それは数で計り知しれぬ贈りもの | Swallowtail Beverage Unit Diary

Swallowtail Beverage Unit Diary

スワロウテイル ビバレージユニット所属執事たちが綴る日誌でございます。


「スピリッツ」






と呼ばれる類のお酒。またの名は「蒸留酒」。






それは古来、不老不死の霊薬を求めた錬金術士たちがついに創り出した叡知の結晶ともいえるでしょう。






精製原理としては、水とアルコールの沸点の違いを利用。
アルコールだけを揮発させ一度分離し、改めて冷却すれば凝縮することが可能になり、よりアルコール濃度の高い液体をつくりだせるという仕組みです。







燃えるようなアルコールの強さに驚き、その液体の名を彼らは当時、「生命の水(アクア・ビテ)」と呼んでは薬酒として扱うようになります。






具体的にはブランデーやウィスキー。ウォッカにジンにラムといったお酒のことを蒸留酒と呼びます。








蒸留酒はカクテルをおつくりするにあたり、ベースのお酒として主となりえます。つまり、カクテルを語る上では欠かせないお酒でございますね。







それではお嬢様はこの蒸留酒たちの名を耳にした時、いったいどのようなイメージを抱かれますか?






きっとアルコール度数が強くて飲みにくそうだな。とお考えになられるかと存じます。






たしかに蒸留酒を用いたカクテルはどうしてもアルコール度数が高めになる傾向にございます。






では、アルコール度数が高いカクテル=飲みづらいカクテルと、もしかしたらお考えではございませんか?







そして、カクテルの好き嫌いをアルコールの強い弱いで決めてしまう線引きにされてはおりませんか?





もちろんアルコールを摂取するにあたり、その許容量はご自身の体質によりひとそれぞれでございます。無理をしてまでもアルコール度数が高いカクテルをお召し上がりになられる必要はまったくございません。






ですがもしも、貴女がお品書きを開いて、今宵のカクテルをお決めになられる際に、「このカクテルは◯◯%だから飲めない、美味しくない」と決めつけて、そのお品書きを閉じてしまっておりましたなら、それはもしかすると、貴女はまだ見ぬカクテルの





つくり方





そして、





飲み方






そんな側面からの魅力に気づいていないだけなのかもしれません。








カクテルとは、バーテンダーのつくり方により同じレシピにおいても味わいが全くといっていいほどに異なります。







それ故にバーテンダーは、シェイクやステアといった技法を最大限に駆使し、お酒のアルコールの角を和らげ、味わいに丸みをもたせ、たとえアルコール度数の高い蒸留酒でも口あたり良いお味を、そんな優しい一杯を貴女のためにおつくりして差し上げたいと願います。






それでは、つぎは飲み方。






ゆっくりと。焦らずに少しだけお口に含み、そしてすぐには飲み下さずに。口の中全体で香りを立てて、飲み口からはじまり、最後の余韻までもどうか楽しんで。もしもお強く感じるようでございましたらお好きな量だけお召し上がり頂いても結構でございます。







強いお酒も飲んで頂きたいとか、カクテルを飲むならスピリッツを知りなさいとかそういった事をお伝えしたい訳では決してございません。






私はカクテルが貴女にとっての嗜好品であってほしいのです。お気に召すままお好きなように飲む。それがすべてであり、それが正解でございます。
ただ、もしも飲まずに嫌いでいるのなら、よろしければ一度だけでもそのカクテルをご用命してみてくださいませ。そして、そのお味を確かめて頂けたなら嬉しゅうございます。






パーセンテージや数字だけではそのティストは計り知れない。貴女にグラスを傾けて頂くことでようやくはじめて完成でございます。それが私たちがおり成す叡知の結晶。バーテンダーが錬成する「カクテル」という贈りものの最たる魅力でありたいと存じます。







古谷

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