今年から1種類になった反則です。守備側はボールを持ったランナーを手を使って止めることが役目ですが、プレイヤーの頭部を守っているヘルメットや顔を守っているフェイスガードはつかむ事ができません。アメフトはまず首を鍛えることから基礎が始まるスポーツですが、ヘルメットやフェイスガードをつかんでしまう場合というのは、往々にしてランナーの身体は進行方向へ向かって勢いがついている時にヘルメット(首から上の部分)だけがタックルされた地点にとどまるという非常に危ないシチュエーションになることが多いのです。いくら首を鍛えているとはいえ、スピードがついていたりすると、頚椎を痛める原因にもなりかねず、頚椎損傷は過去にも下半身不随などの重度の後遺症を残す場合が多いのです。

従来は、ヘルメットやフェイスガードに偶然手がかかってしまい、つかんでひねったりしていなければ、5ydsの罰退というペナルティーがありました。この5ydsの反則が今年からはなくなり、つかんでひねったり、そのまま引き倒したりした場合のみフェイスマスクの反則と規定されました。なくなったからといって、手をかけてもよい、というわけではなく、その場合は「手の不正使用」(シグナルはホールディングと同じ。10ydsの罰退)などのほかの反則になります。


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これは危険なプレイになりますので、15ydsの罰退で1st Dを与えられることになります。


原典の反則名を日本語訳すると「フェイスマスクをつかんだ反則」という長ったらしい名称になるのですが、日本語で表現する場合には単に「フェイスマスク」と言っています。

守備側も必死でランナーを止めようと手を伸ばすわけですが、そこでつかんだのが相手のフェイスガードだったり、ヘルメットだったりしても反射的にその手を握ってしまうというのもわからないわけではないのですが、やはり、タックルは首から上にしないように日ごろから練習を積んでおいてもらいたいものです。