国税庁質疑応答事例66 組織再編成⑦ 株式移転における特定役員引継ぎ要件の判定 | 税理士こーちゃん・たかちゃん・だんちゃんと男女7人の○○な話

税理士こーちゃん・たかちゃん・だんちゃんと男女7人の○○な話

大阪府寝屋川市の税理士法人長瀬会計事務所のスタッフブログ。楽しくやってまーす!
税務、会計だけでなく助成金申請や事業再生支援など会社経営のサポートに力を入れてます。
インボイス登録事務所 T7120005020272

株式移転における特定役員引継ぎ要件の判定



{照会要旨}


支配関係のない法人間で行われる株式移転については、法人税法第2条第12号の17ハに規定する共同で事業を営むための株式移転の要件を満たすときは、適格株式移転に該当するとされています

この共同で事業を営むための株式移転の要件(以下「共同事業要件」といいます。)の1つとして、次のいずれかを満たすことが必要となります(法令4の3⑳二)。


1 株式移転完全子法人の子法人事業と他の株式移転完全子法人の他の子法人事業のそれぞれの売上金額、従業者の数若しくはこれらに準ずるものの規模の割合が、おおむね5倍を超えないこと(事業規模要件)。


2 株式移転完全子法人の特定役員のいずれかが当該株式移転に伴って退任(当該株式移転に係る株式移転完全親法人の役員への就任に伴う退任等を除きます。)するものでないこと特定役員引継ぎ要件)。


当社(A社)がB社との間において検討している株式移転においてはA社の特定役員はいずれも退任しませんが、B社の特定役員(5人)のうち1人が当該株式移転に伴って退任(当該株式移転に係る株式移転完全親法人の役員への就任に伴う退任も見込まれません。)する見込みです。

 このような場合には、特定役員引継ぎ要件を満たさないこととなりますか




{回答要旨}


特定役員のうち1人でも当該株式移転に伴って退任する場合には、特定役員引継ぎ要件を満たしません。


(理由)

株式移転に係る株式移転完全子法人と他の株式移転完全子法人との間に支配関係がない場合に共同事業要件を満たせば、適格株式移転に該当することとなりますが、この共同事業要件の1つとして、事業規模要件又は特定役員引継ぎ要件のいずれかを満たすものであることが規定されています


このうち特定役員引継ぎ要件とは、

当該株式移転前の当該株式移転完全子法人若しくは他の株式移転完全子法人の特定役員のいずれかが当該株式移転に伴って退任(当該株式移転に係る株式移転完全親法人の役員への就任に伴う退任等を除きます。)をするものでないことと規定されています(法令4の3⑳二)。


この要件については、それぞれの株式移転完全子法人の特定役員のいずれかが当該株式移転に伴って退任することでないことをその要件としていますので、特定役員のうち1人でも株式移転に伴って退任するような場合には要件を満たさないこととなります。

なお、株式移転に伴う退任であっても、その後、当該株式移転に係る株式移転完全親法人の役員への就任に伴う退任の場合には、特定役員引継ぎ要件を満たします。


ご照会の場合には、特定役員の中に当該株式移転に伴って退任する者がおり、その後、株式移転完全親法人の特定役員に就任するものでもないことからすれば、他の特定役員が退任しない(留任する)場合であっても、特定役員引継ぎ要件を満たさないことになります





税理士ゆーちゃん より

最後まで読んで頂き、有難うございます
人気ブログランキングに参加しています

クリックお願いします。 ↓

         人気ブログランキングへ

税理士ゆーちゃんの記事一覧

税理士ゆーちゃんの記事一覧NO2

税理士ゆーちゃんの記事一覧NO3

税理士ゆーちゃんの記事一覧NO4