ベルンハルト・シュリンクのベストセラー『朗読者』をケイト・ウィンスレット主演で映画化した『愛を読むひと 』。
私は、原作を読まずに観たのですが、映画の内容上、そのほうがよかったと思います。
映画の前半では、ケイト・ウィンスレット演じるハンナと21歳も歳の離れたマイケル(なんと当時15歳)の恋と呼ぶには少々生々しいシーンが続きます。
でもそれが、中盤の法廷での再会シーン、そして後半の更なる二人の関係へと密接につながっていくわけです。
ハンナが持つハンディキャップは、私たち日本人にはあまり馴染みのないものであり、正直いって頭の中での理解にとどまるに過ぎません。
ですからハンナのそれを隠そうとする切ないまでのプライドや彼女のプライドを曲げることのできないマイケルの気持ちにも今ひとつ踏み込めない…
でも、ハンナがマイケルの人生を大きく変えてしまったことは事実であるし、その逆もまた…。
言葉の問題を描き、またホロコーストの裁判がキーになるにもかかわらず、全編英語というのは少し気になるところですが、ケイト・ウィンスレットのまさに体をはった演技には感心させられます。
もしかすると、何の前提知識もなしにまっさらの状態で観たほうが、心にすとんと入ってくる映画なのかもしれません。
イメージソングの平井堅「Heart Of Mine」がとてもよくて、『Ken's BarⅡ』が欲しくなりました。
【愛を読むひと(The Reader)】
2008年/米・独/124分・PG-12
監督:スティーブン・ダルドリー
原作:ベルンハルト・シュリンク
脚本:デビッド・ヘア
出演:ケイト・ウィンスレット、レイフ・ファインズ、ブルーノ・ガンツ
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