メロキュン☆年間テーマ『公園』
風月が立てたものの、時間があると思ってたら中々実行できないようで、こんなギリギリまで放ったらかしになってました!!
何か書かねばっ!!と思ったのは一週間前…それでも全く浮かばず、3日前にピグのお庭でネタ収集。
お話しながら、色々考えたけど、難かしいー!!でも書くって言ったし、できる事なら書きたいし!!
せめて一つは作品提出しておきたい!!と、がんばって捻り出しました!!
ザッとしか読み返してないので、文章になってるか心配ですが、できたてホヤホヤです!(笑)
時間の空き時間を縫いまくって書いたので、意味不明だったらすみません!!
メロキュン…になってたらいいな。
一応、メロキュン目指したつもりです!!
お楽しみ下さいませー!!


*****



コーンの魔法



「おい!ミヨコ!!帰るぞ。もたもたすんな!」

「あ、待ってユーちゃん!!」

キョーコが公園を横切ろうとすると、二人の子供が帰ろうとしているところだった。

俺様な態度の男の子と、その男の子について行く女の子の姿を無意識に目で追ってしまった。

「あ…っ!」

ー危ないっ!

キョーコがそう思った瞬間、女の子が石に躓き、前のめりに倒れた。

ーーベシャッ

「あーあ。何やってんだよ。」

「ふぇ…ふえぇぇぇぇーん!」

「お、おいっ!泣くなよ!!俺が泣かしたみてーじゃねーか!!」

泣き出した女の子と、それを見てオロオロする男の子を、キョーコは何とも言えない複雑な表情で見つめてしまった。
在りし日の自分と子供達の姿が重なり、唇を噛み締める。

するとそこに、二人よりは少しだけ背の高い男の子が近付いてきた。
何も出来なくてオロオロしてる男の子の目の前で、女の子の頭をよしよしと優しく撫でる。
女の子は泣き止んで男の子を不思議そうに見つめた。

その光景を見て、何故だか胸の奥がキュンとして、キョーコにとって忘れられない 思い出の男の子の姿が浮かんだのだった。





ーーキィーコキィコキィコキィーコ

『きゃ~!!ショーちゃんすごぉぉぉ~い!!』

ブランコを勢い良く漕ぐショーに、目をキラキラと輝かせて力一杯手を叩いて拍手を送っていた自分。

自分がブランコに乗っているわけでもないのに、一人 はしゃいで…。

「馬鹿な子…お馬鹿な、キョーコ…」

気が付けば、子供達はとっくにいなくなっており、公園のブランコに腰掛けていた。
軽く地面を蹴る。
何となく、身を任せると、キィーキィーというブランコの音が響いた。

空を見上げるとそこに広がるのはオレンジ色に焼けた様な空。
あの頃の自分は、ショータローの言いなりで、ショータローのすることは全部輝いて見えていた。
砂場で遊ぶ時も、ブランコに乗る時も、ショータローが楽しそうにしていれば、キョーコはそれだけで楽しかった。

『おら!行くぞっ!キョーコ!!』

『あっ!!待ってよ、ショーちゃん!!』

思い出したくもない思い出。
だけど、それを何故だか思い出していた。
ブランコを漕ぎながら、ぼんやり考える。

ーーもしかしたら、私は、ショータローに心なんて開いてなかったのかもしれない。

困らせるのが嫌で、いつしか一番近くにいたはずのショータローの前でも泣く姿は見せなくなっていた。

唯一泣くことが出来たのは…

「コーン…」

もし…もしもだけど、コーンが私の幼馴染だったら…私は…どうなってたんだろう。

コーンの前では素直に自分になれた。
そんな私をコーンだけはしっかりと受け止めて話を聞いてくれた。

コーンは…今、何処で、何をしてるんだろう。

鞄からそっとコーンにもらった石を取り出す。

段々と暗くなり始めた空に翳しても色はほとんど変わらなかった。

「魔法…か…」

もしも、願いが叶うなら…?
私は何を願うだろう。

「コーンに…会いたい…」

そういいながらコーンを握り締めた時、頭の中にあったコーンの笑顔が、蓮の笑顔にゆっくりと変わって行った。

「………え?」

マジマジと手を開いてコーンの石を見つめると、キラキラと輝いたように見える。
まるで、石がその幻を見せた様な、そんな気がした。
パチパチと瞬きをしていると、不意に後ろから声をかけられた。

「あれ…?最上さん?」

今しがた考えていたこの場所にいるはずのない人物の声が聞こえ、キョーコの心臓が飛び上がった。
慌て振り返り、そこにいる人物を信じられない気持ちで見つめる。

「…敦賀、さん…?」

「どうしたの?こんなところで…」

ついマジマジと蓮を凝視してしまう。

「最上さん?」

もう一度呼びかけられて、キョーコはハッと意識を取り戻した。

「あ、いえ…何となく…。敦賀さんこそ、どうして…。」

「いや、俺も…何となく。」

蓮がぽりぽりと頬をかきながら答える。
しかし何故か、今日この場所で会うことが最初から決まっていたような…そんな気がしていた。
不思議な時間が二人の間に流れる。

「隣…いいかな?」

「はい。どうぞ。」

キョーコの隣のブランコに蓮が腰掛ける。

「ふふ。やっぱり敦賀さんには小さいですね。」

「あぁ。まぁ子供用だしね。」

あまりのアンバランスさに、笑いが込み上げる。蓮も自分のアンバランスさがわかっているのか苦笑していた。

「…で?どうしたの?こんなところで…」

「ちょっと、子供たちの姿を見てたら、昔を思い出しちゃったんです。」

「昔…?」

「ショータローにくっ付いて回ってた頃の…でも、それだけじゃなくて、コーンのことも思い出して…。」

「コーンって…前に話してくれた…あの?」

「はい。この子(石)を私にくれた妖精の王子様です。」

「…妖精の…王子様…ね。」

キョーコの言葉を復唱しながら、何とも言えない微妙な表情を浮かべる蓮を見て、キョーコは胸が熱くなり、もしかして…もしかするの??という期待が湧き上がった。
ドキドキと心臓が高鳴るが、それは顔には出さないように気をつける。

「あのっ、笑わないで聞いて下さいますか?」

「うん?…何かな?」

「…敦賀さんは、『コーン』ですか?」

「………え…?」

「本当はコーンだったりしませんか?」

「………何で、そう思うの?」

蓮は笑いもせず目を見開いて、驚いたようにキョーコを見ていた。
キョーコは意を決して続ける。

「コーンのくれた石が…教えてくれたんです。」

「石が…俺が、コーンだと?」

「あ、あのっ!!しゃべったとかそんなんじゃなくて…えっとですね!昔を思い出してた時に、凄く寂しくなって、コーンに会いたいなぁって、会いたい…会いたい…って思ってたら、思い出のコーンの笑顔が、ゆっくり敦賀さんの笑顔に変わったんです!」

キョーコはそう言いながら、大切なものを守るようにゆっくりと掌を広げ、石を愛おしそうにみつめた。

「最初は意味がわからなかったんですけど…そしたら、その時、敦賀さんがタイミングよく現れたので…私が会いたいって言ったから、この子が連れてきてくれたのかなって…」

言いながら、キョーコは自分がなにやらおかしなことを言っているということがわかっていた。頬に血が集まるのがわかる。
でも、どうしても聞かずにはいれない。

「だから、敦賀さんが、『コーン』なのかな?って…。」

ザザザザッと、風が二人の間を吹き抜ける。

「もし…」

「え…?」

蓮がぽつりと呟く。キョーコはよく聞こえず耳を澄ました。

「もしも、俺がコーンだったら…最上さんは…」

ーーどうする?
ーーどう思う?
ーー愛してくれる?

その言葉の先に聞きたいことがあり過ぎて、言葉に詰まる。

「…敦賀さん?」

「うん。いや…。…俺は、人間だよ?」

「…それは、わかってますよ。」

キョーコがぷぅっとむくれる。
セツカをしてから、たまにキョーコは蓮の前でこんな風に普段は他所では滅多に見せない顔も見せる様になっていた。

「妖精の王子様なんかじゃない…。」

「…はい。わかってます。」

キョーコの顔には、がっかりした様な寂しそうな色が浮かぶ。

「それでも、俺がコーンだったら…?君に、妖精界の王子だと嘘ついていたとしたら…?」

「え?」

「君は…俺を幻滅する?」

蓮の目が闇を見つめる様に、じっと一点を見つめていた。
キョーコは蓮を暫く見つめたのち、考える様に視線をそらし、そして静かに首を左右に振った。

「いえ、幻滅なんてしません。」

「そう…。」

蓮はキョーコの答えを聞くと、ゆっくりとブランコを漕ぎ始めた。
その行為は、答えを探しているようにキョーコには見えた。

キョーコも蓮に倣ってそっとブランコを漕ぎ始める。

段々と、何故か二人の漕ぐ勢いが増してきた。
途中、蓮が少年の様に目を輝かせて挑発するようにキョーコを見た。
キョーコはその挑戦を受けるかの様に、その瞳に光を灯す。

段々と、高く高く二人は競うように漕ぎ始めた。

子供のように笑いあって、風を受けると、段々と楽しくなってくる。

「こんな風にブランコを漕ぐのは久しぶりだ。」

蓮が勢いよく漕ぎながら声を弾ませる。
蓮の揺れを追いかける様にキョーコも漕いだ。

「私は…初めてです!」

「始めて?」

「はい!ブランコ…いつも人がやってるのを見るばっかりだったから!漕ぐのは初めてです!!」

「そう。じゃあ、いいもの見せてあげる!」

「いいもの?なんですか?!」

「見てて…!」

そう言って、蓮は無言で振り子の様にブランコを二、三度行き来させると、勢いを着けてブランコから離れ、一回転して飛び降りた。

びっくりして言葉も出ないキョーコの前で華麗に着地を決め、ポーズを取ると、キョーコは目をキラキラと輝かせた。

「うっっわーーーー!!凄い~~!!」

目の前で蓮の勇姿を見たキョーコは大感動で、キャッキャッっとはしゃいでいた。
そんなキョーコを見て、嬉しそうに顔を緩める蓮。
まるでこの時だけ二人の時間は昔に戻った様だった。

「君もおいで!!」

「え?!」

「大丈夫!俺が受け止めるから!!」

そう言って、両手を広げた蓮を見て、キョーコはワクワクと顔を輝かせた。

「わかりました!ちょっと待ってて下さい!」

一度、ブランコの勢いをとめ、ブランコと手の間に挟み込んでいたコーンの石を鞄に仕舞い、その鞄を横に避けた。

そして蓮に向かって飛び込むことに標準を合わせて勢いよく漕ぎ始める。

「行きますよ?いいですか?」

「うん。いつでもいいよ。おいで。」

ブンッブンッと風を切る音がキョーコの気持ちを高鳴らせる。

勢いよくブランコから飛び出したキョーコが蓮に向かって手を伸ばすと、蓮はしっかりとキョーコを己の腕に抱き留めた。
しかし、やはりと言うべきか何と言うべきか、キョーコの勢いは相当のものだったらしく、蓮はキョーコを抱き留めたまま、二人揃って砂場に転がり込んだ。

「うわっ。」

「きゃっ。」

二人で砂だらけになって砂場に転がる。

「ぷ。ははっ!あっぶな。」

「ぷ。ふふふ!もうっ!!本当に危ないですよっ!!なんてことさせるんですかぁ!」

蓮とキョーコは起き上がりながら砂をはたいて、互いに笑いあった。
「あ、最上さん…砂が…」

そっと蓮の手がキョーコの頬に伸びる。
キョーコも蓮から逃げずに真っ直ぐその目を見つめていた。
キョーコの頬を優しくなで、砂を払う。
二人は互いに無言で見つめあった。
蓮の手がキョーコの頬から髪に滑る。
そのままキョーコの後頭部に回すと、その頭を引き寄せて優しく抱きしめた。

キョーコは蓮の腕の中で目で瞬きを繰り返すと、そっと目を閉じ、蓮の腕に甘える様に手を添えた。

「ゴメンね…?妖精じゃなくて…」

「ううん。いいの。」

「怒ってない?」

「怒ってません。」

「がっかりしてない?」

「がっかりなんて…しませんよ。するはずないじゃないですか。」

蓮の身体が小刻みに震えていることを感じ取ったキョーコは、そっとその身体に身を寄せた。
蓮の手がキョーコの髪を優しく弄ぶ。

「キョーコ…ちゃん。」

「コーン…」

漸く二人は、確認する様におずおずと互いの昔の呼び名で名前を呼び合った。
そしてその瞬間、確かに過去と一緒に、二人の未来までが繋がった。
そんな絆が二人の間に生まれたのだ。

「キョーコ…っ!!!!」

「コーンっ!!!!」

互いに、必死と抱きしめ合う。

「キョーコ!!キョーコ!!」

「コーン!!逢いたかった!!逢いたかったよぉぉぉー!!」

キョーコは蓮の腕の中で泣き崩れた。蓮もそんなキョーコを力一杯抱きしめて、その目に涙を浮かばせていた。


キョーコが漸く落ち着いた頃、蓮は口を開いた。

「ずっと黙っててゴメンね。キョーコちゃん。」

キョーコは無言でブンブンと首を振った。

「…全部はまだ話せない。だけど、ひとつだけ君に言わなきゃいけないことがある。」

キョーコがそっと顔をあげて蓮を上目遣いで見つめた。
涙で潤んだ瞳が不安そうに揺れる。そんな姿が堪らなく愛おしい。

「君を愛してるんだ。」

蓮の言葉に、キョーコは目を見開き、息を呑んだ。

「君を誰よりもずっと、愛してる。」

蓮の真剣な瞳とキョーコの瞳が重なる。
どちらからともなく顔が近付き、その唇が重なった時には、キョーコの腕も蓮の首に回り、二人の間には隙間がないほど、ピッタリと抱きしめあっていた。
まるで二人が一緒になることが最初から決まっていたかのように、ピッタリと自然に嵌っていたのだ。

夢中でキスを交わすうち、二人は何時の間にか再び、砂場にころがりこんでいた。

ゆっくりと離れる唇を名残惜しげに追い求めて、唇をじゃれるように掠め合わせる。
しかし、その先に進もうとした時、砂が口に入り、蓮は漸くここが外であることを思い出したのだった。

砂まみれになってしまった自分たちに気付いて苦笑を漏らすと、照れ臭そうに笑い合いながらも、二人は仲良く指同士を絡めて手を繋ぎ、ゆっくりと公園を後にした。

次の日、キョーコが鞄の中を見ると、コーンの石が綺麗に真っ二つに割れていた。
きっと役目を終えたと思ったんだろう。

その二つに分かれた石は、お互いに一つずつ持つことになった。

その石を見る度、二人はあの不思議な日を思い出す。
二人を導き結んでくれた石に、愛しさと感謝を込めて、二人は今日も石を握り締めるのだった。


END



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あれ??
公園よりも石メインになっちゃった?!?!

折角立てた年間テーマも最後に何か書かねばっ!!と、慌てて書いたら何故かこんな意味不明なお話に~!!

何だか自分でもツッコミ所満載感が否めません!!

いやぁ!!難しかった!!
ブランコと砂場の距離感!!多分こんな公園ないよなぁー!!と思いつつも書きました!ただの妄想なんで許して下さ~い!!
今回の話も、固まる前に書き始めたから表現が凄く難しかったです!!

年間テーマ…書こう書こうとずっと思ってたのに、中々書けず、こんなギリギリな時間に漸く書けました!!
本当は公園ならもっといっぱいパターンが浮かぶ予定だったんですけどね!!
アヒルボートデートとか…森林公園ピクニックとかとかっ…!!
本当は色々書きたかったけど、風月は成立前~成立のお話書くのが好きなので、こんな方向に走ってしまいました!!

こんな話で果たして楽しんでもらえたかはわかりませんが、自己満足はきちんとできました!(ちゃんと参加したぞ!って気持ちと、時間以内に何とか書き切った!という満足感。笑)

慌てて書き切ったので、誤字脱字ありそうですが、気付いたら訂正して行きますね!!

こんなお話でも最後まで読んで下さってありがとうございましたー!!

23時には風月の卒論もUP予定ですのでそれも楽しんで頂けたら嬉しいです♪
メロキュン万歳~☆

最後までお楽しみ下さいませ♪