2nd Story|VOL.17 ワタシとアナタが歩み出す日【最終回】 | wish横浜 Marriage Story

2nd Story|VOL.17 ワタシとアナタが歩み出す日【最終回】

「それじゃ、さようなら。」


そう一言、いうのが精一杯で彼の顔を見つめた。


(笑わなくちゃ。)


そして、力を振り絞って笑顔をつくる。



車を出ようとしたその時、彼が腕をつかんだ。


「ちょっとまって。」


その瞬間、彼の腕の中に抱き寄せられる。


「待たせて・・・ごめん。」


「結婚しよう。」



一瞬、何を言ったのか分からなくて聞き返す。



「・・え?」


「結婚しよう。」


その言葉を確認した途端、涙があふれて止まらなくなった。

そして、肩におでこをつけたまま


「はい。」

と、返事をした。



それから一ヶ月がたった。


結婚を決めたことで、彼の心に大胆さが生まれたのか、ほぼ毎日連絡を取り、二日に一回は会うようになった。


それなのに、まだ肝心の指輪をもらってない!


この人、ホントにドンくさい。
イライラして、それも結局私から切り出した。


女からは絶対に言わないと決めていたのに。


「私、婚約指輪が欲しいんだけど・・・。」


切り出すのもひと苦労だ。


「あ、そっか! それは買うから大丈夫。」
(何が大丈夫よ! もう、ホントにおバカさんで、あきれる。)


これからも、ずっとこんなことが続くのだろう。


でも、私はそんな彼に振り回されて、そしてヤキモキしながら幸せを感じ続けるのだろう、と確信をしている。




Fin…