東京都では、1981年以前に建てられた旧耐震基準のマンションを対象に建て替え時の容積率を緩和するようです。容積率(延床面積/土地面積×100)が増えれば、建て替え後に元々の所有者分の床以外に新たに販売する床を増やせるので、建て替え事業者のビジネスになりやすくなります。事業者は民間企業なので、ボランティアで建て替えはしません。建て替え事業者がもうかるスキームにしないと、いくら耐震性に不安があっても老朽マンションの建て替えは進まないのです。

 

1960~70年代のマンションは、時代の先端をいく高級住宅として建てられたものも多い。高級住宅の場合、現在なら新築を建てられる土地がもうないような一等地に建っていたりします。当時は郊外ではマンションが少なかったので、必然的に容積率緩和の対象となるのは、都心部の好立地物件の割合が高いはず。そうしたマンションが建て替えられると、その土地に新たに新築の売り物件が誕生するわけで、すんごい億ションが登場するかもしれません。

 

決して自分が買えるわけじゃありませんが、住宅関連の仕事をする者として話題性のある住宅が出てくるのは楽しみです。

http://www.nikkei.com/article/DGXLZO15753750W7A420C1MM8000/