贈与税の配偶者控除の適用上の注意点
イ 重複適用の排除
贈与税の配偶者控除は、配偶者から贈与を受けた前年以前のいずれかの年分において当該配偶者から取得した財産に係る贈与税について、贈与税の配偶者控除の適用を受けている者については、その適用を受けることができません。
ロ 相続税の3年以内の贈与加算との関係
相続又は遺贈により財産を取得した者が、その相続開始前3年以内に、その相続に係る被相続人から贈与により財産を取得している場合には、その贈与により取得した財産の価額は、その贈与を受けた相続人又は受贈者の相続税の課税価格に加算されます.。
したがって、居住用不動産又は居住用不動産を取得するための金銭の贈与を受け、贈与税の配偶者控除の適用を受けた者が、贈与を受けた日から3年以内にその贈与をした配偶者が死亡したことにより相続財産を取得した場合には、その受贈財産の受贈時の価額が相続税の課税価格に加算されますが、贈与税の配偶者控除の適用を受けた受贈財産については、贈与税の配偶者控除額を控除したところで加算することになります。
また、居住用不動産の贈与を受けた年に贈与者が死亡した場合で、その配偶者が被相続人からの贈与について贈与税の配偶者控除の適用を受けたことがない者である場合において、相続開始の年に贈与により取得した財産のうち、その財産について贈与税の配偶者控除の適用があるものとした場合にその控除額として控除されることとなる金額に相当する部分は、加算されません。
(注)上記は、相続税の期限内申告書又は期限後申告書に贈与を受けた居住用不動産又は金銭の価額を贈与税の課税価格に参入する旨、これらの財産のうち贈与税の課税価格に算入する部分の価額等を記載し、一定の書類を添付して、これを提出した場合に適用があります。
したがって、上記の財産は相続税法第21条の2第4項の規定の適用を受けないこととなりますので、贈与税が課税されることになり、贈与税の申告を要することになります。この場合、贈与税の配偶者控除の適用要件を満たしていれば、この適用が受けられます(適用要件を満たしていないときは贈与税が課税されます)。
参考
相続税法19条(相続開始前3年以内の贈与があった場合の相続税額)
相続又は遺贈により財産を取得した者が当該相続の開始前3年以内に当該相続に係る被相続人から贈与により財産を取得したことがある場合においては、その者については、当該贈与により取得した財産(第21条の2 第1項から第3項まで、第21条の3 及び第21条の4 の規定により当該取得の日の属する年分の贈与税の課税価格計算の基礎に算入されるもの(特定贈与財産を除く。)に限る。以下この条及び第51条 第2項において同じ。)の価額を相続税の課税価格に加算した価額を相続税の課税価格とみなし、第15条 から前条 までの規定を適用して算出した金額(当該贈与により取得した財産の取得につき課せられた贈与税があるときは、当該金額から当該財産に係る贈与税の税額(第21条の8 の規定による控除前の税額とし、延滞税、利子税、過少申告加算税、無申告加算税及び重加算税に相当する税額を除く。)として政令の定めるところにより計算した金額を控除した金額)をもつて、その納付すべき相続税額とする。
税理士ゆーちゃん より
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