京都大霊長類研究所の服部裕子研究員らのグループが、チンパンジーは人間の視線の対象を気にしないのに、仲間の視線の先は凝視する特性を見つけ、英王立協会誌「バイオロジー・レターズ」(電子版)に発表した。研究グループは「同種の視線に敏感な方が餌や敵を見つけやすく、生存競争に勝つことができるからでは」と推測している。

 同研究所はモニター画面を見る視線の動きを赤外線で計測するシステムを開発し、比較研究。チンパンジーと人間が手前の湯飲み茶わんを見つめている2枚の写真をそれぞれに見せたところ、チンパンジーは仲間の写真では湯飲みを凝視し、人間の写真では目や手を見る傾向が表れた。

 一方、人間はチンパンジーの写真には満遍なく視線を送り、人間の写真だと目と湯飲みに集まる傾向があった。チンパンジー8匹と人間8人について実験し、いずれも同様の結果を得たという。【広瀬登】

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