皆さーん!お久しぶりです!
風月ですっ!!
忘れられてないかな?ドキドキ。

そんなわけで、少し書いたお話を投下っ!
リクエストずっとお待たせしててすみません!
例の如くお楽しみリクエストなので、詳細は最後に発表しますね!

お楽しみ頂ければ幸いです♪



*****



愛を告げる日*前編《リクエスト》


「最上さん、20歳のお誕生日おめでとう。」
ふわりと微笑んだ蓮がキョーコにグラスを傾けるので、キョーコもハニカミながらグラスを合わせた。
「あ、ありがとうございます。」
カチンとガラスが重なる音と共に、照れ臭くてキョーコの頬が少しだけ赤く染まった。


「最上さん、来月の25日の夜はもう予定埋まってるのかな?」
「え?来月の25日ですか?…いえ、特には…何も…」
「そうか。じゃあ25日の夜はそのまま空けといて。一緒にお祝いしよう。その日は、勝手に人を呼ばないように…ね?」
今から丁度一ヶ月前、ラブミー部に現れた尊敬する先輩の言葉に、キョーコは期待に胸を高鳴らせながら、不安も感じていた。

敦賀さんが、わざわざクリスマスに私なんかの為に予定を空けようとしてくれている。

そのことが何だかくすぐったくて、申し訳なくて、でも、蓮をその時だけは独り占め出来るのかもとか、クリスマスなのに、他の人に誘われたりしないのかしら?とか、ぐるぐる考えていると、あっという間に一ヶ月が経ってしまった。

待ち合わせはラブミー部室。
ちょっとでも綺麗に可愛く見せたくて、少しだけオシャレをした。
軽くメイクして、髪もモー子さんにアイロンを借りて少しだけ伸ばしてみた。
現場で一緒になった人から少しだけコロンを貸してもらった。
いつもより幾分かマシになったとキョーコは思う。
世間では、今日はクリスマス。
でも、キョーコにとっては、年に一度の誕生日で、しかも今年は一生に一度の20歳の誕生日なのだ。
今日からは未成年とは呼ばれない。
保護者のサインも必要ない。大人の…仲間入り。

そんなことにくすぐったさを覚えながら、鏡の前での衣装チェックも念入りにする。
今年はクリスマスを父の元で過ごすことになったマリアの為に、グレイトフルパーティは前倒しで行われていた。
誕生日のグレイトフルパーティは元々マリアの為に開いたものなので、平気なはずなのだが、やっぱり少しだけ寂しさはあった。
モー子さんには電話でおめでとうと言われ、現場で会うスタッフ達にもお祝いされたが、その寂しさは消えなかった。

鏡の前で後ろを向いたり横を向いたりして、変なとこがないかチェックを繰り返しながら、キョーコは今の落ち着かない心を落ち着けようと躍起になっていた。

そんなキョーコの元に忍び笑いのようなものが聞こえた。
「クスクス。そんなに念入りにチェックしなくても、とっても可愛いよ。」
突然降ってきた低音ボイスにキョーコは慌てて振り返る。
そこには、ドアにもたれ掛かってキョーコを見つめる蓮の姿があった。

「はわっ!つ、敦賀さんっ!!い、いつからそこに?!」
「ごめんね?ノックしても返事がなかったから入ってしまったよ。」
微笑んで見せる蓮は、パリッと決めたカジュアル且つ上品な
スーツに身を包み、大きな薔薇の花束を抱えていた。
「はい。最上さん。お誕生日おめでとう。」
ふわっと香る薔薇の香りと共に、甘やかな声が降って来た。
キョーコの心がジーンと温まり震える。
キョーコの中に先ほどまであった寂しさはその胸が温まるのと共に消えていった。
「敦賀さん…ありがとう…ございますっ!!」
嬉し過ぎてハニカムと、蓮はそれを無表情で見返し、固まってしまった。
「敦賀さん?」
と、キョーコが不思議そうに顔を覗き込むと、蓮は慌てて顔を逸らし、その頬を片手で覆った。
「あぁ…うん。喜んでくれたなら…ごほっ。そ、その、良かったよ。」
ぶっきらぼうに言う蓮にキョーコは首を捻るしかなかった。

「じゃあ、行こうか…。」
蓮のエスコートでラブミー部を後にする。
蓮に連れられた先はオシャレな音楽と、洗練された店内のバーだった。
ブルーで統一されたその部屋は、まるで水族館のような雰囲気を味わえる。
壁一面には色取り取りの熱帯魚。
ブルーのテーブルはまるで海の中を思わせる。
個室に通され、キョーコは周りを落ち着きなくキョロキョロと見回し、目を輝かせる。
メルヘンの世界に早速飛び込んでしまったキョーコに苦笑しながら、蓮はホッとしていた。

どうやらお気に召してくれたようだ。
店内も雰囲気のある照明でカウンター以外はテーブル席と奥の個室がある。
蓮が予約していた通り個室に案内され、2人並んで席に着く。向かい合って座れるようになっているが、つながったソファ席は、滑らかなカーブを描いていた。
ウエイターが持って来たメニューを開き2人で覗き込む。

「うーん。迷いますねぇ。」
「折角20歳になったんだし、アルコール飲んでみたら?」
「うーん。どう言うのがオススメですか?」
「そうだなぁ。女の子だったらカクテル系が飲みやすいんじゃないかな?ファジーネーブルとか人気があるみたいだよ?」
「じゃあ、それにします!」
「いいの?じゃあ他に気になるのがあったら次に頼もうか。」
「はい!」
蓮の提案に、キョーコは嬉しそうに返事をするのだった。

「じゃあ、乾杯しよう。」
テーブルに運ばれたグラスを手に、蓮はキョーコに微笑みかける。
「最上さん、20歳の誕生日おめでとう。」
「あ、ありがとうございます。」
カチンとグラスの音を奏でると、キョーコの頬が少しだけ赤く染まった。
蓮とキョーコは運ばれてくる料理を堪能しつつ、会話を楽しんでいた。

時折泳ぐ魚やお店の雰囲気についても意見を交わす。
キョーコの初めての酒の相手が自分だと言うことに、蓮はご機嫌でいたためキョーコが酔い始めていることに気付くのが遅れてしまった。

気付いた時にはもう、取り返しがつかないほど酔っ払ったキョーコがいたのだった。

ーーーカクテル二杯とちょっとでこれって…。

蓮は固まっていた。
繋がったソファ。少しずつキョーコとの距離が近づいてるような気がしていた。
にへらとキューティハニースマイルを炸裂しまくったキョーコが、蓮に擦り寄り、蓮の理性を試すかの如くさっきから普段の彼女なら言わないような催促をしているのだ。

「敦賀しゃーん!キス…してくだしゃーい。」

ーーーこれで6回目。

理性の箍がグラグラと揺れる。

とろんと溶けた目が蓮に向けられて蓮は困惑していた。

シラフのキョーコから言われたのであれば、一も二もなく速攻でその可愛らしい唇を味わっているだろう。

酔ってしまった女性をどうこうというのは、“敦賀蓮”のプライドに反する。

その上、その相手が蓮がずっと何年も想い続けている少女であるからそんなに軽々とキスできるような相手ではないのだ。

一度キスしてしまえば最後…。きっと取り返しのつかないことになる。そして、正気に戻った彼女が泣いて嫌がったとしても、きっともう離してやることなど出来ないだろう。

「最上さん…君、酔っ払ってるね?」

「んーん?酔ってないでしゅよ?」

危なっかしく頭を振りながら、力を失いつつある身体は、蓮にもたれ掛かって、蓮の腕に抱き着いた。

ーーーあ、当たってる!!当たってるから!!最上さんっ!!

「ちゅるがさん…ちゅう~!」

それでも構わずにキューティハニースマイルで満足そうに抱き着き蓮にキスを求めてきた彼女に、蓮は理性がぐわんぐわんと揺れてしまい一瞬だけ箍が外れてしまった。ゆっくりとキョーコに顔を近付ける。

そこへ、きゃははははという他の席からの笑い声が聴こえ、蓮は我に返った。

さっきまで上機嫌だったキョーコだが、蓮がキスを寸止めしたことで一気に不満顔になってしまった。

大きな蓮の手に、キョーコの細い指が絡みつく。

「やっぱり…私が地味で色気のない女だかりゃ…」

「最上さん…そういうことはないよ…。」

愛しい少女に手を握られて心臓が壊れそうなくらいバクバクしてるというのに、それも知らない少女は完全にいじけて蓮の手を握ったりなぞったりと一人遊びをしながらブツブツと呟く。

「やっと敦賀しゃんと同じ大人になれたのに、やっぱり敦賀しゃんは子供あちゅかいなんでしゅね。」

「こらこら、言ってるそばから子供みたいな口調になってるよ?」

愛しい少女のそんな姿が堪らなく可愛すぎて、理性を押さえ込んでも、嬉しい顔は抑え込めなくなったのか、頬が緩んでいるのがわかる。

「子供扱いなんて、してるつもりないんだけど?」

「むぅー。嘘ですぅ。だったらなんでキスしてくれないんでしゅか~!!!!」

「本当に…していいの?」

グズグズと不満を漏らすキョーコをそっと自身の膝の上に持ち上げると、キョーコはその腕を首に回して抱き着いてきた。
甘えるようなその姿が可愛らしくて愛おしい。

真剣な表情でそう問えば、キョーコはうぅっと言葉に詰まった。

「本当にしていいなら、最上さんからしてくれないかな?」

うぐ…。

キョーコが少し逃げ腰になった。

「じゃ、じゃあいいでしゅ…敦賀しゃんには…頼みましぇん!」

そう言って、キョーコはぷいっと視線を逸らせた。

そのことに、安堵の息を吐きかけた蓮だったが、そこに一人の男がやってきた。

「失礼致します。ラストオーダーのお時間となりますが、ご注文はございますか?」

「あ…そうだな…最上さん何かいる?」

「キスしてくだしゃい!!」

蓮がキョーコに尋ねると、蓮の膝の上にいたキョーコが膝から降り、その店員に向かって爆弾を投下した。

「…え?」

一瞬何を言われたのか分からず固まった店員だったが、直ぐに室温が氷点下まで下がってしまったことを感じ取った。

頭に疑問符を浮かべて視線をそろりと動かし原因を探せば、薄ら寒い笑顔を浮かべた蓮がいた。
蓮は瞬時にその店員に近寄ろうとするキョーコを後ろから引き寄せると、またポスンと膝の上におさめた。

「むぅ!なんで邪魔しゅるんですかっ!!」

「君、注文はいいから出ていってくれるかな?」

笑顔を浮かべているはずなのに、声が凍りつくほど冷たく、有無を言わせぬ迫力があり、店員は涙目になってそこから姿を消した。

それを見送って蓮は大きく溜息を吐き出すと、キョーコの肩に顔を埋めた。

「最上さん…。君って子は…。」

「だって、敦賀しゃんがしてくれないかりゃ…。」

蓮はキョーコを最後に一度ギュウッと抱き締めて、身体を起こした。

「帰ろうか…。」

蓮はキョーコをエスコートして店から出ようとしたのだが、キョーコは俯いて動く気配がない。
機嫌を損ねてしまった少女をやれやれと抱き上げて、蓮は出口へと向かったのだった。


ーーーこれは、だるま屋には帰せないな。

完全にいじけてしまった少女は
、手当り次第に男性を見つけてはキスをしてくれとせがむのだ。

ーーーまさか最上さんがキス魔だったなんて…!!これから心配で飲み会なんていかせられないぞ?!気付いたのが俺じゃなかったら確実に襲われてるぞ。本当にこの子は…。

内心で溜息を吐きながら途中でタクシーを拾って、蓮のマンションへと向かう。

無言になってしまったキョーコは、蓮の首に巻きついたまま、いじけていた。

蓮はそんなキョーコを抱き締めて、あやすように背中をポンポンと叩いていたのだった。

「着きましたよお客さん、1570円です。」

蓮はすっと財布から一万円札を取り出すと、タクシーの運転手へと渡した。

「釣りはいいから。」

その言葉に、今日のことは黙っておくようにということも含めて言えばタクシーの運転手も心得たとばかりに、手をヒラヒラと振った。

首に巻きついて離れないキョーコを抱えたまま、蓮は自身のマンションのエントランスへと足を踏み入れたのだった。


(続く)



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この度、風月も無事に誕生日を迎えることが出来ました。

ピグやメッセージでお誕生日のお祝いの言葉を頂いてとってもくすぐったく感じてます。
皆様ありがとうございます。

リクエストで誕生日ネタだったので、自分の誕生日にUPしてみるっていうなんとも無謀な試み。

最初リクエストをもらった時はそんなつもりなかったんですけどねー(笑)

二日前あたりにせっかく誕生日だから、誕生日リクエストここで答えたらいいんじゃない?!とかうっかり思ってしまい、図々しくもUPしてしまいましたよ(笑)


誕生日に他にすることないのかよって感じですね(笑)

ピグの写真も大概溜まってるからどうにかしなきゃですね!
ピグのお部屋は不思議な感じを出したくてギフトで頂いたものを宙に浮かせてましたが、差し入れがどこにあるのかわけわからず、一気に片付けて差し入れの数を把握し、ついでに模様替えしてしまいましたー(笑)

すっきりしたはずっ!!でも、もらったギフトをどこかに並べたいなぁと思ってるからまたごちゃごちゃしてきそうですね(笑)


まだまだがっつりは戻ってこれませんが、また来ますね♪


そしてお休み宣言したあとからアメンバー申請が立て続けに来てびっくり!!
ええ?!いいの?!お休み宣言してるのにいいの?!と、思いながら承認しております。
いつもよりアメーバに来れる時間が減ってしまったので、承認もメッセも遅れるかもしれませんが、それでもお付き合いいただける方はよろしくお願いしますね。

因みにこちらもリクエストなのでフリー作品です。気に入った方がもしいればお持ち帰りくださいませ♪

では、またお会いしましょう♪

続きは…いつになるかな?!(笑)

ミニマム!も宙ぶらりんなので更新近々すると思います(笑)