ひかりさんから頂いた素敵イラスト!!
ユンまんまさんが素敵なお話を書いていたので、風月は書かなくてもいいかな~??
と思ってたのですが、やはりここまで素敵なイラストを頂いておきながら頂きっ放しというのも気が引けたので、御礼を込めて文章をつけてみました!!
相変わらずの超駄文でひかりさんのイラストの引き立て役になれてるか疑問でいっぱいですが、精一杯書いたのでひかり様良かったらもらってやって下さいませー!!
この作品は、ひかりさんのイラスト付きなので、ひかりさんが許可した方のみ、お持ち帰り可のフリー作品といたします~♪
お楽しみ頂けたら幸いです(^-^)/
*****
聖なる夜の願い
『兄さん、何か欲しい物ある?』
明るく響く女の声とは裏腹に、低く唸るような声が責めるような色を含み問いかける。
『……何のつもりだ?』
その心臓に直接響くような声は、どんなものよりも甘美に聞こえた。
『ん?何って何?』
『その格好…』
『決まってるでしょ?サンタよ、サ・ン・タ。』
『それは…見ればわかる。』
馬鹿にしてるのか?とジト目を向ける兄を気にも止めず、クルリと回って見せた。
『似合うでしょ?ボスからのクリスマスプレゼントだって。』
『ボス…から…?』
『うん。ミューズとボスがね、昨日のパーティーの時、二人へクリスマスプレゼントって言ってくれたんだけど、渡された紙袋には私の分しか入ってなかったのよ。』
手違いかしら?と首を捻って考え込んでいると、兄からグッと腕を掴まれ引き寄せられる。
『きゃっ!!な、なに?!』
突然のことに驚いてセツ魂が抜けそうになったが、すんでのところで慌てて立て直す。
『いや…。クリスマスプレゼント…か…。』
抱きしめられてるためか、耳の後ろから囁く様な低い声が聞こえ、心臓が暴れ出したが、そんな顔をみせるわけにはいかないと必死で取り繕う。
『そうよ?ボスからの…ね?』
答えると、兄は珍しく微笑んだ。
滅多に笑わない兄の笑顔に心臓が跳ね上がる。
妖しさを含んだその笑みは毒でも含んでいるのか甘く感じてめまいがする。
『じゃあ、もらっていいんだな。』
『え…?…??プレゼントなんだから、いいんじゃないの??』
『そうか…じゃあ、遠慮なく。』
そう言ったカインがギュウッと抱きしめて、キョーコの肩に顔を埋めた。
『…え…?』
吐息が肩にかかったことで驚いたキョーコが声を漏らした瞬間、吸い付かれる感覚とチクリとした甘い痛みをその場所に感じた。
『ぁ…』
ちゅっというリップ音を残してカインが離れると、セツ魂が離れ真っ赤になったキョーコがそこにいたが、蓮は気付かぬフリをしてカインの口調で淡々と続けた。
『俺のものだって…ちゃんと印…つけとかないとな。』
そう言って肩についた跡を指で辿って、ニヤリとカインが笑う。
セツ魂が戻らず、暫くパクパクしているキョーコにカインは顔を近付けた。
『肩だけじゃ…セツには、物足りなかったか?』
『な?!そ、そんなわけないじゃない!!充分よ!!というか、印なんかなくても、アタシは兄さんのものなのに…わざわざ印つけるなんて…』
『ん?気に入らないか?結構上手くついたと思ったんだがな…。』
『き、消えたらどうするのよ!』
『その時は、またつけてやるから安心しろ。』
『~~もうっ!兄さんの馬鹿!』
『お前がそんな格好して出てくるのが悪い。』
そう言いながら何事もなかったかのようにベッドに戻り、腰掛けるカインに反撃するため、セツカはそんな兄に飛びつくようにしてベッドへ押し倒した。
人差し指にちゅっとキスを落して、ベッドに倒れた兄にその指を向けた。
まるで銃を向けるようなその仕草をカインは目を見開いて見つめる。
『ばぁん!!』
打つ真似をした指先を軽く弾ませ、驚く兄の表情に満足したセツカは、笑みを浮かべ映画のワンシーンの真似事をして、その銃口にフッと息を吹きかけた。
暫く見惚れて言葉も出ないまま、カインがセツカを見つめている。
瞬きもしなくなった兄に気付いたセツカが不思議そうに兄を見下ろした。
セツカが口を開きかけた時
「そうやって、君は俺を射止めるのか…。」
『…へ?』
突然発せられた日本語に、セツカが驚くと、次の瞬間何がどうなったのかわからないまま、ベッドに縫い付けられていた。
『…え?にい…さん?』
慌ててセツカになって立て直そうとするも、目の前の男は苦虫を噛み潰しているかのような顔をしたあと、そのままカインにならずに言葉を続けた。
「俺の身も心も、全て君に射止められた。俺は…どうしたらいい?」
「え…あ…の?え…?敦賀…さん?」
「もしサンタクロースが本当にいるのなら…どうしても欲しくて堪らないものが、一つだけ…ある。」
「………そ、れは…?」
キョーコの中で、聞いてはダメだと警報が鳴り響くが、口が勝手に動いていた。
心臓があり得ないくらい大きな音を立てて期待に震える。
そっと、蓮の手がキョーコの頬を捉えた。
「君だ…君が、欲しい…」
その言葉を耳にした瞬間、全ての音が止まった気がした。
ーーーあぁ、サンタさん…
聖なる夜のイルミネーションが街を彩る。
その夜空を駆けるサンタクロースを乗せたトナカイの明るい鈴の音がキョーコの耳にどこからか聞こえた。
ーーーそれはきっと…私の願い…。
「私も…貴方が欲しい。」
気付いたらそう答えて、そっと目を閉じていた。
静かな夜に重なる影。
もじゃもじゃの白い髭の中に笑顔を隠した赤い帽子の老人が、今の二人を見て「ふぉーふぉっふぉっ。」と満足そうに笑っているような気がしたのだった。
END
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ひかりさん、素敵イラストありがとうございましたぁ!!
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相変わらずの超駄文でひかりさんのイラストの引き立て役になれてるか疑問でいっぱいですが、精一杯書いたのでひかり様良かったらもらってやって下さいませー!!
この作品は、ひかりさんのイラスト付きなので、ひかりさんが許可した方のみ、お持ち帰り可のフリー作品といたします~♪
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聖なる夜の願い
『兄さん、何か欲しい物ある?』
明るく響く女の声とは裏腹に、低く唸るような声が責めるような色を含み問いかける。
『……何のつもりだ?』
その心臓に直接響くような声は、どんなものよりも甘美に聞こえた。
『ん?何って何?』
『その格好…』
『決まってるでしょ?サンタよ、サ・ン・タ。』
『それは…見ればわかる。』
馬鹿にしてるのか?とジト目を向ける兄を気にも止めず、クルリと回って見せた。
『似合うでしょ?ボスからのクリスマスプレゼントだって。』
『ボス…から…?』
『うん。ミューズとボスがね、昨日のパーティーの時、二人へクリスマスプレゼントって言ってくれたんだけど、渡された紙袋には私の分しか入ってなかったのよ。』
手違いかしら?と首を捻って考え込んでいると、兄からグッと腕を掴まれ引き寄せられる。
『きゃっ!!な、なに?!』
突然のことに驚いてセツ魂が抜けそうになったが、すんでのところで慌てて立て直す。
『いや…。クリスマスプレゼント…か…。』
抱きしめられてるためか、耳の後ろから囁く様な低い声が聞こえ、心臓が暴れ出したが、そんな顔をみせるわけにはいかないと必死で取り繕う。
『そうよ?ボスからの…ね?』
答えると、兄は珍しく微笑んだ。
滅多に笑わない兄の笑顔に心臓が跳ね上がる。
妖しさを含んだその笑みは毒でも含んでいるのか甘く感じてめまいがする。
『じゃあ、もらっていいんだな。』
『え…?…??プレゼントなんだから、いいんじゃないの??』
『そうか…じゃあ、遠慮なく。』
そう言ったカインがギュウッと抱きしめて、キョーコの肩に顔を埋めた。
『…え…?』
吐息が肩にかかったことで驚いたキョーコが声を漏らした瞬間、吸い付かれる感覚とチクリとした甘い痛みをその場所に感じた。
『ぁ…』
ちゅっというリップ音を残してカインが離れると、セツ魂が離れ真っ赤になったキョーコがそこにいたが、蓮は気付かぬフリをしてカインの口調で淡々と続けた。
『俺のものだって…ちゃんと印…つけとかないとな。』
そう言って肩についた跡を指で辿って、ニヤリとカインが笑う。
セツ魂が戻らず、暫くパクパクしているキョーコにカインは顔を近付けた。
『肩だけじゃ…セツには、物足りなかったか?』
『な?!そ、そんなわけないじゃない!!充分よ!!というか、印なんかなくても、アタシは兄さんのものなのに…わざわざ印つけるなんて…』
『ん?気に入らないか?結構上手くついたと思ったんだがな…。』
『き、消えたらどうするのよ!』
『その時は、またつけてやるから安心しろ。』
『~~もうっ!兄さんの馬鹿!』
『お前がそんな格好して出てくるのが悪い。』
そう言いながら何事もなかったかのようにベッドに戻り、腰掛けるカインに反撃するため、セツカはそんな兄に飛びつくようにしてベッドへ押し倒した。
人差し指にちゅっとキスを落して、ベッドに倒れた兄にその指を向けた。
まるで銃を向けるようなその仕草をカインは目を見開いて見つめる。
『ばぁん!!』
打つ真似をした指先を軽く弾ませ、驚く兄の表情に満足したセツカは、笑みを浮かべ映画のワンシーンの真似事をして、その銃口にフッと息を吹きかけた。
暫く見惚れて言葉も出ないまま、カインがセツカを見つめている。
瞬きもしなくなった兄に気付いたセツカが不思議そうに兄を見下ろした。
セツカが口を開きかけた時
「そうやって、君は俺を射止めるのか…。」
『…へ?』
突然発せられた日本語に、セツカが驚くと、次の瞬間何がどうなったのかわからないまま、ベッドに縫い付けられていた。
『…え?にい…さん?』
慌ててセツカになって立て直そうとするも、目の前の男は苦虫を噛み潰しているかのような顔をしたあと、そのままカインにならずに言葉を続けた。
「俺の身も心も、全て君に射止められた。俺は…どうしたらいい?」
「え…あ…の?え…?敦賀…さん?」
「もしサンタクロースが本当にいるのなら…どうしても欲しくて堪らないものが、一つだけ…ある。」
「………そ、れは…?」
キョーコの中で、聞いてはダメだと警報が鳴り響くが、口が勝手に動いていた。
心臓があり得ないくらい大きな音を立てて期待に震える。
そっと、蓮の手がキョーコの頬を捉えた。
「君だ…君が、欲しい…」
その言葉を耳にした瞬間、全ての音が止まった気がした。
ーーーあぁ、サンタさん…
聖なる夜のイルミネーションが街を彩る。
その夜空を駆けるサンタクロースを乗せたトナカイの明るい鈴の音がキョーコの耳にどこからか聞こえた。
ーーーそれはきっと…私の願い…。
「私も…貴方が欲しい。」
気付いたらそう答えて、そっと目を閉じていた。
静かな夜に重なる影。
もじゃもじゃの白い髭の中に笑顔を隠した赤い帽子の老人が、今の二人を見て「ふぉーふぉっふぉっ。」と満足そうに笑っているような気がしたのだった。
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