第12回NHKマイルカップ・ピンクカメオ

 第12回NHKマイルC(6日、東京11R、GI、3歳オープンマル混マル指、定量、芝1600メートル、1着本賞金9200万円=出走18頭)GI史上最大の波乱だ! 17番人気の牝馬ピンクカメオがラスト驚異の末脚を繰り出して、圧巻のスパート。1分34秒3(稍重)で、重賞初制覇がGIという快挙を成し遂げた。2着は1番人気ローレルゲレイロだったが、3着には最低18番人気のムラマサノヨートーが突っ込み、3連単(14)(10)(18)は973万9870円と1000万円近くまで跳ね上がった。また大井の内田博幸騎手(36)は、嬉しいJRA・GI初制覇となった。



 ゴールデンウイークの最終日、東京競馬場がどよめきに包まれた。重賞史上最高配当の3連単973万9870円。宝くじさながらの“100円が1000万円”だ。降りしきる大雨の中、BIGサプライズを演じたのは、ブービー17番人気の牝馬ピンクカメオだ。

 

 マイネルレーニアが逃げる中、“ピンカメ”はぬかるむ馬場を苦にせず後方待機。直線で行き場が見つからなかったが、内田博幸騎手の腹をくくって脚をためる策がズバリ当たった。引き絞った弓から放たれた矢のような驚くべきスパート。先に抜け出した1番人気ローレルゲレイロを一瞬のうちにかわして驚愕のゴール。桜花賞14着馬の大逆転劇に、内田博もが「まさか勝てるとは…」と言葉を失っていた。

 

 さらに驚いたのはその後…。3着に突っ込んだのは、何と最低18番人気のムラマサノヨートー。「直線ではゾクゾクしましたよ」と小林淳一騎手が振り返る。

 

 ドラマの締め括りはターフビジョンに映し出された973万9870円。その瞬間、スタンドはどよめきに包まれた
人気最低2頭が1、3着なら配当も驚異-。上位3着を着順通り当てる3連単(14)(10)(18)は973万9870円(4896通り中4375番人気)!! 従来の重賞最高は今年4月7日のGIIニュージーランドTの3連単490万4740円で、その倍。GIでは昨秋のスプリンターズSの3連単263万7570円を、3倍以上も記録更新した。

 

 なおJRAだけでなく各競技を通じての史上最高は05年10月22日東京12Rの3連単1846万9120円。同じ東京で1着馬には小林淳一が、3着馬にはこの日ローレルゲレイロに跨った藤田伸二騎手が騎乗していた。偶然とはいえ、何か因縁を感じさせるような…。

 

 ピンカメを超ヒロインに仕立て上げた地方のエース、内田博は、これが中央GI初制覇。『ウチパク』と呼ばれお馴染みで、中央GIを勝つのは時間の問題と言われていた。わずかにあった勝利への“予感”は、雨中での躍動だった。

 

 「雨があれだけ降っているのに、返し馬では素軽い跳びをしていたんです。こんな芝は合うんじゃないかと…」。むろんダートの地方競馬でトップを張る男の、超一流の、重い馬場での追わせる腕も光っていた。雨を気にしなかったピンカメに、力のいる馬場を得意とするウチパクの技術がぴったりマッチしたからこそ、快挙が産まれた。

 

 ピンクカメオはこの後オークスで、変則2冠を狙う。残念ながらウチパクは騎乗できないが、GI2勝馬ブラックホークの半妹で、兄と同じ金子真人オーナー(金子真人ホールディングス(株)=昨年までディープインパクトも所有)、国枝栄厩舎とGIを連勝できる礎がある。オークスでも再び波乱、いや、今度は“順当勝ち”を呼び起こすかもしれない。


-サンケイスポーツより-


イヤイヤ、大波乱にビックリ仰天!

ローレルゲレイロは、勝てないだろうとは思っていたが。

勝ったのがピンクカメオとはねぇ。

3着がムラマサノヨートー。名前が気にはなっていたけどね。

いやはや。何ともかんとも。