民泊が新たな起爆剤になって、奈良県にもっとお金が落ちる様になる・・
少なくとも二年前まではそう考えていました。
実際に東大寺周辺を歩いてみても、ちょっと手直しすれば情緒ある宿泊施設になる建物が多いのです。
奈良は空襲されずにそのまま残ったので、古い木造建築が街中にも点在していて、これが良い味を出しています。
京町家よろしく、奈良の木造建築も外国人観光客には魅力あるステイ先になるよねと、普通ならそう思うでしょう。
ところが現実はそうでは無かった。
関西ならではの特殊事情とネットコミュニケーションのおかげで、奈良には思ったほどのお金が落ちてないのです。
関西ならではの特殊事情、それは鉄道の発達で一時間もあれば関西の中心地にどこにいても戻って来られるアクセスの良さですね。
アクセスが良い為にステイ向きの場所に簡単に移動出来てしまう。
そこへ持って来て、奈良の関係者がネットで宣伝するより早く、しかも量的に膨大に質の良い情報が旅行者の間で共有される。
外国人旅行者の気質と大阪の気質が合うのか、言葉が通じなくても楽しく、身振り手振りでコミュニケーションする人が多く、それがまた受けてしまうんですね。
結果的に奈良にステイするよりも大阪に戻ってしまうんだそうです。
これは神戸にも言えていて、観光客としてホテルステイのパックで来るならともかく、フリーで情報頼りにやってくる人はこれも大阪へ戻ってしまう。
食事とホテルは全部大阪で、インバウンドの恩恵は京都はともかく、大阪が全部持って行っちゃうんです。
新今宮駅が西成のど真ん中にあるが為、釜ヶ崎の暴動のメッカも今やバックパッカーの目的地になってる訳です。
奈良からたかが三十分で大阪に戻れるなら、高い不味い品数が無い食事よりも安くて美味しい大阪の食事を選びますわね・・
この状況はなかなか打開出来そうもありません・・・