棚卸資産たる土地の譲渡担保に提供した場合の取扱い
{照会要旨}
A社は、土地分譲業者ですが、不況で土地が売れず、その造成費5億円の支払ができなくなったので、その造成に係る未払金を借入金に振り替え、その債務弁済の担保として造成地の一部を次の条件の下で相手方に譲渡しました。
このような場合にも、その譲渡はなかったものとして取り扱ってよろしいでしょうか。
①借入金について返済期限を定め、分割返済する。履行不能の場合には担保物を引き渡すが、その時の価額で清算を行う。
②借入金について通常の利子を支払う。
③担保物に係る固定資産税等の管理費用は、A社の負担とする。
④A社は担保物についても販売行為を行い、売れた都度、その部分について契約を解除して登記名義を取り戻した上で顧客に引き渡す。
{回答要旨}
譲渡担保として認められ、その担保として提供した時点では譲渡がなかったものとして経理しているときは、その処理が認められます。
(理由)
法人税基本通達2-1-18((固定資産を譲渡担保に供した場合))は、「固定資産」を譲渡担保に供した場合の取扱いを定めたものですが、、棚卸資産を譲渡担保に供した場合であっても、照会事例のような①から④までの条件が付されているものについては、明らかに借入れのための担保の提供と認められますから、これに準じて取り扱われることとなります
参考
(法人税基本通達2-1-18)
法人が債務の弁済の担保としてその有する固定資産を譲渡した場合において、その契約書に次の全ての事項を明らかにし、自己の固定資産として経理しているときは、その譲渡はなかったものとして取り扱う。この場合において、その後その要件のいずれかを欠くに至ったとき又は債務不履行のためその弁済に充てられたときは、これらの事実の生じたときにおいて譲渡があったものとして取り扱う。
(1) 当該担保に係る固定資産を当該法人が従来どおり使用収益すること。
(2) 通常支払うと認められる当該債務に係る利子又はこれに相当する使用料の支払に関する定めがあること。
(注) 形式上買戻条件付譲渡又は再売買の予約とされているものであっても、上記のような条件を具備しているものは、譲渡担保に該当する。
税理士ゆーちゃん より
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