TOKYO HEALTH CLUB「HEALTHY」 | Rotten Apple

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[Japan,HipHop]

01.-Before-
02.HEALTHY
03.スタンドプレイ
04.I.W.N.B.
05.ピクニック
06.TAKAHASHI feat.THC
07.やればできる~make miracle~
08.つくる
09.生活 feat.中小企業
10.おきらくごくらく
11.Coin Laundry -Dry ver.-
12.P
13.CITYGIRL
14.-After-


多摩美術大学出身の同級生、TSUBAME、SIKK-O、DULLBOY、JYAJIEからなる4人組TOKYO HEALTH CLUB。コロコロコミックの新解釈により誕生したらしいユーモラスな世界観の脱力系ヒップホップグループです。
暇を持て余した悪ふざけ感を漂わせつつも細部におもしろさが隠れていたり、その脱力さはどこかインディーやサブカル的な空気を感じたりと、現代版FGと称したくなるようなアルバムになっています。

I.W.N.B」は初期KREVAが作りそうなコミカルなトラックにSIKK-Oのセンスしかない歌詞が良いですね("by the people for the people あとparty peopleと朝までダンスして いい国つくろうバラクオバマ風演説 プロップスあげるセンテンス" とか!)。ビートからHOOKまでFGノリな「ピクニック」やPESが作りそうな「おきらくごきらく」、美大卒らしい才能とクリエイティブなことについてラップした「つくる」などなど、グループ構成やアルバムタイトルからは世代的にどうしてもKICK THE CAN CREW「3MCs+1DJ」のフレーズが浮かんでしょうがないですね("We are theキャラ立ち3本マイク+キャラ立ちDJ 聴きな新しい形 頭に体にいいぜ")。

と思いつつ聞いていたら最後にやられました。ひたすら女の子の後ろ姿を追いかけるMVも話題の「CITYGIRL」。サンプリングネタではなくそれっぽいギターフレーズを入れた彼らなりのシティポップ×ヒップホップ。と思わせつつ最後のフレーズ("信じたいのは君じゃないの シリアスだけど盛り上がりたいの")でこれは現代版「ロンリーガール」だったのかとさらに引っくり返してきます。
SIKK-Oの固有名詞を多用したねっとりしたフローやTSUBAMEのサンプリングビートなど現代版FGな解釈含め、とても脱力系では括れない良いアルバムでした。

ネタでしかない洗脳チックな始まりやピー音だらけで成立してない曲があったりするんですけど、そういういらない曲を入れても許される空気はなかなか出せないですしね。中盤は少しだれるけどよく考えたら最初からだらだらでした。
まぁ難しいことは考えず深呼吸してリラックスしながらお聞きください。