太陽光バブルの恐れ 再生エネ 海外勢続々
日本経済新聞 掲載
国内の再生可能エネルギー発電に海外勢が相次いで参入する。
オーストラリアや米中の企業・銀行が各地に太陽光発電所を建設して電力を供給する。総投資額は今後5年間で計7千億円規模となり国内の太陽光発電向けの1割弱を占める見通しだ。
海外の潤沢な資金が入ることで再生エネの普及に弾みが付く一方、急速な拡大で電力コストも膨らみそうだ。
中略
日本の再生エネ買取り制度は太陽光発電(産業用)を20年間固定価格で買い取る。
2013年度で1キロワット時あたり税込み37.8円。前年度より1割下げたが依然、世界最高水準だ。
発電事業者には「安定的な投資対象」(中国の太陽光発電会社)となる。
ただ買い取り価格の原資は一般家庭などが毎月の電気代に上乗せして支払っている負担金だ。
日本がモデルとしたドイツでは制度導入で国内マネーも流入し太陽光発電ブームが起きた。
しかし買い取り量に歯止めを設けなかったため青天井で費用負担が増え、企業や家庭の電気料金は上昇。
政府が買い取り価格を引き下げたため今度は需要が減速し、太陽光発電設備メーカーの法的整理が相次ぐ結果となった。
日本も以前のドイツのような「太陽光バブル」の様相になっているとの指摘もある。
再生エネ発電の増加で生じる送電網の容量不足も今後のコスト増加の要因となる。
再生エネ事業者の利益が増えるほど国民負担が増す構図をどのように解消していくかが課題となる。
以上