あぁ…


あぁぁぁ…


どよ~んがーん



ぼく、王子です!
『かぁさま、ぼく気にしてないですから、
そろそろ元気を出したらどうですか?』


う、うん。ウィーちゃん。
その優しさが痛いよ。


どよ~んの理由。


猫トイレを掃除していた時のこと。

「流せる猫砂」を人間用のおトイレに流し終わり、
「ふぃー三3」と後ろも見ずに猫トイレを抱え、人間用トイレから出たワタクシ。


その瞬間

『シャーッ!』と普段は聞かない声。


何事!?


王子は

なにやら忙しそうに猫トイレを掃除しているワタシを

そっと待っていてくれたのです。


そんなウィーちゃんの

立派な立派なしっぽを

かぁさまは踏んでしまいました。


あぁ…

あぁぁぁぁ…

ごめんなさい×100万回土下座



王子ことウィリアムは
4年もの間、お外で生活してきました。

野良猫の生活は楽ではありません。

だから、家猫になった今は
痛いことや飢えだけは絶対に経験させたくなかった。

そう思っていたのに…


慌てて謝りに行ったワタシ

『何するんだよ~!!!』とか
『もう、嫌い!!!』って

逃げてくれても良かったんだよ。

でも

しきりに謝るワタシに、いつものように気持ちよさそうになでられるウィリアム。

まるで

『かぁさま、わざとじゃないいんですから。
ぼく、気にしてないですよ。』とでも言うように。


うぅ…

うわ~んんんんうえーん


ウィーちゃん。
キミはどうしてそんなに優しいんだぁ~うおー


もう絶対に、二度としないからね。



~その頃、メイは~


『う~んっと、アタチご飯は食べたけど、何かデザートが欲しいわね。
ほら、デザートは別腹って言うでしょ?』


ぼく、王子です!

いつもは食べ物を出しておかないように気をつけているんですが
今日は朝食の残りのはんぺんをうっかり台所に置きっぱなしにしてしまいました。

未遂に終わったけど
はんぺん、メイ子さんの歯型が付いていたよ

メイ子さんも
お外にいた時は、人間の食べる物だろうがなんだろうが、
口に運ばなければ生きて生けなかったんだよね。

でも、家猫となった今、
猫さんの健康のためにそれは良くない。

メイ子さんが悪いんじゃないんだ。
出しておいたかぁさまが悪い。

ごめんなさい×100万回