蓮キョ☆メロキュン推進!「ラブコラボ研究所」
お題テーマ!「桜」第八弾!!
どうぞお楽しみくださいませ♪
*****
桜の舞う中で
「んーっ!いいお天気っ!!」
清々しい春の陽気。
こんな日は心が浮き足立つ。
青空に向かって大きく背伸びをして、新鮮な空気を吸い込むと、ふわっと鼻を擽る花の香り。
「ふふ。なんだかいい事がありそう。」
そう笑みを零して歩き始めた所で、車のクラクションに呼び止められた。
「お嬢さん、お出掛けですか?」
振り向いたキョーコに、ふわりと笑いかけたのは、同じ事務所に所属する尊敬してやまない大先輩。
「つ、敦賀さんっ!!おはようございます!!」
「やぁ、おはよう。今から仕事?」
「いえ、今日はオフなので、少しお出掛けしようかと。」
「そうなんだ。じゃあちょっとだけ付き合って?」
「え?どうされたんですか?」
「うん。俺も今朝急遽夕方までオフになってね。少し桜が見たくなったんだ。」
「桜、いいですね!!今満開ですもんね!実は私も桜を見に行こうとしてたんです!!御一緒させて頂いて宜しいんですか?」
「うん。勿論だよ。乗って。」
「はい!ありがとうございます。よろしくお願いします!!」
願ってもない蓮からの申し出に、キョーコは喜んで助手席に収まった。
敦賀蓮と2人っきりでお花見。
考えてみればこれほど贅沢なものはないだろう。
キョーコは車に乗り込んでからそのことに思い当たって恐縮してしまった。
「す、すみません。私なんかがお供しちゃって。」
「そんなことないよ。君とお花見出来るなんて嬉しいよ。」
蓮はふんわりと笑った後に、少し厳しめな声を出した。
「だけど、私なんかっていう言葉は頂けないな。君は、芸能人なんだから、もっと自分に自信を持たないとダメだろう。」
「そ、そんな!!自信なんて…そりゃ、持ちたいですけど、私なんてまだまだ新人ですし…。」
「そうやって謙虚な所も美点の一つかもしれないけどね。謙虚過ぎるのもどうかと思うよ?俺も最上さんを独り占め出来るなんて今日は凄くラッキーだ。」
「またそんなことを…。でも、そんな風に言って頂けると嬉しいです。」
えへへ。と照れ臭そうに微笑むキョーコを横目で見て、蓮も笑みを深める。
しばらくドライブを楽しんで少しだけ山道に入ると、蓮は車を止めた。
「着いたよ。行こうか。」
蓮に促されて、車から降りると、緑豊かな場所に少しだけ小川が流れていた。
2人で近付くとその小川の側に大きな桜が見事な花を咲かせていた。
「うわぁ!!凄い!!」
キョーコが目を輝かせて見ると、蓮も嬉しそうに微笑んだ。
「綺麗だろ?実はここ、昨年撮影で使ったんだ。今年も見事に咲いたな。」
「そうなんですね!わぁ!本当に綺麗!!凄い!穴場ですね!!」
見事な桜に大興奮のキョーコは頬を紅潮させて喜ぶ。
「あ!敦賀さん!私、レジャーシート持ってきてたんです!!広げましょう!!」
「…準備、いいね。」
蓮はクスクスと笑った。
シートを広げて小川の音を聞きながら桜を眺める。
キョーコはゴソゴソとカバンを漁ると、中から大きめのお弁当箱を取り出した。
「あの、サンドイッチ多めに作りすぎちゃって、良かったら一緒に食べませんか?」
蓮はそんなキョーコに目を見開く。
「え?一人で花見するのにお弁当作ってきたの?」
「いえ、実は、今日はモー子さんとお花見に行く予定だったんですけど、急遽仕事が入ったみたいで…」
残念そうに言うキョーコには申し訳ないが、蓮の中では嬉しさがこみ上げた。
「本当にラッキーだな。君とこうしてお花見出来るだけじゃなくて、君の手料理までご馳走になれるなんて。」
嬉しそうに微笑む蓮にキョーコはこっそり頬を染める。
ドキドキとなる心臓を隠して、蓮に笑顔を向けた。
「そう言ってもらえると本当に作って良かったです。」
「琴南さんには申し訳ないけど、俺は今日ついてるな。」
「ふふ。私もです。まさか敦賀さんと一緒にお花見出来るなんて。あ、どうぞ。」
そう言いながら、キョーコはサンドイッチの入ったお弁当の蓋を開ける。
一口大に切られたおかずと、サンドイッチに蓮もにっこりと微笑む。
「美味しそうだね。頂きます。」
「はい。召し上がれ。」
2人はいつもと違う場所でこうして2人っきりで食事を共にすることに胸をときめかせていた。
互いへの想いを上手く誤魔化して、2人は同じ時間を過ごせる幸せをサンドイッチと共に噛み締める。
「お腹いっぱいだ。ご馳走様、最上さん。凄く美味しかったよ。」
「ふふ。そう言っていただけると、良かっ…きゃあ!!!!」
キョーコが言いかけたところで、いきなり悲鳴が上がった。
そして蓮は驚く暇もなく、キョーコに抱き付かれていた。
柔らかい温もりに包まれる。
一瞬何が起こったのか分からず頭がフリーズしてしまう蓮。
確かにキョーコが自分から、自分の胸に飛び込んできたのだ。
しかし、どうしたことだろう。
蓮に抱き着きながら小さく震えているのだ。
「も、がみさん…ど、どうしたの?」
何とか平静を装った蓮がキョーコの頭を守るように抱き締めながら聞くと、キョーコはビクビクとしながら言った。
「む、虫っ!虫がっ!!」
「え?虫?」
そう言って蓮が周りを見ると、大きな蜂がブーンという羽音を鳴らしながら旋回していた。
「最上さん、大丈夫だよ。ただの蜂だ。」
そう良いながらも、強く抱き付いてくるキョーコを離したくないと思う。
よしよしと宥めながら、キョーコを胡座をかいた上に座らせると、安心出来るように抱き締めた。
キョーコもキョーコで、思わず抱き着いてしまって離れなきゃと思ったものの、蓮の鼓動と温もりをもう少しだけ感じていたくて、自分から手放すことが出来ず、ちょっとだけ抱きつく腕に力を込めてしまった。
そうしたら胡座の上に抱え上げられ、更には抱き締められて、キョーコは蜂が耳の横を掠めた時よりも胸をドキドキとさせながらも、蓮の温もりに安心感を覚えるのだった。
「あ、の…私、本当に虫はダメで…。特に耳元で音を立てて飛ばれると本当に恐ろしくて…。」
「うん。わかるよ。」
蓮の手が優しくキョーコの頭を撫でる。キョーコはドキドキとしながらも、もう少しだけこの時を…と願うのだった。
「耳に、残っちゃって気持ち悪くて…」
キョーコがそう言うと、蓮の手が優しくキョーコの耳に触れた。するりと耳ダブを弄ばれ、キョーコの身体がぞくりとする。
「んっ。」
キョーコから思わず艶のある声が漏れたことで、蓮の目の色が変わってしまったのだが、キョーコはそれに気付かない。
「どっちの耳が気持ち悪いの?」
「あっ。んっ。右…耳がっ…。」
「そう…じゃあ、おまじないかけてあげるよ。」
そう言った蓮の顔が不意に耳元に近付く。
「愛してるよ…。キョーコ。」
キョーコの耳に息がかかるほどの距離で、色気たっぷりの低音ボイスで囁かれ、キョーコは反応出来なかった。敦賀セラピーにより思考が止まり掛けていたことも原因だろう。
その言葉を理解する前に、耳に、ぬめっとした感触がキョーコを襲った。
「ああっ!」
予想外の蓮の行動にキョーコから今まで出したことがないような艶のある声が聞こえた。
「んっ。はっ、つる…がさんっ!」
蓮に耳を弄ばれてることに気付いたキョーコはゾクゾクとしてしまう身体からなんとか言葉を紡ぎ出す。
「んんっ。そ、んな…とこ…汚…っ!」
味わうように舌を動かす蓮から逃れようとするのだが、それも無駄な抵抗となってしまった。
キョーコからも艶っぽいため息が出る。
桜がフワフワと蓮とキョーコの周りを舞うと、桜に見られているようでキョーコの身体もますます朱に染まって行った。
「やっ。敦賀…さんっ!恥ずかしい…っ。」
「誰も…見てないよ?」
「んっ。でも…桜がっ。」
「うん。桜には見られてるかもね?」
そう言って、蓮がキョーコの耳から離れると、キョーコはまだバクバクなっている心臓を抑えながら、甘い溜息をついた。
「な…んで…こんな…」
キョーコが何でこんなことを?と言い掛けた所に、蓮から激しいキスをされて、キョーコの時が止まる。
「ふうっ…うんっ。」
紅潮した頬、焦点の定まらない潤んだ瞳に咎められてもますます蓮は煽られるばかりだ。
口付けた唇は甘く痺れて全身を駆け巡る。
キョーコの手がどうしていいのか分からずに、蓮の服を遠慮気味に引っ張る。
蓮はキスをしながらも、そのキョーコの手を取ると、指を絡めさせ、キョーコの手のひらを指で擦る。
抵抗を見せないキョーコの手に機嫌を良くした蓮は、キョーコの腕を首の後ろに回させる。
すると、キョーコは蓮の首に縋るようにぎゅうっと抱き着いてきた。
2人のキスが益々深まる。何時の間にか、レジャーシートの上でキョーコに覆いかぶさるようになっていた蓮は、ゆっくりとキョーコから唇を離すと、その口を頬や首筋に寄せていった。
キョーコの腕が蓮を求めるように首を抱きしめる。
キョーコの首筋に何度か吸い付いて小さな痕を残して行く。
そのうち、キョーコの手が蓮の髪の中に差し込まれると、蓮は許されたような気分になってくる。
「このまま…君を愛していたい」
蓮がキョーコの耳元に囁くと、キョーコの迷うような怯えの様なものも混じった潤んだ瞳とぶつかる。
安心させるように瞼にキスを落として…
その後の2人がどうなったのかは、桜のみが知っている。
まるで祝福するように舞い散る桜に、周りの世界から隔離されたような錯覚を2人に落として。
数ヶ月後、2人の熱愛報道が世間を揺るがすことになるのだが、この日のことは、2人と桜だけの秘密だ。
桜の祝福のシャワーを浴びた2人は世界中の誰よりも幸せを手にすることが出来たのだった。
END
*****
お題テーマ「桜」
今回は研究員さんの見たいと言っていたシーンも盛り込んでみました♪
どうでしょう?ドキドキ。
お楽しみ頂けてたら幸いです♪
お題テーマ!「桜」第八弾!!
どうぞお楽しみくださいませ♪
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桜の舞う中で
「んーっ!いいお天気っ!!」
清々しい春の陽気。
こんな日は心が浮き足立つ。
青空に向かって大きく背伸びをして、新鮮な空気を吸い込むと、ふわっと鼻を擽る花の香り。
「ふふ。なんだかいい事がありそう。」
そう笑みを零して歩き始めた所で、車のクラクションに呼び止められた。
「お嬢さん、お出掛けですか?」
振り向いたキョーコに、ふわりと笑いかけたのは、同じ事務所に所属する尊敬してやまない大先輩。
「つ、敦賀さんっ!!おはようございます!!」
「やぁ、おはよう。今から仕事?」
「いえ、今日はオフなので、少しお出掛けしようかと。」
「そうなんだ。じゃあちょっとだけ付き合って?」
「え?どうされたんですか?」
「うん。俺も今朝急遽夕方までオフになってね。少し桜が見たくなったんだ。」
「桜、いいですね!!今満開ですもんね!実は私も桜を見に行こうとしてたんです!!御一緒させて頂いて宜しいんですか?」
「うん。勿論だよ。乗って。」
「はい!ありがとうございます。よろしくお願いします!!」
願ってもない蓮からの申し出に、キョーコは喜んで助手席に収まった。
敦賀蓮と2人っきりでお花見。
考えてみればこれほど贅沢なものはないだろう。
キョーコは車に乗り込んでからそのことに思い当たって恐縮してしまった。
「す、すみません。私なんかがお供しちゃって。」
「そんなことないよ。君とお花見出来るなんて嬉しいよ。」
蓮はふんわりと笑った後に、少し厳しめな声を出した。
「だけど、私なんかっていう言葉は頂けないな。君は、芸能人なんだから、もっと自分に自信を持たないとダメだろう。」
「そ、そんな!!自信なんて…そりゃ、持ちたいですけど、私なんてまだまだ新人ですし…。」
「そうやって謙虚な所も美点の一つかもしれないけどね。謙虚過ぎるのもどうかと思うよ?俺も最上さんを独り占め出来るなんて今日は凄くラッキーだ。」
「またそんなことを…。でも、そんな風に言って頂けると嬉しいです。」
えへへ。と照れ臭そうに微笑むキョーコを横目で見て、蓮も笑みを深める。
しばらくドライブを楽しんで少しだけ山道に入ると、蓮は車を止めた。
「着いたよ。行こうか。」
蓮に促されて、車から降りると、緑豊かな場所に少しだけ小川が流れていた。
2人で近付くとその小川の側に大きな桜が見事な花を咲かせていた。
「うわぁ!!凄い!!」
キョーコが目を輝かせて見ると、蓮も嬉しそうに微笑んだ。
「綺麗だろ?実はここ、昨年撮影で使ったんだ。今年も見事に咲いたな。」
「そうなんですね!わぁ!本当に綺麗!!凄い!穴場ですね!!」
見事な桜に大興奮のキョーコは頬を紅潮させて喜ぶ。
「あ!敦賀さん!私、レジャーシート持ってきてたんです!!広げましょう!!」
「…準備、いいね。」
蓮はクスクスと笑った。
シートを広げて小川の音を聞きながら桜を眺める。
キョーコはゴソゴソとカバンを漁ると、中から大きめのお弁当箱を取り出した。
「あの、サンドイッチ多めに作りすぎちゃって、良かったら一緒に食べませんか?」
蓮はそんなキョーコに目を見開く。
「え?一人で花見するのにお弁当作ってきたの?」
「いえ、実は、今日はモー子さんとお花見に行く予定だったんですけど、急遽仕事が入ったみたいで…」
残念そうに言うキョーコには申し訳ないが、蓮の中では嬉しさがこみ上げた。
「本当にラッキーだな。君とこうしてお花見出来るだけじゃなくて、君の手料理までご馳走になれるなんて。」
嬉しそうに微笑む蓮にキョーコはこっそり頬を染める。
ドキドキとなる心臓を隠して、蓮に笑顔を向けた。
「そう言ってもらえると本当に作って良かったです。」
「琴南さんには申し訳ないけど、俺は今日ついてるな。」
「ふふ。私もです。まさか敦賀さんと一緒にお花見出来るなんて。あ、どうぞ。」
そう言いながら、キョーコはサンドイッチの入ったお弁当の蓋を開ける。
一口大に切られたおかずと、サンドイッチに蓮もにっこりと微笑む。
「美味しそうだね。頂きます。」
「はい。召し上がれ。」
2人はいつもと違う場所でこうして2人っきりで食事を共にすることに胸をときめかせていた。
互いへの想いを上手く誤魔化して、2人は同じ時間を過ごせる幸せをサンドイッチと共に噛み締める。
「お腹いっぱいだ。ご馳走様、最上さん。凄く美味しかったよ。」
「ふふ。そう言っていただけると、良かっ…きゃあ!!!!」
キョーコが言いかけたところで、いきなり悲鳴が上がった。
そして蓮は驚く暇もなく、キョーコに抱き付かれていた。
柔らかい温もりに包まれる。
一瞬何が起こったのか分からず頭がフリーズしてしまう蓮。
確かにキョーコが自分から、自分の胸に飛び込んできたのだ。
しかし、どうしたことだろう。
蓮に抱き着きながら小さく震えているのだ。
「も、がみさん…ど、どうしたの?」
何とか平静を装った蓮がキョーコの頭を守るように抱き締めながら聞くと、キョーコはビクビクとしながら言った。
「む、虫っ!虫がっ!!」
「え?虫?」
そう言って蓮が周りを見ると、大きな蜂がブーンという羽音を鳴らしながら旋回していた。
「最上さん、大丈夫だよ。ただの蜂だ。」
そう良いながらも、強く抱き付いてくるキョーコを離したくないと思う。
よしよしと宥めながら、キョーコを胡座をかいた上に座らせると、安心出来るように抱き締めた。
キョーコもキョーコで、思わず抱き着いてしまって離れなきゃと思ったものの、蓮の鼓動と温もりをもう少しだけ感じていたくて、自分から手放すことが出来ず、ちょっとだけ抱きつく腕に力を込めてしまった。
そうしたら胡座の上に抱え上げられ、更には抱き締められて、キョーコは蜂が耳の横を掠めた時よりも胸をドキドキとさせながらも、蓮の温もりに安心感を覚えるのだった。
「あ、の…私、本当に虫はダメで…。特に耳元で音を立てて飛ばれると本当に恐ろしくて…。」
「うん。わかるよ。」
蓮の手が優しくキョーコの頭を撫でる。キョーコはドキドキとしながらも、もう少しだけこの時を…と願うのだった。
「耳に、残っちゃって気持ち悪くて…」
キョーコがそう言うと、蓮の手が優しくキョーコの耳に触れた。するりと耳ダブを弄ばれ、キョーコの身体がぞくりとする。
「んっ。」
キョーコから思わず艶のある声が漏れたことで、蓮の目の色が変わってしまったのだが、キョーコはそれに気付かない。
「どっちの耳が気持ち悪いの?」
「あっ。んっ。右…耳がっ…。」
「そう…じゃあ、おまじないかけてあげるよ。」
そう言った蓮の顔が不意に耳元に近付く。
「愛してるよ…。キョーコ。」
キョーコの耳に息がかかるほどの距離で、色気たっぷりの低音ボイスで囁かれ、キョーコは反応出来なかった。敦賀セラピーにより思考が止まり掛けていたことも原因だろう。
その言葉を理解する前に、耳に、ぬめっとした感触がキョーコを襲った。
「ああっ!」
予想外の蓮の行動にキョーコから今まで出したことがないような艶のある声が聞こえた。
「んっ。はっ、つる…がさんっ!」
蓮に耳を弄ばれてることに気付いたキョーコはゾクゾクとしてしまう身体からなんとか言葉を紡ぎ出す。
「んんっ。そ、んな…とこ…汚…っ!」
味わうように舌を動かす蓮から逃れようとするのだが、それも無駄な抵抗となってしまった。
キョーコからも艶っぽいため息が出る。
桜がフワフワと蓮とキョーコの周りを舞うと、桜に見られているようでキョーコの身体もますます朱に染まって行った。
「やっ。敦賀…さんっ!恥ずかしい…っ。」
「誰も…見てないよ?」
「んっ。でも…桜がっ。」
「うん。桜には見られてるかもね?」
そう言って、蓮がキョーコの耳から離れると、キョーコはまだバクバクなっている心臓を抑えながら、甘い溜息をついた。
「な…んで…こんな…」
キョーコが何でこんなことを?と言い掛けた所に、蓮から激しいキスをされて、キョーコの時が止まる。
「ふうっ…うんっ。」
紅潮した頬、焦点の定まらない潤んだ瞳に咎められてもますます蓮は煽られるばかりだ。
口付けた唇は甘く痺れて全身を駆け巡る。
キョーコの手がどうしていいのか分からずに、蓮の服を遠慮気味に引っ張る。
蓮はキスをしながらも、そのキョーコの手を取ると、指を絡めさせ、キョーコの手のひらを指で擦る。
抵抗を見せないキョーコの手に機嫌を良くした蓮は、キョーコの腕を首の後ろに回させる。
すると、キョーコは蓮の首に縋るようにぎゅうっと抱き着いてきた。
2人のキスが益々深まる。何時の間にか、レジャーシートの上でキョーコに覆いかぶさるようになっていた蓮は、ゆっくりとキョーコから唇を離すと、その口を頬や首筋に寄せていった。
キョーコの腕が蓮を求めるように首を抱きしめる。
キョーコの首筋に何度か吸い付いて小さな痕を残して行く。
そのうち、キョーコの手が蓮の髪の中に差し込まれると、蓮は許されたような気分になってくる。
「このまま…君を愛していたい」
蓮がキョーコの耳元に囁くと、キョーコの迷うような怯えの様なものも混じった潤んだ瞳とぶつかる。
安心させるように瞼にキスを落として…
その後の2人がどうなったのかは、桜のみが知っている。
まるで祝福するように舞い散る桜に、周りの世界から隔離されたような錯覚を2人に落として。
数ヶ月後、2人の熱愛報道が世間を揺るがすことになるのだが、この日のことは、2人と桜だけの秘密だ。
桜の祝福のシャワーを浴びた2人は世界中の誰よりも幸せを手にすることが出来たのだった。
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お題テーマ「桜」
今回は研究員さんの見たいと言っていたシーンも盛り込んでみました♪
どうでしょう?ドキドキ。
お楽しみ頂けてたら幸いです♪