40秒計の導入とラスト2分を除くアウトオブバウンズプレイ後の次のタイムインが変更になったことによって、試合時間が早くなるのと同時に1~2シーズンはかなり混乱が予想されます。審判、プレイヤー、ベンチ、観客皆さんに影響のある変更ですので、試合を通した流れを見てみましょう。


【キックオフ】(プレイクロック・PC=25秒)


各審判は自身の準備が済めば手を上げてレフリー(R)に合図します。

この時点で、キック側、レシーブ側ともセットしていることになりRがレディーフォープレイをかけてPCの25秒のカウントダウンが始まります。

ボールがキックされ、レシーバーがキャッチするとゲームクロック(GC)がスタートします。PCはキックされた時点で25秒にリセットします。


①反則発生=キック前のデッドボールファウルでない限り、GCはキックリターンのプレイが終了するまで動かします。反則の選択後、再度キックオフなら上記の手順を繰り返します。キックボールのアウトオブバウンズ(OB)などで選択の結果がレシーブ側の攻撃に移る場合には通常のキックオフ終了と同じ手順で、1stダウンのポイントにボールをセットします。タッチバックのケースも同様です。


②リターンタッチダウン=タッチダウンの瞬間にGCはストップします。PCは次のTFPでも25秒でスタートですから、そのままです。


③キック側リカバー=キック終了と同じ手順です。反則がなければリカバー地点でGCは止まり、キック側の攻撃となります。ファンブルリカバーではなく、レシーブ側にタッチがないキックボールのリカバーの場合は、キック側はボールを前進できませんので、リカバー地点で笛を吹いてプレイを止めます。



【スクリメージプレイ】


1stダウン=キック(パントも含む)で攻守が変わった最初の1stダウンのPCは25秒セットです。GCのカウントはスナップからとなります。スナップされたらPCは40秒にセットされます。(Rはプレイ後、両手を上に荷物を持ち上げるシグナル=40秒にセットせよの意=を出します)。


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①攻撃がインバウンズでデッド(ゲインが10yds未満)・・・デッドを確認した審判が片手を挙げます。
このシグナルを確認したらPCがスタートします。GCはインバウンズデッドですからそのまま動いています。ボールを速やかにセットし、RはPCが残り20秒以上であることを確認してから「次のダウン」のコールのみを行います(笛は吹きません)。



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②攻撃がOBでデッド・・・OBを確認した審判はOBのシグナルを出します。片手を上に上げるボールデッドのシグナルは不要です。このシグナルを見てPCはスタートします。GCはOBの瞬間に止まります。ボールを速やかにセットし、RはPCが残り20秒以上であることを確認してから次のダウンのコールとともにタイムインのシグナルを出します(ここでは笛を吹きます)。GCもこのシグナルでスタートします。

※ラスト2分ではGCのタイムインは従来どおりスナップからです。


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③攻撃がパス不成功・・・不成功のシグナルを審判が出したらPCがスタートします。この場合にもボールデッドのシグナルは不要です。RはPCが残り20秒以上であることを確認してから次のダウンのコールのみを行い、笛は吹きません。GCはスナップスタートです。


※ GCを止めるためのスパイクもパス失敗と同じ扱いです。

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④攻撃が10yds以上ゲイン、ダウンを更新してインバウンズでデッド・・・①と同様にデッドを確認した審判がタイムアウトシグナルを出してPCがスタートします。GCはストップです。
ボールがセットされ、チェーンのセットも確認したら、Rは1stダウンとタイムインのコールを行いGCをスタートさせます。


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⑤攻撃が10yds以上ゲイン、ダウンを更新してOBでデッド・・・②と同様でOBを確認した審判のシグナルでPCがスタートします。後は④と同じ手順になります。




ダウン中に反則が発生したら、Rは片手を上に荷物を持ち上げるシグナル=25秒にセットせよの意=をしてPCを25秒にセットさせます。これは、チームタイムアウト、オフィシャルタイムアウト、けが人のためのタイムアウト、TFP、得点後のキックオフでも同様になります。


昨年までと一番大きな違いは、これまでダウン毎にRが行っていた「○○ダウン、ピッ」という笛があまり吹かれなくなるという点と、ラスト2分以外のOBプレイではRのレディーフォープレイでGCがスタートする点でしょうか。40秒計については先に書きましたが、Rが次のダウンをコールする時にPCの残り時間が20秒以上ないと、一度プレイを止めてPCを25秒にセットしなおし、再度レディーフォープレイをかけなおすことになります。


まずは5月2日の東北大VS岩手大(東北大川内Gr、13:00キックオフ)で東北地区では初めてこのオフィシエイティングを実施します。オープン戦ですが、両チームからの質問などには丁寧に答えながら進行したいと考えています。