見てきました~
短めの上映時間のなかに無駄なセリフもシーンもなく、
無条件で楽しめました。
最初はレストランで客が料理に赤をというのにそれはやめて白に、と厨房から出てきたジャッキー。
それでも赤を!という客にじゃあべつの皿をお出ししますという強引なコックはもちろんクビ。同棲中の彼女は臨月で半年は自分の腕で養わないといけないし、
というわけで(なぜか)ペンキ塗りのアルバイトについたジャッキー。
仕事はある老人ホームの窓枠のペンキ塗りから。
ところが生来の料理好きなので、ペンキを塗りながらも厨房の連中の仕事が気になって仕方が無い。
そのタラは煮るんじゃない、さっと湯がいて、とか窓の外で水中マスク(ペンキ塗りだから)をしたままで首をつっこみ、
とうとう中に入って指図し、料理をしてしまう。厨房の三人組はどうせここの老人たちは料理に興味なんてないから無駄だよ、
とあきらめ顔だったし、実際、いつも通りの料理を出せ、と激しいブーイングを浴びる。
一方その頃三ツ星レストラン(しかも15年連続)のシェフは二代目にあからさまな嫌がらせを受け、どうも辞めさせたがっている空気を感じていた。
二代目は流行のチャラチャラしたレストランにして、シェフもこの際流行りの洒落た料理を出すシェフに変えたいのだ。
嫌がらせでシェフの下の腕利きのふたりを転勤で海外支店店長に。
さあ困った。
じつはシェフの腕を誰よりも買っていた先代は例の老人ホームに入っていて、
訪問にきたシェフにこの料理をたべてみろ、と、ジャッキーの作ったスープを出す。
栗カボチャと姫しめじのポタージュスープはシェフがかつて出したレシピと寸分たがわぬ配合と味だった。
ジャッキーはシェフに採用され、
と、ほんとうにテンポ良く進んで行くんだが、
ジャッキーがシェフの料理を例えるのに、
ミケランジェロのダビデ像だ、
と言ったり。
物語の山場では二代目の嫌がらせで頼りにしていたマルコからの仕入れができず、
絶対絶命であきらめようとしていたジャッキーに
老人ホームの厨房の三人組、じつは前職がタイル職人とメーキャップとトラック運転手だったのだが、
そのタイル職人だった男が
「お前は料理の喜びを忘れたのか。おれは自分の貼ったタイルの上を歩く人の喜びを感じながら仕事をしていたぞ」
(だいたいこんな感じです。女優じゃないからセリフを一度で覚えられない)
というところとか、
フランス映画だなーと。
仕事より愛が優先、
正義を通す、
美味しいものに目がない。
偏見?
シェフがあしたはミシュランの覆面調査がくるという前夜、娘の明日発表する論文を持って寝室に向かい、
翌朝娘のために昔そうしていたように、
ブリオッシュやクグロフなどの甘いパンや焼き菓子をテーブルに盛り上げ、
いましも焼きあがった菓子をオーブンから取り出し、
娘のためにきょうは論文発表を聞きに行くと言うところなんて、
愛がすべてに優先するだった。しかしフランス人って朝からこってり甘いものでOKなんだなあ。
私は料理やお菓子がすきなので、映画でやるなら作っているところや(シェフ!ではジャン・レノが卵やバターたっぷりの生地をこねていて、たまらなかった)素材や厨房をたっぷりみせてほしいのだ。
その点でもこの映画は最高だった。
元メーキャップ師の仕事でゲイシャとお侍に変装したシェフとジャッキーが憎むべき2代目のほかの店に乗り込む場面も傑作。
なんとマネの例の赤い着物に扇子の絵のパロディのポーズをとるのよ。
ではカフェでこのブログを書いたところで、
「遺体」
にいってまいります。
映画ってイイね!
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