【お薦めシングルレビュー 15】 我がクラスメートの5回忌は感謝を込めてしんみりと・・・ | 歌謡曲(J-POP)のススメ

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音楽といっても数々あれど、歌謡曲ほど誰もが楽しめるジャンルは恐らく他にありません。このブログでは主に、歌謡曲最盛期と言われる70~80年代の作品紹介を通じて、その楽しさ・素晴らしさを少しでも伝えられればと思っています。リアルタイムで知らない若い世代の方もぜひ!

 今日8月4日は、’90年代の中頃にフジテレビで放映された情報番組「ワーズワースの冒険」の主題歌「シャ・リオン」を歌った歌手Erie(河井英里)の5回忌に当たります。彼女は実は私の中学時代のクラスメート・・・そんなわけで、今回ご紹介する作品は当然これということになります。

「シャ・リオン」(Erie)
作詞:-、作曲:大島ミチル、編曲:大島ミチル

[1993.6.18発売; オリコン最高位-位; 売り上げ枚数-万枚]
[歌手メジャー度★★; 作品メジャー度★★★★; オススメ度★★★★]

シャリオン

河井英里2 河井英里3


 この「シャ・リオン」は、地上のどこにも存在しない架空の国の民族音楽をイメージして作られた作品です。題名を聴いてもいまひとつピンと来ない方も、YouTubeを聴けば「あぁ、なるほどこの曲かぁ!」と膝をポンと打って戴けるのではないでしょうか。イントロから独特な雰囲気がじわじわと接近してきて、ふと気がつくと帰り道のない不可思議な世界にすっかり引き込まれてしまう・・・そんな感じの曲です。ちなみに歌詞は、ワーズワースのある詩を逆から読んだもの(造語)で、特別に隠された意味のようなものはないとのこと


 彼女、この曲では意識的に「無表情」な歌い方をしているのですが、実際にはもっと優しいイメージのヴォーカルの持ち主だったりします
。もっとも、ライブでは小柄な身体に似合わぬ堂々たる歌いっぷりを披露するなど、いろいろと新しい表情を見せてくれる・・・そんなところもまた彼女の魅力の一つだったと思いますね(すっかり遠い目)。


 彼女のアルバムといえば、
アニメソングヒーリング音楽の方が入手しやすいのですが、もし彼女の音楽に興味あるという方は、まず1997年に発売された『青に捧げる』というオリジナルミニアルバム(2002年に復刻)を聴いてみて下さい。彼女の透き通るような「癒し」の歌声に思わず聞き惚れてしまうこと請け合いですし、アルバムとしてもコンセプトが統一されていて出色の出来映えに仕上がっています。さすが「
東京芸大作曲科」出身のアーティストだけのことあって、彼女の身体の内側から表現したいモノが迸(ほとばし)るように感じられる作品と言えます。ちなみに、芸大出身だからといって「何だか小難しい音楽なんじゃないの?」という心配はまったく不要。誰が聴いてもすんなり心に沁みてくるタイプの音楽ですよ


 ここまでで、「うーん、『シャ・リオン』もアニメソングも聴いたことないなぁ・・・」って方います? それじゃこれなんかどうでしょう。彼女は
大量のCMソングを歌っていて、その中でたぶん世間の認知度が一番高いのは、♪ ココロも満タンにコスモ石油 ですね。その他では、「ムーニーマン」、「ソフトインワン」、「爽健美茶」、「花キューピッド」などなど・・・きりないのでこの辺でやめときますケド


 ・・・さて、彼女の仕事に関する話はここまででおしまい。この後は、中学時代の想い出を少々綴ってみたいと思います。


 彼女(本名:河井英理)とは中学1~2年の時に同じクラスで、中1の時には一緒にクラス委員もやりました。彼女はクラス団結のためにオリジナル曲を作ってくるなど、中1にしてすでに「作曲の才能の片鱗」を見せてましたね。彼女は音楽の才能だけじゃなく、当時から性格も良くって頑張り屋で誰からも頼られ好かれていた存在でねぇ・・・実を言うと、私が中学時代の3年間ずっと”片想い
”していた特別な人でもありました。彼女はあの頃からすでにピアノの演奏が抜群に上手かったのですが、終業式なんかで全校で校歌を歌うときに、なんと私が指揮棒を振って彼女がピアノ伴奏をするなんていう、いまにして思えば「罰当たり」的(?)な出来事もありましたっけ・・・


 中2のときには、彼女が親友の女の子と一緒に企画した男女2×2のクリスマスパーティに誘われたことも。女性陣が腕を振るったと思しきご馳走とケーキ
ショートケーキを囲んで、プレゼント交換プレゼントとか楽しいおしゃべりとか・・・中学生のグループ交際(?)としてはマジメでかわいいものでしたね。その後ふとしたきっかけで、彼女がパーティに誘ったもう一人の男の子のことが好きだったことが判明して、「ガーンとなるわけですが(爆)


 ま、私にとっては、思い出すとちょっと胸の奥が痛くなる、ほろ苦くもこの上なく楽しい想い出なのです


 それにしても、43歳の生涯というのはいくら何でも短すぎますね。訃報を耳にした私は、もう居ても立ってもいられずに告別式に駆け込んだけど、涙を流すほかにすることなかったものなぁ・・・


 河井さん、沢山の素晴らしい作品と想い出を本当にどうもありがとう。心から感謝しています。そして、どうぞ安らかに・・・
クローバー