※少し文章足したりしてちょっとだけ読みやすく訂正しました。


《初めに現在アメンバー申請中の方へ》
風月のスキビだよりでアメンバーになるには、風月のお題を出している6つの項目をクリアしたメッセージが必須となっております。
そして風月も一人の人間ですので、全ての項目をクリアした内容だったとしても、内容に納得出来ない部分があれば当然承認したいと思えませんのでスルーします。
とはいえ、全てのメッセージの内容を記憶してるわけではないので、ダメだった場合でもまた改めてキチンとしたメッセージを頂ければそこはまた前回とは別のメッセージとして検討させていただきますので、何度チャレンジして頂いても構いません。
現在、問題ないメッセージを送って申請してくださってる皆様は承認済みです。
メッセージ待ちの方は現在2名様いらっしゃいます。

あれ?アメンバーなってない?という方は今一度、項目を満たした常識あるメッセージをお願いしますね。

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さて、すでにアメンバーの皆様には長々と前置き失礼しました!

☆アメンバー様200人達成!&ブログ3ヶ月記念大感謝祭☆

漸く完結☆です!!


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貴方からの距離 9《リクエスト》


「あ…の、敦賀さ…」

「もう少し…このままで…」

ローリィから与えられた部屋に入るやいなや、キョーコは扉のすぐ側で蓮に抱きすくめられていた。
真っ赤になったキョーコがワタワタと慌てるのだが、蓮は抱きしめる腕に力を込めて、離れていた間の隙間を埋めるかのようにキョーコの温もりを離すまいと抱き締め、キョーコの髪に顔を埋める。

「ずっと…こうしたかった…。」

蓮が噛み締めるように言葉を紡ぐ。
抱き締める蓮の腕の強さと、体温。そしてすぐ頭上で響くように聞こえた蓮の声に、キョーコの心臓が激しく動く。

ーーーし、心臓っ!破れちゃう…っ!!

ここ数ヶ月、殆ど接触がなかったのでキョーコの蓮耐性もだいぶ低下してしまっていた。
キョーコが真っ赤な顔で目を閉じて小さくなると蓮はまた強く抱き締める。
そして、蓮は懺悔するように話し始めた。

「君が泉の話をする度、どんどん遠く離れて行くような気がしていた。俺の居場所を泉に取られたようなそんな気がしていた。そしてある日から君はパタリと俺のところへ来なくなった。顔を合わせても目も合わせてくれなくなって、壁を作られたようなそんな気がした時、泉に言われたんだ。君の好きな相手が光君だって…。」

「え?!」

「信じられなかった。信じたくなかった。だけど、笑顔で彼と話をする君を見て…その後の俺への態度で足元がガラガラと崩れたような気がしたんだ。」

「敦賀さん…。」

蓮の体が僅かに震えているのを感じて、キョーコがそっと蓮の服を掴む。

「それから光君のことを調べた。調べれば調べるほど好青年で人気もあって、雰囲気だってどこか君と似ていると思わせるところがあって、君が彼を好きになったのも無理はないと思った。君が復讐を忘れて笑顔で過ごせるならいいじゃないかと無理矢理思おうとした。だけどそう思うのに心は納得出来なくて、このままだと壊れてしまうと思った時に泉に誘われたんだ。」

「………。」

「最初は勿論断った。だけど、泉から君が彼と付き合い始めたと聞いてカッとした。京子として抱かれてあげると泉から言われて、俺は泉を最上さんに重ねて抱いたんだ…。」

蓮はそこまで話すとキョーコから手を離した。
キョーコはグッと唇を噛み締めて俯いていた。
サラリと顔を隠すように髪がかかる。

「俺は泉を抱いた。その過去は消せない。その事実を否定することも出来ない。君を俺から奪った泉を利用したんだ。君への想いを泉にぶつけた。間違っていることだとわかってはいても、この俺の君への想いが君を傷付けるのが怖かったんだ。多分泉がいなかったら、俺は嫌がる君を無理矢理…」

蓮はその先の言葉を濁した。言葉にすることさえ、躊躇してしまうのだ。

「光君の腕の中で泣く君を見て、俺はもう君が手の届かない場所に言ってしまったと思った。欲しくて欲しくて堪らないのは君なのに、腕の中には君ではない人がいて、気が狂いそうだった。君が光君との初めての夜を過ごしたことも、泉に幸せそうに報告したのかと思ったら、どんな風に乱れるのかとか色々想像し…」

「なっ?!」

真っ赤になったキョーコの声で、蓮は話しながらヒートアップし過ぎてとんでもない事を口走っていたことに気付いて慌てて口を噤んだ。

「あ…と…ごめ…いや、今のなし…!」

珍しく狼狽える蓮だがフルフル震えるキョーコは今にも破廉恥と叫んで逃走を図りそうだったので、蓮は慌てて跪き、キョーコの手を取った。

「とにかく、俺は君が好きなんだ。こんなどうしようもない男に成り下がってしまうほど、君が愛しくて愛しくて堪らない!!君がいない世界なんて考えられないんだ。君のお陰で俺は…」

蓮のいつになく真剣な目がキョーコに懇願する。
伝われ!伝われ!!と全身で念じているような必死さを前に、キョーコは困惑した。

自分が好きで他の女を抱いたのだとそんなに真剣に訴えられてももやもやとした気持ちがどうしても湧き上がってしまうのだ。

蓮のキョーコを好きだという気持ちは充分良く伝わってきた。だけど、その行動は如何なものかと思ってしまう。
キョーコは掴まれた手を引き抜き、蓮に背中を向けた。

「敦賀さんのお気持ちは嬉しいです…。でも…」

内心はものすごく複雑だった。
このまま好きでいていいのかと心が揺れる。
キョーコが背を向けたことで蓮が慌てて縋り付く。

「最低なことしたってわかってる!虫がいいことを言ってるのも重々承知だけど、俺は君じゃないとダメなんだ!!」

「敦賀さんっ!!」

「っ!」

蓮はキョーコに呼ばれてビシッと正座して背筋を伸ばした。

「もうっ!敦賀蓮ともあろう人がなんてみっともない真似してるんですか…。」

キョーコは必死で懇願する蓮の姿をこれ以上見ることは出来ず、眉尻を下げた。
キョーコの想い人で誰よりも尊敬する大先輩そんな相手の情けない姿は出来ることなら見たくないのだ。
仕方ないですね。とばかりに一つため息を落として、心を落ち着け蓮の前にしゃがみ込む。

「敦賀さんばかりが悪いわけじゃありません。私も泉さんに言われて、敦賀さんから距離を取ってしまってたんですから。」

「…確か、本当に好きな人の側にいたほうがいいって言われたんだよね?」

「へ?!違いますよ!私が側にいるせいで敦賀さんが本当に好きな人から誤解されるかもしれないって言われて…」

蓮は目を丸々と見開いた。

「え…?」

「仲良すぎるのは良いことだけど、未来の恋人候補から誤解されたり逃げられたりするかもしれないって言われたら…甘えてばかりもいられないなって思って…」

蓮はポカンとしてキョーコを見た後、見る見る不機嫌になっていった。

「何それ…俺が好きなのは君なのに。君以外にあり得ないだろう?」

真剣に言われてもキョーコは真っ赤になって否定するしかない。

「へ?!わ、私以外あ、あり得ないって!!敦賀さんが私を好きだって話の方があり得ないですよ!!」

「この後に及んでまだ俺の気持ちがあり得ないと言うのか、君は…!!」

ゴゴゴゴゴと怒りの波動を出し始めた蓮にキョーコは慌てる。

「ひいっ!だ、だって!!敦賀さんですよ?!神の寵児ですよ?!日本の芸能界の宝ですよ?!抱かれたい男No.1ですよ?!」

「だから…?」

「そ、そんな人が私みたいなペーペータレントに…なんて…っ!い、色気も胸もないですし…家政婦として思われるのが関の山で…」

言いながら自信喪失をしていったのか、どんよりとした空気を出し始めたキョーコを蓮は暫し無表情で見つめ、立ち上がった。

「…わかった。」

「へ?!え?!ちょ、敦賀さん?!」

蓮はキョーコの腕をむんずと掴むと、そのまま歩き出し、キョーコを引き摺るようにしてベッドへ向かう。

「君に本当に色気も胸もないのか確かめてみよう。」

「ふぇぇ?!きゃっ!!う、嘘!!嘘ですよね?!敦賀さん?!」

ベッドへ抱き上げられ、横たえさせられると、その上に蓮が覆いかぶさる。
真っ青になってジタバタもがくキョーコに蓮が顔を近付けたかと思ったら、その顔はキョーコの顔を素通りして、キョーコの肩に埋まった。そして気が付けばキョーコはベッドの上で蓮からしっかりと抱き締められていた。

「つ、敦賀さん…?」

頭にクエスチョンマークを沢山飛ばして蓮の行動を問う。
突然ベッドに連れ込まれたので、このままなし崩しで身包みを剥がされてしまうのかとおもってしまったのだ。
しかし。蓮はキョーコの肩に顔を埋めたまま、抱き締める腕に力を籠めてキョーコへ想いを伝えた。

「色気があるとかないとか、胸があるとかないとか、そんなのはどうでもいいんだ。君がペーペータレントかそうじゃないかも関係ないし、俺が抱かれたい男No.1だって言われてるのも、君の前ではそんな評価はどうでもいい。俺が好きなのは最上キョーコっていう一人の女性で、それ以上でもそれ以下でもない。君という一人の女性にどうしようもなく惹かれてる。」

蓮の告白にキョーコの胸は熱くなった。

「敦賀さんっ…。」

キョーコはそっと手を伸ばし、蓮のシャツを掴む。

「だから、どうか、側にいることだけは許してくれないか…?」

「許すも何も、敦賀さんは何も悪くありません。私も誤解させるような態度を取ってしまってましたし、自分のことばかりでちっとも敦賀さんの気持ちなんて考えてませんでした。」

キョーコはそこで一度言葉を切った。そして息を吸い込むと、ゆっくりと想いを声に乗せた。

「私も、許されるなら誰よりも敦賀さんの側にいたいです。」

「…本当…?」

蓮が目を見開きキョーコを下から見上げる。

キョーコは下から見られているのが恥ずかしくてプイと蓮とは反対を向いて答えた。

「…はい。本当です。」

真っ赤になったキョーコの耳を暫く無表情で見つめ、蓮が欲望を呟く。

「キスしたい…」

「ふぇ?!なっ!!なっ…?!」

不意打ちの蓮の発言に、真っ赤になってしまったキョーコの顔を、蓮が覗き込み問い掛ける。

「ダメ…?」

「うっ…」

キョーコは恥ずかしくて答えられない。どう答えていいのかわからなかった。
蓮の手がキョーコの頬を優しく撫でる。

「最上さんが、ダメって言うなら我慢する。…でも、許してくれるなら目を閉じて…」

蓮の大きな手には不思議な力がある。
手から伝わる熱でキョーコの心に広がったのは安心感。

蓮の目にも不思議な力がある。
瞳の奥に燃えるような想いを乗せて見つめられると熱くて溶けてしまいそうになる思考。

蓮の親指がそっとキョーコの唇を辿る。
そしてその動きに合わせるようにキョーコはゆっくりと瞼を閉じた。
心臓がドキドキと脈打ち、頬に熱が集まるのがわかる。

息を飲む蓮の気配を間近で感じながら、そっと手を蓮の背中に滑らせた。
近付く気配と、ゆっくりと重なった唇。
僅かな接触を残して一度離れた感触。その余韻を感じる前に、今度は熱く激しく再び重なった二人の唇。
味わうように何度も何度も角度を変えて、キョーコは気付けば蓮の首に腕を回していた。

キスに溺れる度に溶けて行く思考。
上昇する二人の体温。絡まる想い。


揺れるベッドの中で2人がどこまで進んだのか…それを語るのは野暮というものである。


幸せそうな笑みを浮かべて身を寄せ合い眠る2人は、もしかしたら同じ夢を見ているのかもしれない。
シーツの下で握り合った手のひらは朝日に照らされ目覚める時までしっかりと繋がれたままだったという。


END


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*****



これにて漸くENDです!!!!
魔人様の罠穴の中に住み着いて数年!!
漸く旅立ちの時が…!!
やややっ!そう思いきやまだこっちの罠が残ってるぅ~(笑)

それにしても本当に長い間お付き合い頂きありがとうございました!!
最後の回は、キョーコちゃんの複雑な乙女心が中々表現難しく苦戦しました。
キョーコちゃんの揺れる女心で受け答えさせてしまったので、読者の皆様を混乱させるお話になってるのでは…と思いましたが、風月の拙い文才ではここが限界っ!!

蓮様キョーコちゃんにそんなことまでカミングアウトしないでくださいっ!!って思いながら書きました(笑)
お楽しみ頂けてたら幸いです。

魔人様からオマケおねだり受けてしまったので、もう一話ぐらいオマケで書くかもしれません。

コメント沢山頂けてとっても励みになりました!!
沢山のいいねや拍手の応援もありがとうございます~!!

…で、オマケはどんな話がご所望で?とか参考までに聞いてみる(笑)
↑何かご要望(?)がある方はコメントかメッセージにてお願いします!

※あくまでも“参考までに”ですのであしからず。