理性崩壊のカウントダウン
「明日で…終わりなのね?」
「あぁ…。なんだ?寂しいのか?」
「うん。ちょっと…ね。」
「そうか…。」
謎の俳優Xとして特殊な役柄カインヒールとその妹セツカを演じるのも、明日が最終日だ。
明日は昼からの撮影を終えたらクランクアップ。
カインヒールは時間にルーズな為、その後のスケジュールには予定を入れていないが、次の日からは普通に敦賀蓮として仕事が朝から入ってるので、このホテルに二人で泊まるのは今日が最終日ということになるのだろう。
二人の間に沈黙が落ちる。
苦しいような寂しいようななんとも言えない複雑な感情が吹き荒れる。
カインとセツカとして許されていた接触も今後はなくなってしまうのだろう。
先輩後輩では決して近付けない距離まで近付けた二人。
互いが互いに恋しているとは夢にも思っていない二人には、ホッと安心するような、心にぽっかり穴が開くようなそんな心境だった。
「風呂…入ってくる。」
「ん…。」
立ち上がってそう言ったカインは、ふと思いついたように立ち止まって、セツカを振り返った。
「最後ぐらい…一緒に入るか?」
「え…?!」
反応を試すようにニヤッと笑ったカインの言葉にセツカは素の状態で驚いたように目を丸くした。
しかし、今日が最後だと思うと少しでも一緒にいたいと思ってしまったのだろう。深く考える前にセツカはコクンと頷いていた。
「本当に…入るのか?」
「何よ。しつこいわね!悪いの?誘ったのは兄さんじゃない!」
脱衣所へ来て、しまった!!と思ったのは後の祭り。
兄からそんな風に念を押されても一度頷いたものをセツカは簡単には否定できない。
大好きな兄と一緒にいられるのだ。セツカが手放す訳がなかった。
セツカが頷いたことに内心かなり焦ったカインの中の蓮はセツカに何度も確認してしまっていた。
「いや…悪いわけじゃないが…」
「ならいいでしょ!久しぶりに兄さんと入りたいのよ。」
「……わかった。じゃあ先に入ってるから準備が出来たら来い。」
「わかったわ…。」
セツカに背を向けて一気に服を脱ぎ捨てたカインはそのままセツカを振り返らず風呂場の中へ消えた。
セツカの中のキョーコは大きく深呼吸を繰り返す。
ーーー私はセツカ、私はセツカ、私はセツカ、兄さんが大好きなセツカ…。
何度も何度も言い聞かせて、漸く決心が出来たキョーコはスッとセツカのスイッチに切り替えると、服を脱ぎ、風呂にはつけていけないウィッグを頭から外し、アクセサリーも全て外すのだった。
鏡に映る自分の姿に背を向けて、ひたすらセツカであることに意識を集中させる。
「兄さん、入るわよ。」
「………。あぁ…。」
中から聞こえた了承の返事にゴクリと唾を飲み込み、もう一度深呼吸をすると、セツカはガラリと扉を開いたのだったーーー。
END
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この続きは皆様の逞しい妄想脳にお楽しみいただけたら幸いです~♪
二周年記念ってことで、一応フリー!(フリーにするような話でもない気がする…という皆さんの心の声が聞こえてきそうです。笑)
あ、持ち帰りの際は一言お声掛けお願いしますね。
そして、続きが書きたいって方がもしいらっしゃいましたら、是非コメントにてお知らせ頂けたら嬉しいですー!!
「明日で…終わりなのね?」
「あぁ…。なんだ?寂しいのか?」
「うん。ちょっと…ね。」
「そうか…。」
謎の俳優Xとして特殊な役柄カインヒールとその妹セツカを演じるのも、明日が最終日だ。
明日は昼からの撮影を終えたらクランクアップ。
カインヒールは時間にルーズな為、その後のスケジュールには予定を入れていないが、次の日からは普通に敦賀蓮として仕事が朝から入ってるので、このホテルに二人で泊まるのは今日が最終日ということになるのだろう。
二人の間に沈黙が落ちる。
苦しいような寂しいようななんとも言えない複雑な感情が吹き荒れる。
カインとセツカとして許されていた接触も今後はなくなってしまうのだろう。
先輩後輩では決して近付けない距離まで近付けた二人。
互いが互いに恋しているとは夢にも思っていない二人には、ホッと安心するような、心にぽっかり穴が開くようなそんな心境だった。
「風呂…入ってくる。」
「ん…。」
立ち上がってそう言ったカインは、ふと思いついたように立ち止まって、セツカを振り返った。
「最後ぐらい…一緒に入るか?」
「え…?!」
反応を試すようにニヤッと笑ったカインの言葉にセツカは素の状態で驚いたように目を丸くした。
しかし、今日が最後だと思うと少しでも一緒にいたいと思ってしまったのだろう。深く考える前にセツカはコクンと頷いていた。
「本当に…入るのか?」
「何よ。しつこいわね!悪いの?誘ったのは兄さんじゃない!」
脱衣所へ来て、しまった!!と思ったのは後の祭り。
兄からそんな風に念を押されても一度頷いたものをセツカは簡単には否定できない。
大好きな兄と一緒にいられるのだ。セツカが手放す訳がなかった。
セツカが頷いたことに内心かなり焦ったカインの中の蓮はセツカに何度も確認してしまっていた。
「いや…悪いわけじゃないが…」
「ならいいでしょ!久しぶりに兄さんと入りたいのよ。」
「……わかった。じゃあ先に入ってるから準備が出来たら来い。」
「わかったわ…。」
セツカに背を向けて一気に服を脱ぎ捨てたカインはそのままセツカを振り返らず風呂場の中へ消えた。
セツカの中のキョーコは大きく深呼吸を繰り返す。
ーーー私はセツカ、私はセツカ、私はセツカ、兄さんが大好きなセツカ…。
何度も何度も言い聞かせて、漸く決心が出来たキョーコはスッとセツカのスイッチに切り替えると、服を脱ぎ、風呂にはつけていけないウィッグを頭から外し、アクセサリーも全て外すのだった。
鏡に映る自分の姿に背を向けて、ひたすらセツカであることに意識を集中させる。
「兄さん、入るわよ。」
「………。あぁ…。」
中から聞こえた了承の返事にゴクリと唾を飲み込み、もう一度深呼吸をすると、セツカはガラリと扉を開いたのだったーーー。
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二周年記念ってことで、一応フリー!(フリーにするような話でもない気がする…という皆さんの心の声が聞こえてきそうです。笑)
あ、持ち帰りの際は一言お声掛けお願いしますね。
そして、続きが書きたいって方がもしいらっしゃいましたら、是非コメントにてお知らせ頂けたら嬉しいですー!!