死んだように・・・眠るユーリ。

寝顔が・・・・すこし悲しそうにみえて・・・親父の・・・俺の記憶の隅にある親父の顏にリンクする。

「う・・・。」思わず口元を抑えた。

胸の奥から・・・何とも言えない感情が込み上がってくる。

目の前が・・・涙で歪んだ。

「起きた?ルイ?」

俺が動いた気配を感じたのか、ユーリがラグから起き上がり俺の方を向く。

そして俺の表情を見て・・・一瞬呆然とした。

「ルイ?どうした?なんかあったのか?」

「何でもない・・・ちょっと感情の・・・コントロールができないだけだ・・・」

「ルイ・・・顏真っ青だぞ!!」

「わかってる・・・すぐ押さまる・・・大丈夫・・・ほっといてくれ・・・}

なんなんだ・・・いくら似てるからって・・なぜこんなにも重なるんだ・・・こいつと親父・・・。

「なあルイ・・・僕には何でも言ってよ・・・。なにかまずいことに巻き込まれてないか?」

「そんなことない。」

すこし落ち着きを取り戻して…ユーリに答えた。

「だって、ルイお前・・・体じゅうに痣が・・・」

くそ・・・シンのせいだ・・・。

「どうして?みたのかよ?」

「ごめん。倒れた時・・・ソファに寝かして・・・シャツのボタン外したら・・・見えたんだ。」

「これは、すぐ消えるさ・・・気にするほどのものじゃないんだ。」

「本当か?」

「ああ・・・本当だよ。気にするな・・・」

「家に・・・帰れるか?」

「ああ・・・。」

「運転できるか?タクシー読んだ方がいいなら呼ぶぞ?」

明日・・・別の舞台の稽古で車がいる。でも・・・運転する気力がいまの俺にはなかった。

酷く疲れていたし・・・・頭もすこしぼうっとしていた。

どうしたんだろ・・・俺らしくない。

今は・・・一人になりたくないんだ・・・一人になったら、何かに飲み込まれそうで・・・怖い・・・。

「ユーリ・・・今晩だけ・・・そばにいてくれないかな・・・。」

気が付けば・・・そんなことを呟いていた。