第2回ヴィクトリアマイル コイウタ

 第2回ヴィクトリアマイル(13日、東京11R、GI、4歳上牝馬オープン国際マル指、定量芝1600メートル、1着本賞金9000万円=出走18頭)新緑の府中、長い直線を切り裂いて“マイルの女王”に輝いたのは関東の伏兵コイウタだった。その鞍上は22歳の伸び盛り松岡正海騎手、そして調教師は開業3年目の奥平雅士師。このフレッシュコンビが、牝馬のマイル路線に新風を吹き込んだ。2着も関東馬のアサヒライジング。3着には8番人気のデアリングハートが入り、3連単は228万円を超える波乱となった。



 新しい風は東から吹いてきた。伏兵コイウタが関西が誇るカワカミプリンセス、スイープトウショウらの強豪牝馬勢を一蹴。逃げ粘るアサヒライジングをかわし、22歳の松岡正海とともに初めて味わうGI制覇のゴールへと飛び込んだ。


 人馬とも完璧なレース運びだった。道中はインの5、6番手でじっと我慢。絶好の手応えで直線に入る。馬場のいい外めに持ち出す選択肢もあったが、残り約400メートルの時点で、松岡は躊躇なくそのままインに突っ込んだ。一瞬の判断が奏効。あとは力任せにコイウタを追い続けるだけだった。ゴール後は歓喜のガッツポーズで喜びを表現した。


 「昨日から負けて(土曜日は1番人気で5敗)ばかりいたので、自分の勘だけを頼って、開き直って乗りました。手応えは抜群だったし、反応も素晴らしかったです」とヒーローは声を弾ませた。思い切りの良さが彼のセールスポイントだが、事前のレースで芝の傷み具合をしっかりとチェック。コイウタの進路は速力が殺がれないギリギリのところで、最大限に引き出された。


 伸び盛りのジョッキーは昨夏、アイルランドへ武者修行。名門のジョン・オックス厩舎で馬作りに携わった。その成果は徐々に出つつあり、皐月賞は15番人気のサンツェッペリンでハナ差の2着。その悔しさをGIの舞台で見事に晴らして見せた。


 開業3年目の奥平雅士調教師(34)もうれしいGI初制覇。義父の奥平真治元調教師や、多くの関係者から祝福をうけて、「直線は長く感じましたね。ジョッキーの判断も良かったですし、よく頑張ってくれました。えらい馬です」と満面の笑み。現在、18勝で全国調教師リーディングの2位と、まさに飛ぶ鳥を落とす勢い。そして、その経歴も異色だ。研修期間中には、堀紘一氏の経営コンサルト会社でサラリーマン生活を経験。従来の枠にとらわれず、新しいことにチャレンジにしてきた。この勝利はさらなる躍進の自信となるに違いない。


 カワカミやスイープを負かしたコイウタには米国遠征のプランが浮上。限りない可能性を秘めた牝馬最強マイラーのトレーナー&ジョッキーのコンビは、世界へと力強く羽ばたいていく。


-サンケイスポーツより-


2週連続ビックリの結果!

それにしても、騎手が上手く乗ったねw