館へようこそ~。」
「……墨で天井が汚れますよ。」
「だって ブレーカー落としてる んだもん。明かりがないのヨ。」
「……あれはなんですか。水が動いてる……怖い。」
「怖い? あれは空気清浄器ですのよ。」
「……喉が渇きました。」
「あ、水、飲む?」
「飲む。」
「おお、ジャスミンティーがあるよ。それにする?」
「それにする。」
「はい、どうぞ。」
「……。」
「冷たいのが良かったらオレンジジュースもあるけどね。」
「冷たいのください。
はっきり言ってこのくそ暑いなか歩いてきたのに
常温のお茶が出されるとは思いませんでした。」
「そうなの!? だって Johnnie さんいっつも冷たいのはイヤイヤって言うじゃない!」
「外は一体何度だと思ってるんですか?」
「だからエアコンつけてるじゃない!」
「……。」
「あれ、機嫌悪くなったの? 今日だけは機嫌悪くならないでヨ。」
「……ちょっと休憩します……。」
休憩、それは甘く果てしない誘惑。
「ダメダメ!さっさとやってよう。それでお寿司食べに行こう!」
「……お寿司?」
「そう!」
「じゃあ1時間休んで1時間で仕上げて、3時に行きましょう。
ほんとはすでに腹、減ってるけど。」
そして下世話な雑談とか、副都心線が延びた話をした。
「……じゃあやりますか。」
「お願いします……!」
まずは、消えた状態で紐が切れた部屋から、ってことで、照明をはずすけれども、
全ては簡単にはずれない。
「それはそうよ。そこまでならあたしだって自分でできる。
そのあとが出来ないからこうして Johnnie さんに来てもらってるんだから。」
憎まれ口だろうがなんだろうがたたきまくってその後私は
Johnnie さんがやっていたことをじっと見ていたけれど
やっぱり自分では絶対できなかったであろうと心から思いました。
Johnnie さんはドライバー持参で来てくれたので、あちこちあちこちくるくる回して
いたけれど
それだけでははずれず
あっちをカチッ、こっちをカチッ、スライドさせたり、パカッとさせたり
そりゃあ複雑で
やっと本体をはずせたときには拍手喝采で(私がネ。)
用意しておいた照明の紐は太すぎて使えないとわかったときは大きく落胆し(二人とも)
「何でちゃんと用意しておけないんですか。」と Johnnie さん怒るし
「だって はずしてみないと サイズはわからなかったじゃない。」と私は言い訳するし
「近くの電気屋さんに買いに行きましょう!」と Johnnie さんが言うので
近くの電気屋さん検索しようと思ったらネットが何故か不調になるし
二人ともイライライライラして
そして……そして寿司を食べに行くことになりました。
結局、腹が減ったまま何かをやっても、うまいくことなんて絶対にナイのです。
つづく…。