日付変わる前にUP予定だったのに、今日は急遽友人とディナーに行くことになり、UPの時間が大幅に遅れてしまいましたー!!
すみませんっ!!

さてさて、皆さんの中にはご存知の方もいらっしゃるかもしれませんが、蓮キョ☆メロキュン推進!「ラブコラボ研究所」

自由研究リレー!!!!
どうぞお楽しみ下さいませ♪



*****


CROSSING 1
~『俺は君に恋をした』~


「もうっ!馬鹿アニキ!!本当だって言ってるでしょー!!」

「こら奏江、いつも言ってるだろう…。女の子なんだからそんな言葉遣いはーー」

「もー!!うるさい!馬鹿アニキっ!!今はそんな話じゃないじゃない!!いいからもー、ほっといてよ!!」

敦賀家長女奏江。
この春、高校に入学したばかりの15歳だ。
ツヤツヤの黒髪美人なのに、口数も少なく愛想もない為、同性からも異性からも近寄り難いイメージが定着し、友達と呼べる間柄の人間は今までいなかった。

そんな奏江には四つ年上の兄がいる。
整った目鼻立ち。サラサラの黒髪に、深みのある切れ長の瞳。
その瞳に見つめただけで虜にさせてしまう程の色気を称えた奇跡のような美貌の男。
きっと日本中を探しても彼に叶う男はそうそういないだろう。
敦賀蓮。この辺の界隈で兄の名を知らぬ者などいない。

大学に通う兄は、昔から女の子にモテモテだ。
その美貌もさることながら、生まれながらのフェミニストも手伝って、蓮の人気はうなぎ登りで、ファンクラブまで出来ているそうだ。

今まで奏江に近づこうとする女の子は皆、蓮とどうにかお近付きになりたいが為に取り入ろうとするような子ばかりだった。
そういうこともあって、人嫌いな奏江は、素直に口に出すことは出来ないけど、実は兄のことが大好きなのだ。

トラブルに巻き込まれてめんどくさい事になりそうな時にはいつもさり気なく助けてくれる。
わからない勉強もその辺の家庭教師よりもわかりやすく丁寧に教えてくれる。

母と揉めた時も、父親に怒られた時だって、いつだって最後には素直にちゃんと謝る勇気をくれるのも兄だった。

十数年一緒に過ごして来た中で、兄の弱点など今まで見たことがない。
非の打ち所がない生まれながらの完璧な男…それが兄なのだ。

だから余計に、そんな優しい兄に近付こうと取り繕う女の子が大嫌いなのだ。

兄に初めて彼女が出来た時、最初は寂しかったけれど、それも最初だけだった。
彼女が出来ても兄の優しさはかわらず、いつだってどんな時だって、奏江の心強い一番の味方だ。

奏江はそんな兄に感謝こそすれ、素直に甘える事は性格上出来ずに、いつも知らずに憎まれ口を叩いてしまうのだ。

「こんな事で嘘つくわけないでしょ!!馬鹿アニキ!!」

「だって、友達が出来てたなんて今まで一言もそんな事言ってなかったじゃないか。どうして教えてくれなかったんだ?」

「もー、大袈裟なのよ。ただ友達が家に来るってだけじゃないの!!」

「中学まで友達なんていらないって一匹狼を貫いてた奏江にとうとう友達が出来るなんてこんなにめでたい日はないじゃないか!!今日はお祝いしないと…」

「あーもー!お祝いなんていいから!!ほら、明日提出の大学のレポートがあるんでしょ!!とっとと部屋に篭りなさいよ!!」

「奏江…そんなにお兄ちゃんが邪魔なのか?!妹の初めて出来た友達に挨拶ぐらいさせてくれないのか?!」

「挨拶なんてわざわざしなくていいから!!変に思われるでしょう?!」

ギャーギャーと声を荒らげるのは奏江一人。
兄は嬉しそうにニコニコと微笑んで、奏江を構うのだ。
妹を溺愛するあまり、蓮は何でもかんでも干渉してこようとする。

そんな兄に照れて過剰に反応してしまうのもいつものこと。
こんなにシスコンな兄なんて今時珍しい。

兄の蓮に構われれば構われるほど、奏江はツンデレ度をを極めている気がしてくる。

「ほーら!!レポート終わんないわよ!!」

「あー、わかったわかった。そんなに押すなよ。じゃあレポート終わらせればいいんだな。」

「そーよ!それまでは降りて来ちゃダメなんだからね!!」

課題で出されているレポートの話は昨日聞いていた。
鬼教師にとんでもない量のレポートを出すように言われてしまったのだ。

きっと教師は蓮の美貌と頭の良さに嫉妬しているのだろう。昨日の夜、嫌がらせとしか思えない量の宿題を見せられて、唖然としてしまったのを覚えてる。

はいはい。と苦笑しながら蓮が部屋に入ったのを見計らったかのように玄関のチャイムが鳴ったのだった。

「奏江~!!お友達が来たわよぉ!!」

「はーい!!今行く!!」

母からの呼びかけに、蓮の部屋の扉を閉めたまま、大声で返事を返して、奏江は急いで階段を駆け下りるのだった。



「わぁ!!凄一い!私、友達の家にお呼ばれするなんて初めてよ!!あ、そうだ!今日はね、私 モー子さんの為にクッキー焼いて来たんだ!!」

「ええ?!ちょっと私がダイエット中なの知ってるでしょう?!あんた私を太らせる気っ?!」

リビングに通されて、ひとしきりはしゃいだキョーコはいそいそとカバンの中からクッキーの詰まったタッパーを取り出した。

「ふふふ。そんなモー子さんの為にっ!!カロリーも控え目にしてみました!!」

嬉しそうに笑うキョーコに奏江はすかさずツッコミを入れる。

「ってあんた!!カロリー控え目でもこんなに量があったら意味ないでしょうが!!」

「えー?だってモー子さんのお家4人いるし、お兄さんがいるって聞いたからこれでも少ない方かな?って思ったんだけど…。」

「そんなに気を使わなくていいわよ…しかも、うちのアニキ、全くと言っていいほど食べ物に興味がないのよ。ご飯だって普通の男の半分食べたらいい方だし、食べなくても平気くらいの人だから…。」

「えぇ?!そうなの?ちゃんと栄養取らないと身体壊しちゃうよ?」

「本当に不思議なことに、今まで生きて来た中で、そのアニキが風邪や病気で寝込んだとこなんて一度も見たことないのよね…。」

「えぇ?!何それ!!嘘っ!!そんな人いるの?!本当に人の子なの?!」

「本当に不思議よねぇ~。あの人の身体の中の構造ってどうなってるのかしら?」

首を傾げる奏江と、驚きで目を見張るキョーコは、己の兄のことについて互いに話を挟みながらも楽しい時間を過ごすのだった。



「あーーーー!もー!!」

「ど、どうしたの?!モー子さんっ!!」

いきなりテーブルにガンっと額を打ち付けた奏江をみて、キョーコが驚きで目を見張る。

すると、奏江はギロリとキョーコを睨み付けた。

「あんたのせいよ!!」

「え?!な、何が?!」

「あんたがクッキーを無駄に美味しく焼いて来るからっ!!もう何時の間にかこんなに減ってるじゃない!!」

奏江がビシリと指を指した先には、キョーコがタッパーいっぱいに詰めて来たクッキーが半分ぐらいに減っていた。

「もー!!これはここでおしまい!!蓋閉めとくからね!!」

「う、うん…。」

自分の作って来たものなので、キョーコはほとんど手をつけていなかったが、奏江はキョーコに向かってそう宣言すると、タッパーの蓋を閉めて、自分の手の届かないところに追いやろうと立ち上がった。

それと同時にリビングの扉が開く。

「あれ?奏江?どこか行くのか?」

「あ、いや、これクッキーなんだけど食べる?」

入って来たのは爽やかな笑顔を浮かべた蓮で、そんな兄に驚きつつも、早く遠ざけたかったクッキーを押し付ける。

「あぁ、ありがとう。頂こうかな。…って、あれ?これもしかしてお友達が作って来てくれたの?」

「あ、うん。キョーコ、紹介するわ。私のアニ…じゃなくて、えっと…お兄ちゃんよ。」

「やぁ、はじめまして。奏江の兄の蓮です。」

紹介をされて、一歩前に進みでた蓮は、キョーコに向かってニッコリと微笑んで見せた。

「あ、はじめまして!!お邪魔しています。最上キョーコと申します。よろしくお願いします。」

紹介されたことでキョーコは慌てて立ち上がり、お手本のように綺麗なお辞儀を披露して、蓮ににっこりと微笑み返した。

その笑顔を見て、蓮の全身に衝撃が走った。

頭の中が真っ白になりキョーコの姿しかその瞳に映せなかった。

取り立てて美人という訳ではない。
しかし、その無邪気な笑顔を向けられた瞬間、ハートを一瞬にして奪われてしまったのだ。

澄んだ声が耳に心地よく、綺麗な大きな瞳に吸い込まれてしまいそうだ。

不思議そうに首を傾げて見上げて来るその仕草も、抱き締めて自分だけのものにしてしまいたいという衝動に駆られる。

「クラスメートなの。」

奏江の言葉にハッとして、蓮が弾かれたように我に返る。

「あの…?私の顔に、何か…?」

「あ、え…いや、ごめん。違うんだ…ちょっと…。ごほん。あー、奏江と仲良くしてくれてるんだってね。これからも仲良くしてやってね?」

「はいっ。」

苦し紛れに辛うじて発することが出来た蓮の言葉に、嬉しそうに頬を染め、可愛らしい笑顔を浮かべるキョーコ。
そのキョーコを見て、蓮は今まで感じたことのない未知の感情が込み上がってくるのを感じた。




ーーこの日、俺は初めて出逢ったばかりの君に恋をしたんだ…。




(マックちゃんさんに続く)


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ということで、始まりました!!
蓮キョ☆メロキュン推進!「ラブコラボ研究所」の自由研究リレー!!!!

風月の小説に横文字がきましたよぉ!!!!(←馬鹿丸出し)

いやぁ、連載の続きも、リクエストも、テーマお題も書かずに何始めてんだ!!ってお思いになる読者さんも中にはいるかもしれませんがっ!!

でもでも聞いてください!!風月と今回リレーして頂ける この素敵過ぎるメンバー!!

今回のメンバーは風月と、マックちゃんさん、月華さんの三人です!!

深夜に秘密の会議で何度もお呼びたてして打ち合わせしまくって、ようやく出来た一話目です!!

マックちゃんさん、月華さん、サブタイトルに合わせて最後の一文も変えてみました!!

いやぁ!これからどうなって行くのか♪

事前に内容を見てもらっていた二人には、今までにない蓮だと言っていただきました!!
カインともまた違う、蓮のシスコン♪
でもでも蓮がシスコンだったらきっとこんな感じだと思うのです☆

全てにおいて完璧な理想の兄そのもの!!

この完璧な兄である蓮がキョーコと出逢ったことで、どうなっていくのでしょうか?!

10話は確実に超えそうな気配がプンプンと漂っております!(笑)

のーんびり、まぁーったり楽しんで頂けたら嬉しいです♪


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