税金豆知識相続税38 控除できる債務、控除できない債務 | 税理士こーちゃん・たかちゃん・だんちゃんと男女7人の○○な話

税理士こーちゃん・たかちゃん・だんちゃんと男女7人の○○な話

大阪府寝屋川市の税理士法人長瀬会計事務所のスタッフブログ。楽しくやってまーす!
税務、会計だけでなく助成金申請や事業再生支援など会社経営のサポートに力を入れてます。
インボイス登録事務所 T7120005020272

控除できる債務


(1)未払医療費

被相続人の死亡後に支払った医療費

 相続税の申告→債務控除することができます。

 所得税の申告→被相続人の準確定申告において医療費控除することはできません。実際に支払った生計一親族の医療費控除とすることができます。


(2)公租公課

①被相続人の死亡の時に納税義務が確定しているもの

②被相続人の準確定申告に係る所得税・消費税(限定承認により土地等を相続した場合には、被相続人が時価によりその土地等を譲渡したとみなされて所得税が課されます)

③被相続人が相続若しくは遺贈により取得した財産に対する相続税又は贈与税

④付加期日の定めのある地方税(固定資産税は1月1日、自動車税は4月1日)で、相続開始時に付加期日が到来しているもの

⑤相続開始前の事実に基づき被相続人に課せられるべき地方税(被相続人が取得した不動産に対する不動産取得税、被相続人が行っていた事業に対する事業税等)


(3) 保証債務については

控除しないこと。ただし、主たる債務者が弁済不能の状態にあるため、保証債務者がその債務を履行しなければならない場合で、かつ、主たる債務者に求償して返還を受ける見込みがない場合には、主たる債務者が弁済不能の部分の金額は、当該保証債務者の債務として控除することができます。


(4) 連帯債務については

連帯債務者のうちで債務控除を受けようとする者の負担すべき金額が明らかとなっている場合には、当該負担金額を控除し、連帯債務者のうちに弁済不能の状態にある者があり、かつ、求償して弁済を受ける見込みがなく、当該弁済不能者の負担部分をも負担しなければならないと認められる場合には、その負担しなければならないと認められる部分の金額も当該債務控除を受けようとする者の負担部分として控除することすることができます。


控除できない債務


イ、非課税財産となる墓所、霊びょう等及び公益事業用財産の取得、維持管理のために生じたものは、債務として控除できません。


ロ、相続財産に関する費用(相続財産が確定的に相続人などにより現実に承継支配されるまでの管理費用、遺言執行費用、相続税に関する紛争について要した弁護士費用等)も債務として控除できません。


、消滅時効の完成した債務は控除できません


(参考) 時効期間

債権の時効期間は10年間である(167条 1項)。

債権以外の財産権の時効期間は20年間である(167条 2項)。



※権利関係の早期安定が必要とされる場合には法令で時効期間が短縮される場合(短期消滅時効)がある。

民法や商法 には、権利関係を迅速に確定するために、より短い期間で時効が成立する場合がある。これを総称して短期消滅時効というが、以下のような例がある。

5年
追認 できる時からの取消権(126条
年金・恩給・扶助料・地代・利息・賃借料(169条
財産管理に関する親子間の債権(832条
商事債権(商法第522条
相続回復請求権 相続 権を侵害された事実を知ったときから(884条
金銭の給付を目的とする普通地方公共団体 の権利(地方自治法第236条
労働者の退職手当(労働基準法 第115条後段)
3年
医師・助産師・薬剤師の医療・助産・調剤に関する債権(170条 1号)
技師・棟梁・請負人の工事に関する債権 工事終了のときから(170条第2号)
弁護士 弁護士法人 公証人 の職務に関して受け取った書類についての義務に対する権利(171条
不法行為 に基づく損害賠償請求権 損害および加害者を知ったときから(724条 製造物責任法 第5条)
為替手形 の所持人から引受人に対する請求権(手形法 第70条第1項)
約束手形 の所持人から振出人に対する請求権(手形法第77条第1項第8号、なお、同法第78条第1項参照)
2年
弁護士・弁護士法人・公証人の職務に関する債権(172条
生産者・卸売または小売商人の売掛代金債権(173条 1号)
居職人・製造人の仕事に関する債権(173条第2号)
学芸・技能の教育者の教育・衣食・寄宿に関する債権(173条3号)
詐害行為取消権 :債権者が取消しの原因を知った時から(426条
労働者の賃金(退職手当を除く)・災害補償その他の請求権(労働基準法115条前段)
1年(174条は、1年の短期消滅時効についての規定)
月又はこれより短い期間で定めた使用人の給料(174条 1号)
労力者(大工・左官等)・演芸人の賃金ならびにその供給した物の代価(174条第2号)
運送費(174条第3号)
ホテルや旅館の宿泊料・キャバレーや料理店などの飲食料(174条第4号)
貸衣装など動産の損料(174条5号)
売主の担保責任 :買主が事実を知った時から(566条
遺留分減殺請求権 :減殺すべき贈与 遺贈 があったことを知った時から(1042条
運送取扱人の責任(商法第566条第1項)
陸上運送人の責任(商法第589条・商法第566条第1項準用)
海上運送人の責任(商法第766条・商法第566条第1項準用、国際海上物品運送法 第14条第1項)
船舶所有者の傭船者、荷送人、荷受人に対する債権(商法第765条)
為替手形 の所持人から裏書人や振出人に対する請求権(手形法第70条)
約束手形 の所持人から裏書人に対する請求権(手形法第77条第1項第8号)
支払保証をした支払人に対する小切手 上の請求権(小切手法 第58条)
6ヶ月
約束手形・為替手形の裏書人から他の裏書人や振出人に対する遡求権または請求権(手形法第70条第3項)
小切手 所持人・裏書人の、他の裏書人・振出人その他の債務者に対する遡求権(小切手法第51条)

次回は相続開始前3年以内の贈与財産と贈与税額控除について書きます。

  税理士ゆーちゃん より

最後まで読んで頂き、有難うございます
人気ブログランキングに参加しています


クリックお願いします。 ↓

         人気ブログランキングへ


税理士ゆーちゃんの記事一覧