東京電力は10日、東日本大震災で被災した福島第二原発(福島県楢葉町、富岡町)の事故直後の対応状況を発表した。福島第一原発のような炉心溶融や爆発は避けられたものの、冷却装置が津波で損傷し、水温が100度以下で安定する冷温停止になるまで最も遅かった4号機で4日近くかかった。同社のウェブサイトで事実関係を時系列でまとめた資料や当時の記録、データ類を公開した。

 第二原発は全4基が運転中だった。津波による故障で3号機以外は海水ポンプを使った冷却ができなくなり、地震や津波で外部電源や非常用ディーゼル発電機も一部失われた。一時は格納容器からの排気(ベント)も検討されたが、注水や部品交換によるポンプ復旧で冷温停止に持ち込み、回避できた。

 福島第一原発のような事態を防げたことについて東電は、電源が確保できていたうえ、海水ポンプが建物内にあったために津波の影響が小さく、早く復旧できたことなどを挙げている。

 福島第二原発の1、2、4号機は経済産業省原子力安全・保安院が3月、国際原子力事象評価尺度(INES)のレベル3(重大な異常事象)と評価、福島第一原発のレベル7、JCO臨界事故(1999年)のレベル4に次ぎ、国内の原子力事故で過去3番目に深刻と位置づけている。 朝日新聞 http://www.asahi.com/special/10005/TKY201108100522.html