安部政権の成長戦略 個別政策に数値目標
日本経済新聞 掲載 きょうのことば
日本経済を成長させるための政策で、規制緩和や税制改正、予算の重点配分などを組み合わせて日本経済の将来像を打ち出す。
第2次安部内閣では成長戦略を、大胆な金融政策と機動的な財政政策に続く3本目の矢と位置づけ、民間投資の喚起を主眼に置く。
新しい市場をつくる「戦略市場創造」、企業の再生を図る「産業最興」、海外進出を促す「国際展開」の3分野で構成し、個別の政策に数値目標を盛り込む。
竹中平蔵慶大教授や三木谷浩史楽天会長兼社長ら民間議員が参加する産業競争力会議で具体策を議論。安部晋三首相は会議で出された意見を踏まえ、全閣僚で構成する日本経済再生本部で関係閣僚に検討を指示している。
戦略には、政府の規制改革会議やIT総合戦略本部などがつくる提言内容も反映させる。
首相は4月19日に女性・若者・医療などをテーマにした第1弾を発表。今月17日の第2弾(企業や農業の競争力強化など)6月上旬の第3弾(特区、民間資金の活用策など)を経て同中旬に最終決定する。
経済再生に向けた3本の矢
①金融政策
※政府・日銀が2%の物価目標を明記した共同文書
※日銀総裁に金融緩和に積極的な黒田東彦氏を起用
②財政政策
※2012年度補正予算(2月成立)と13年度予算(5月成立)を合わせた規模は100兆円超。13年度予算には約5兆2000億円の公共事業費を計上
③成長戦略
※安部首相が3月に環太平洋経済連携協定(TPP)交渉参加を表明
※規制改革や特区制度新設などの具体策を提示
第3の矢に注文
日本経済新聞 掲載 大機小機
昨年末以降、世の中が動き出した。
まずは、前政権からの贈り物である。インパクトのある経済政策を一向に打ち出さなっかた前政権からのリバウンド効果である。
長年にわたるユニオン(組合)による経済支配を打破し、「人気の最大の功労者はユニオンのリーダー」などと言われたサッチャー首相が登場した直後の英国に似ている。実際、政権交代後わずか半年で円高修正が進み、株価上昇に弾みがついた。
2つめは「外からの矢」である。米国の本格的景気回復への期待がダウ平均株価を押し上げ、日本の株価にも好影響を与えている。
3つめは、新政権が強く求めた異次元の金融緩和策のアナウンスメント効果である。インフレ期待が円相場や株価を、ごく短時間に動かした。米国の対日戦略だった円高誘導が、対中戦略重視への軸足変更により円安容認へと変わったこともある。米国の金融緩和策に匹敵する大胆な緩和は、経済規模が3分の1の日本の為替相場に強い引き下げ圧力を与え続けるだろう。
安部晋三政権の経済政策「アベノミクス」の第2の矢である財政出動のほうは選挙対策であり、経済政策としての効果は疑わしい。やはり第3の矢の全容が気になる。
だが政策群が差し出す方向性はなかなか見えてこない。経済界に対する賃上げ要請や大学生採用時期の誘導は、政府による自由経済への関与を肯定する介入であり、まっとうではない。自立が旨のはずの経済界もしっかりしてほしい。
経済の未来は的確に予測できないのだから、政府が成長分野を決めるのは無理だ。新製品は、既存の業界の真ん中から離れたところから出てくるのが常である。政府がなすべきはインフラ、教育、基礎技術、そして日銀に求めたと同じ異次元の政策の提示である。
民間のイノベーションがダイナミックに躍動できるよう、中高年や女性の雇用機会の拡大を含め、皆が何事にも挑戦できる寛容な精神の社会を取り戻す大胆な規制改革こそ、第3の矢の根本に据えるべきだ。
根っこからの自由主義経済論者で官僚嫌いだった第2代経団連会長の石坂泰三も「官僚は余計な仕事を増やし、お節介ばかりして、民間企業の自由な創造力をこわしている」と言っていた。
以上
税理士ゆーちゃん より
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