5 資産の貸付の税率に関する経過措置②
(貸付期間中の解約条項がある場合)
問38 当社が貸し付けているテナントビルに係る賃貸借契約においては、貸付期間及び貸付期間中の賃貸料が定められており、かつ、賃貸料の変更はできないこととなっていますが、やむを得ない事情が生じた場合には、いつでも解約することができる旨の特約が付されています。
このような解約条項がある賃貸借契約でも、改正法附則第5条第4項《資産の貸付けに関する税率等の経過措置》に規定する経過措置が適用されますか。
【答】
平成8年10月1日から指定日の前日(平成25年9月30日)までの間に締結した資産の貸付けに係る契約に基づき、施行日前から引き続き当該契約に係る資産の貸付けを行っている場合において、当該契約の内容が次の「①及び②」又は「①及び③」に掲げる要件に該当するときは、施行日以後に行う当該資産の貸付けについては、旧税率が適用されます(改正法附則5④、改正令附則4⑥)。
① 当該契約に係る資産の貸付期間及びその期間中の対価の額が定められていること。
② 事業者が事情の変更その他の理由により当該対価の額の変更を求めることができる旨の定めがないこと。
③ 契約期間中に当事者の一方又は双方がいつでも解約の申入れをすることができる旨の定めがないこと並びに当該貸付けに係る資産の取得に要した費用の額及び付随費用の額(利子又は保険料の額を含む。)の合計額のうちに当該契約期間中に支払われる当該資産の貸付けの対価の額の合計額の占める割合が100分の90以上であるように当該契約において定められていること。
照会の場合には、解約の申入れをすることができる旨が定められていますから、③の要件を満たしていませんが、①及び②の要件を満たしていますので、この経過措置が適用されます。
(「対価の額が定められている」の意義)
問39 改正法附則第5条第4項第1号に規定する「対価の額が定められている」とは、どのような場合をいうのですか。
【答】
改正法附則第5条第4項第1号に規定する「対価の額が定められている」とは、契約において、当該契約期間中の対価の総額が具体的な金額により定められている場合又は総額が計算できる具体的な方法が定められている場合をいいます。
したがって、次のようなものがこれに該当します。
① 契約期間中の賃貸料の総額を定めているもの
② 賃貸料の年額、月額等を、例えば、「年(月)額○○円」と定めており、これに契約期間の年数、月数等を乗じることにより、契約期間中の賃貸料の総額を計算できるもの
③ 貸付けに係る資産の数量及び賃貸料の月額単価を、例えば、「○台貸付け、1台当たり月額○○円とする。」と定めており、これに資産の数量及び契約期間の月数を乗じることにより、契約期間中の賃貸料の総額を計算できるもの
なお、次のようなものは「対価の額が定められている」ものには該当しません。
① 建物の賃貸料を、例えば、「定額料金○○円に売上金額の○%相当額を加算した額とする。」と定めているもの
② 建物の賃貸料を、例えば「その年の固定資産税の○倍とする。」と定めているもの
(賃貸料の変更があらかじめ決まっている場合)
問40 当社が貸し付けているテナントビルに係る賃貸借契約は、指定日の前日(平成25年9月30日)までに締結しており、その契約内容は、貸付期間を2年間とし、その期間中の賃貸料につき最初の1年間は月20万円、残りの1年間は月15万円としています。
この賃貸借契約について、改正法附則第5条第4項《資産の貸付けに関する税率等の経過措置》に規定する経過措置が適用されますか。
【答】
改正法附則第5条第4項《資産の貸付けに関する税率等の経過措置》に規定する経過措置の適用要件の1つとして、同項第1号において「対価の額が定められていること」が掲げられています。
照会の場合には、貸付期間中に賃料が変動しますが、貸付期間及びその期間中の対価の額があらかじめ定められていることから、「対価の額が定められていること」に該当します。
したがって、照会の場合、他の適用要件を満たしている場合には、この経過措置が適用されます。
税理士ゆーちゃん より
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