いつも俺の腕の中で 12
連日 目にするのは京子のCMに、京子出演のドラマ、バラエティに雑誌の特集。
あのキョーコのショーモデルデビューから三ヶ月あまり。
業界内でも有名になりつつある京子の話題は尽きることがない。
蓮は何処のテレビ局でもタレント兼女優である同じ事務所の後輩京子の噂話を聞くようになっていた。
はぁぁぁぁー。
堪らずに、楽屋で大きな溜息を漏らす蓮を社は眉根を寄せて見つめる。
「おい、蓮。気持ちはわかるけど、しょうがないだろ?キョーコちゃんもどんどん人気が出て来て中々時間が作れないんだからさ。」
「わかっては…いるんですけどね…。もう三ヶ月も会ってなくて…そろそろ限界なんです。」
実際に全くあっていないのかと言われればそうではない。
廊下ですれ違ったりすることもあったが、会えた時に限ってゆっくり挨拶も出来ないほど互いに時間が押してる時だったりするのだ。
キョーコ補充の為に渡した雑誌を蓮は握りしめ、キョーコの笑顔の写真を見つめる。
「キョーコ…」
指ですいっと輪郭をなぞるが、感触はザラザラとした紙のもの。
あの肌に触れたい…あの身体を抱きしめたい…。あの心地の良い声を生で聞きたい…。あの笑顔を独り占めにしたい…。
「ったく、そんなになるくらいなら、レッスンって言わずさっさとものにしてしまったら良かったのに…お前も相当不器用だよな。」
溜息混じりに愚痴を零す社に、蓮はグッと自身の苦しい胸の内を抑え込むように、瞳を閉じたのだった。
「ええぇ?!それ!本当ですか?!?!」
椹に呼び出され告げられた話に、キョーコは驚きで目を見開いた。
「あぁ!本当だっ!おめでとう!初主演だなっ!!」
「やだ!!どうしよう!!夢見たいです!!!!」
「受けてくれるな?」
「は、はい!!喜んで!!」
「本当に、俺も鼻が高いよ。最近は京子をイメージモデルにしたいと言って来る企業もどんどん出て来てるからなっ!もう君は蓮に継ぐLMEの看板タレントだなっ!」
「そ、そんなっ!大袈裟ですよ!!敦賀さんと比べたら私なんてまだまだ…」
「いやいや、本当によくやってくれてるよ。そう言う意味でも今回のドラマ本当に楽しみだ。」
「え?そう言う意味でも…って何ですか?」
「あれ?まだ言ってなかったか?そのドラマのもう一人の主役は、蓮なんだよ。」
「え?ええええ?!つ、敦賀さんが相手役なんですか?!」
「ああ!そうだ!」
ニコニコと嬉しそうに椹が頷く。
キョーコは主演と言うだけでも夢みたいに嬉しくて舞い上がってしまいそうだったのに、蓮との共演と聞いて、ドキドキとなる心臓を抑えられなかった。
ーーー敦賀さんと…共演っ!しかも、相手役っ!!来たんだわ…とうとう…とうとうこの日が…。
キョーコは胸がいっぱいになった。
ずっと蓮を目標に頑張って来たのだ。いつか、蓮の隣に立って演技しても恥ない自分になりたいと、ずっとずっと走り続けて来たのだ。
ダークムーン以来の共演になることに嬉しさを隠せない。
「敦賀さんと…演技が出来る…。」
ポツリと言葉に出すとワクワクすることが抑えられなかった。
自分の世界に一人入り込んで百面相をするキョーコに椹が呼びかけても戻って来ることはなく、取り敢えず百面相を続けるキョーコの手に、ドラマの詳細と仮の台本を握らせた。
「顔合わせは一週間後だから。スケジュールあとで送っておくぞ。」
聞いていないであろうキョーコに念のため呼びかけてから、椹は仕事に戻るのだった。
《ピコ様へ続く!!》
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*****
ピコ様、続きお願いします!!
本当は短めになってしまいましたが、後はお任せします~☆
次回回ってくる時にまた戻ってこれてたらいいのですが…(笑)
とりあえずこれからは本当に気まぐれ更新に変わります。
週一更新あればいい方かも??いやもしかしたら月一あればいい方では??ぐらいな目で見ていて下さ~い!!
また余裕出て来たらがっつり戻って来ますので…
今までありがとうございました!!
またいつかお会いしましょう!!
風月。
連日 目にするのは京子のCMに、京子出演のドラマ、バラエティに雑誌の特集。
あのキョーコのショーモデルデビューから三ヶ月あまり。
業界内でも有名になりつつある京子の話題は尽きることがない。
蓮は何処のテレビ局でもタレント兼女優である同じ事務所の後輩京子の噂話を聞くようになっていた。
はぁぁぁぁー。
堪らずに、楽屋で大きな溜息を漏らす蓮を社は眉根を寄せて見つめる。
「おい、蓮。気持ちはわかるけど、しょうがないだろ?キョーコちゃんもどんどん人気が出て来て中々時間が作れないんだからさ。」
「わかっては…いるんですけどね…。もう三ヶ月も会ってなくて…そろそろ限界なんです。」
実際に全くあっていないのかと言われればそうではない。
廊下ですれ違ったりすることもあったが、会えた時に限ってゆっくり挨拶も出来ないほど互いに時間が押してる時だったりするのだ。
キョーコ補充の為に渡した雑誌を蓮は握りしめ、キョーコの笑顔の写真を見つめる。
「キョーコ…」
指ですいっと輪郭をなぞるが、感触はザラザラとした紙のもの。
あの肌に触れたい…あの身体を抱きしめたい…。あの心地の良い声を生で聞きたい…。あの笑顔を独り占めにしたい…。
「ったく、そんなになるくらいなら、レッスンって言わずさっさとものにしてしまったら良かったのに…お前も相当不器用だよな。」
溜息混じりに愚痴を零す社に、蓮はグッと自身の苦しい胸の内を抑え込むように、瞳を閉じたのだった。
「ええぇ?!それ!本当ですか?!?!」
椹に呼び出され告げられた話に、キョーコは驚きで目を見開いた。
「あぁ!本当だっ!おめでとう!初主演だなっ!!」
「やだ!!どうしよう!!夢見たいです!!!!」
「受けてくれるな?」
「は、はい!!喜んで!!」
「本当に、俺も鼻が高いよ。最近は京子をイメージモデルにしたいと言って来る企業もどんどん出て来てるからなっ!もう君は蓮に継ぐLMEの看板タレントだなっ!」
「そ、そんなっ!大袈裟ですよ!!敦賀さんと比べたら私なんてまだまだ…」
「いやいや、本当によくやってくれてるよ。そう言う意味でも今回のドラマ本当に楽しみだ。」
「え?そう言う意味でも…って何ですか?」
「あれ?まだ言ってなかったか?そのドラマのもう一人の主役は、蓮なんだよ。」
「え?ええええ?!つ、敦賀さんが相手役なんですか?!」
「ああ!そうだ!」
ニコニコと嬉しそうに椹が頷く。
キョーコは主演と言うだけでも夢みたいに嬉しくて舞い上がってしまいそうだったのに、蓮との共演と聞いて、ドキドキとなる心臓を抑えられなかった。
ーーー敦賀さんと…共演っ!しかも、相手役っ!!来たんだわ…とうとう…とうとうこの日が…。
キョーコは胸がいっぱいになった。
ずっと蓮を目標に頑張って来たのだ。いつか、蓮の隣に立って演技しても恥ない自分になりたいと、ずっとずっと走り続けて来たのだ。
ダークムーン以来の共演になることに嬉しさを隠せない。
「敦賀さんと…演技が出来る…。」
ポツリと言葉に出すとワクワクすることが抑えられなかった。
自分の世界に一人入り込んで百面相をするキョーコに椹が呼びかけても戻って来ることはなく、取り敢えず百面相を続けるキョーコの手に、ドラマの詳細と仮の台本を握らせた。
「顔合わせは一週間後だから。スケジュールあとで送っておくぞ。」
聞いていないであろうキョーコに念のため呼びかけてから、椹は仕事に戻るのだった。
《ピコ様へ続く!!》
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ピコ様、続きお願いします!!
本当は短めになってしまいましたが、後はお任せします~☆
次回回ってくる時にまた戻ってこれてたらいいのですが…(笑)
とりあえずこれからは本当に気まぐれ更新に変わります。
週一更新あればいい方かも??いやもしかしたら月一あればいい方では??ぐらいな目で見ていて下さ~い!!
また余裕出て来たらがっつり戻って来ますので…
今までありがとうございました!!
またいつかお会いしましょう!!
風月。