先日草なぎさん主演の日系２世の差別と苦悩の５夜連続ドラマを見たが、その草なぎ演じる二世が所属した部隊が「第４４２連隊」であった。
ちょうど、今、新宿でその退役軍人たちが語るドキュメンタリー映画「４４２日系部隊・アメリカ史上最強の陸軍」が上映されている。それを昨日、見に行った。
日本人が知るべき歴史は、より多くの日本人が知ってほしい。今日はそんな英雄たちの記事である。
－－－－－－－－－－－－－－－－－－－－－－－－－－－－－－－－－－－－－－－－－－
ハワイの日系人部隊、第１００大隊はアメリカ本土に渡り、本土日系人と合流する。
当初、ハワイ日系人と本土日系人はあまりにも仲が悪かったそうである。
それは本土組は家族もろとも収容所に送られていたからである。
戦前アメリカ西海岸は１０万人の日系移民が暮らしていた。
戦争が始まると、アメリカ政府は、砂漠地帯に１万人規模を収容する施設を１０箇所作り、日系人を囚人同様に放り込んだ。家、土地、店すべてなくし、かばん一つでその強制収容所に送られたわけである。天候的に厳しい不毛な砂漠に鉄条網で囲まれ、銃口を常に向けられて生活を強いられた。
そして、アメリカは強制収容したあげく間もなく忠誠調査をする。メインのものは、「命令があればアメリカ軍として戦うか？」「アメリカに忠誠を誓い、天皇陛下その他外国には忠誠を否定するか？」である。
みな葛藤し、日系人の地位向上のために、中には親に勘当されても親のために、YES、YESとした者たちが、比較的束縛を受けなかったハワイ組と合流するのだから軋轢が生まれるわけだ。その後ハワイ組は、収容所を訪問する機会があり、訪問したあとは、考えが変わり、争いがなくなったという。
マンザーナ日系人強制収容所
お荷物扱いの第１００大隊はまずイタリアに上陸する。激戦に次ぐ激戦の最前線で戦っていく。そしてローマ解放を手にするのだが、ローマに一番乗りに入ることを許可されず、白人部隊に名誉をとられ、ローマを迂回して、北上をさせられた。
それから後続の第４４２連隊がイタリアに上陸をして、１００大隊は合流して以後そこに所属することになる。士官以外すべて日系人の連隊である。
各地を転戦し、フランスを北上していく。ロレーヌ地方ボーシュ山脈でドイツ軍と膠着状態が続いたいた米軍と合流する。高地から見下ろされて狙い撃ちされる場所にあった。それに対して、442連隊がしたものが、俗に万歳突撃と言われるようになるものである。普通、万歳突撃とは、日本兵が退路を立たれて絶体絶命のときに降伏をせずに、「万歳」と言いながら突撃して全滅する狂人的自殺行為のことをいうが、米軍内で言われるものはこの442連隊の攻撃のことを指し、白人部隊が恐れる中、口々に万歳などを叫びながら突進していく白兵戦術のことをいう。
こうして、442連隊は4年に渡るドイツの占領からフランス・ブリュイエールを解放することに成功する。この時の戦死者200名、負傷者1500名超。
ブリュイエールにある「442連隊通り」のプレート
休息が与えられるかとおもいきやすぐ、任務が下る。
ビフォンテーヌの東で、（通称）テキサス大隊211人がドイツ軍に包囲されているという。救出作戦に数度失敗し救出困難とされる中、442連隊に白羽の矢が当たる。これまた森林地帯で狙い撃ちされる。木に弾が当たっても、木の破片と共に襲って飛んでくるという過酷な地形だった。200人救出のため死傷者800人を出しながら、救出作戦を成功させた。これは国防省認定十大戦闘の一つになっているそうである。
442連隊は次に再度イタリアに行くことになる。そのとき第522野戦砲兵大隊は切り離されドイツに向かう。
このドイツに向かった522野戦砲兵大隊はミュンヘン北西ダッハウで掃討作戦の中心的役割を果たし、ダッハウ・ユダヤ人収容所の３万人のユダヤ人を解放することができた。アメリカで日系人収容所に入れられ、家族たちはまだ入っていた日系人が、ユダヤ人収容所を解放するとは、なんとも皮肉的な出来事である。この事実は1992年までアメリカ政府は公にしなかったという。
ダッハウ・ユダヤ人強制収容所
一方、イタリアに行った442連隊は、ゴシック・ラインと呼ばれるドイツ軍が陣取る山地を攻略するように言われる。連合軍が、何日かかっても失敗していた作戦である。
442連隊は、急斜面の山を夜中こっそりと登っていき、夜明けとともに急襲し、早朝即、攻略した。
こうして、1945年4月ドイツの降伏でヨーロッパ戦線が終結した。
この442連隊はのべ死傷率３１４％という尋常じゃない死傷者を出し、さらに最前線で困難な作戦をことごとく成功させていったため、叙勲、賞が18000におよび、これは、アメリカ軍史上、ずば抜けた記録で、今なお驚嘆され畏怖され、一目も二目置かれている。
ドイツ兵だけでなく、差別と苦悩と戦った彼らを日本人の誇りとして忘れてはならないものである。
2010年10月7日、彼らに「議会名誉黄金勲章」の授与をするサインをするオバマ大統領
参加中、下、クリックお願いします。
ちょうど、今、新宿でその退役軍人たちが語るドキュメンタリー映画「４４２日系部隊・アメリカ史上最強の陸軍」が上映されている。それを昨日、見に行った。
日本人が知るべき歴史は、より多くの日本人が知ってほしい。今日はそんな英雄たちの記事である。
－－－－－－－－－－－－－－－－－－－－－－－－－－－－－－－－－－－－－－－－－－
ハワイの日系人部隊、第１００大隊はアメリカ本土に渡り、本土日系人と合流する。
当初、ハワイ日系人と本土日系人はあまりにも仲が悪かったそうである。
それは本土組は家族もろとも収容所に送られていたからである。
戦前アメリカ西海岸は１０万人の日系移民が暮らしていた。
戦争が始まると、アメリカ政府は、砂漠地帯に１万人規模を収容する施設を１０箇所作り、日系人を囚人同様に放り込んだ。家、土地、店すべてなくし、かばん一つでその強制収容所に送られたわけである。天候的に厳しい不毛な砂漠に鉄条網で囲まれ、銃口を常に向けられて生活を強いられた。
そして、アメリカは強制収容したあげく間もなく忠誠調査をする。メインのものは、「命令があればアメリカ軍として戦うか？」「アメリカに忠誠を誓い、天皇陛下その他外国には忠誠を否定するか？」である。
みな葛藤し、日系人の地位向上のために、中には親に勘当されても親のために、YES、YESとした者たちが、比較的束縛を受けなかったハワイ組と合流するのだから軋轢が生まれるわけだ。その後ハワイ組は、収容所を訪問する機会があり、訪問したあとは、考えが変わり、争いがなくなったという。
マンザーナ日系人強制収容所
お荷物扱いの第１００大隊はまずイタリアに上陸する。激戦に次ぐ激戦の最前線で戦っていく。そしてローマ解放を手にするのだが、ローマに一番乗りに入ることを許可されず、白人部隊に名誉をとられ、ローマを迂回して、北上をさせられた。
それから後続の第４４２連隊がイタリアに上陸をして、１００大隊は合流して以後そこに所属することになる。士官以外すべて日系人の連隊である。
各地を転戦し、フランスを北上していく。ロレーヌ地方ボーシュ山脈でドイツ軍と膠着状態が続いたいた米軍と合流する。高地から見下ろされて狙い撃ちされる場所にあった。それに対して、442連隊がしたものが、俗に万歳突撃と言われるようになるものである。普通、万歳突撃とは、日本兵が退路を立たれて絶体絶命のときに降伏をせずに、「万歳」と言いながら突撃して全滅する狂人的自殺行為のことをいうが、米軍内で言われるものはこの442連隊の攻撃のことを指し、白人部隊が恐れる中、口々に万歳などを叫びながら突進していく白兵戦術のことをいう。
こうして、442連隊は4年に渡るドイツの占領からフランス・ブリュイエールを解放することに成功する。この時の戦死者200名、負傷者1500名超。
ブリュイエールにある「442連隊通り」のプレート
休息が与えられるかとおもいきやすぐ、任務が下る。
ビフォンテーヌの東で、（通称）テキサス大隊211人がドイツ軍に包囲されているという。救出作戦に数度失敗し救出困難とされる中、442連隊に白羽の矢が当たる。これまた森林地帯で狙い撃ちされる。木に弾が当たっても、木の破片と共に襲って飛んでくるという過酷な地形だった。200人救出のため死傷者800人を出しながら、救出作戦を成功させた。これは国防省認定十大戦闘の一つになっているそうである。
442連隊は次に再度イタリアに行くことになる。そのとき第522野戦砲兵大隊は切り離されドイツに向かう。
このドイツに向かった522野戦砲兵大隊はミュンヘン北西ダッハウで掃討作戦の中心的役割を果たし、ダッハウ・ユダヤ人収容所の３万人のユダヤ人を解放することができた。アメリカで日系人収容所に入れられ、家族たちはまだ入っていた日系人が、ユダヤ人収容所を解放するとは、なんとも皮肉的な出来事である。この事実は1992年までアメリカ政府は公にしなかったという。
ダッハウ・ユダヤ人強制収容所
一方、イタリアに行った442連隊は、ゴシック・ラインと呼ばれるドイツ軍が陣取る山地を攻略するように言われる。連合軍が、何日かかっても失敗していた作戦である。
442連隊は、急斜面の山を夜中こっそりと登っていき、夜明けとともに急襲し、早朝即、攻略した。
こうして、1945年4月ドイツの降伏でヨーロッパ戦線が終結した。
この442連隊はのべ死傷率３１４％という尋常じゃない死傷者を出し、さらに最前線で困難な作戦をことごとく成功させていったため、叙勲、賞が18000におよび、これは、アメリカ軍史上、ずば抜けた記録で、今なお驚嘆され畏怖され、一目も二目置かれている。
ドイツ兵だけでなく、差別と苦悩と戦った彼らを日本人の誇りとして忘れてはならないものである。
2010年10月7日、彼らに「議会名誉黄金勲章」の授与をするサインをするオバマ大統領
参加中、下、クリックお願いします。